2003年11月18日火曜日

【委員会】平成15年11月18日 平成15年都市・環境委員会

2003.11.18 : 平成15年都市・環境委員会


◯吉原委員 それでは、若干質問だけにさせていただきたいと思いますけれども、今も、緑ということが私たちの住んでいる東京にはとても大切だというお話もありましたし、これからその方法というものをしっかりと考えていかなきゃいけないというお話もあったわけでありますけれども、私もつい最近、中国を訪問する機会がございまして、北京と上海に行ってまいりました。ご案内のとおりの国でございますので、細かいことを申し上げるつもりもございませんけれども、北京に行ってみますと、やはり歴史のまちだなという感じもいたしましたし、上海に行きますと、本当の経済の都市だなという、相対する、同じ国でありながら、全く様相の違う都市を二つ同時に見させていただきました。
 北京の場合も、中心には大きな高層ビルを建てさせないという制度をもう既につくっているようでありまして、郊外というよりも、中心部から少し離れたところに高層ビルをつくっていこう、中心にはできるだけ低層でというような計画のようでございましたけれども、そこのところにでも、緑をこれから復元していこう、そういう計画があるということをたびたびお伺いいたしました。
 私たちのこの東京においては、中心がどうしても高層ビルに囲まれて、郊外に行くに従って、当然のことでありますけれども、緑があるわけであります。北京の場合に、お聞きしましたら、北京で緑は四三%以上あるといっておられました。東京でも、先ほどもご議論があったように、みどり率だとか、あるいは緑被率だとかという議論がよくあるわけでありますけれども、今部長さんからもご答弁いただきましたけれども、みどり率というものに対して、もう一つ何かひねって考えていった方がいいのではないかなという思いがちょっといたしました。
 余分なことで恐縮でございますけれども、それに関連して、自然の保護についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 昨今も西多摩の方でオオタカの問題がございました。猛禽類だというお話については、ことごとく説明するつもりもお伺いするつもりもございませんけれども、新聞でもたびたび取り上げられたわけであります。私の住んでいる町田でも、若干青梅あるいは西多摩の方と違う環境のところもあるわけでありまして、横浜市あるいは川崎市にほど近いところにも若干の樹林地があるわけでありますけれども、そこのところには、ちょうどオオタカが生息しているということが確認をされております。
 そしてまた、そのほど近いところに、今はマンション計画をされております。これも高層のマンションでありますけれども、地域の人あるいは市の多くの皆さんも、オオタカに長く生息してほしい、そういう思いがそれぞれの皆さんにあるわけであります。そこで、お尋ねをさせていただきますけれども、ほど近いマンションが計画されているわけでありますけれども、自然保護条例の開発許可上、どのような手続になるのか伺います。


◯徳毛自然環境部長 ご指摘のマンション計画は、グラウンドの跡地約四・八ヘクタールの敷地に十四階建て、約六百戸を建設するものでございます。この計画地の外、南側二百メートル弱のところにオオタカが営巣したとの情報がありました。自然保護条例では、樹林地や草地などの自然地について、一定規模以上の宅地造成等の開発を行う場合は知事の許可が必要でありますが、このマンション計画につきましては、敷地がグラウンドの跡地であり、自然地ではないことから、自然保護条例の開発許可を必要とする行為には当たりません。
 なお、自然保護条例第五条では、事業者は、事業活動を行うに当たっては、自然の保護と回復にみずから努めるとともに、知事が実施する自然の保護と回復に係る施策に協力しなければならないとして、事業者の責務を定めております。


◯吉原委員 今条例の開発許可に当たらない、そういうお話でございますけれども、種の保存法によっては、何かその保護対策を講じられるものはないのだろうか、ちょっとお尋ねをさせていただきます。
 そしてまた、環境省がオオタカなどを保護するための指針として策定した「猛禽類保護のすすめ方」というものがあるとお聞きしているわけでありますけれども、この指針に基づいて、事業者に保護方策を講じる指示ができないものなのかお尋ねいたします。


◯徳毛自然環境部長 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、いわゆる種の保存法では、オオタカ等の国内希少野生動植物種について、捕獲、譲渡、輸出入、陳列などに制限を定めております。また、環境大臣は、国内希少野生動植物種の保存のため必要があると認めるときは、その個体の生息地または生育地等を生息地等保護区として指定し、立ち入りの制限や建築物の新築などをするに当たって、事業者に対する届け出義務などを定めております。このマンション計画につきましては、いずれの制限行為にも当たらないことや、生息地等保護区が都内には指定されていないことなどから、種の保存法に基づく規制は受けません。
 一方、環境省が策定した「猛禽類保護のすすめ方」は、事業者等が開発等に際して猛禽類保護のために構ずべき内容を指針として定めたものであり、法的な拘束力を持つものではございません。しかしながら、都としては、自然保護条例の事業者の責務規定等に基づき、工事期間中のモニタリング調査の実施や、低騒音型車両等の使用など、オオタカに対する配慮を行うよう事業者に対し指導しているところでございます。


◯吉原委員 お話しいただいた、法的には何の拘束力もない、こういうことのようでございますけれども、マンション事業者が自分の意思で方策を講じていかない限り、今の段階ではオオタカの生息を保護していく、こういうことができないということでありますけれども、やはり国の法律あるいは東京都の中でも、レッドデータブックの中でもBランクに位置づけている猛禽類でありますから、ぜひともその方策というものを何か考えてもらいたいなという気持ちがあるわけであります。
 なかなか今の法律や条例の限界というものもあるということもよく承知しておりますけれども、今のような、たまたまの町田の場合のような状況が、オオタカに限らず、今の緑や水、あるいは生物、本来我々人間がこれから守っていかなければならない、そういった貴重なもの、これは何か法律や条例をつくって守っていただきたいという思いがあるのですけれども、しかしながら、今の状況ではどうにもならない、そういうことはよくわかりました。
 しかしながら、これからこういった状況の中でも、保全策というものがきちっと講じられるようなもの、こういうものを将来に向かって考えていかなければいけないのではないかな、そんなふうに思いますが、局長、いかがでしょうか。


◯小池環境局長 環境行政を推進している環境局といたしましては、自然環境の保全と回復を求めるということはあくまでも基本的なスタンスということでございます。全体的なことを申し上げますと、自然保護条例とか自然公園条例、環境影響評価条例などの直接の対象となります自然の改変、開発行為につきましては、当然のことではございますが、自然の改変に際して自然環境の保全と回復を求め、自然と調和した計画内容とするように指導、調整を図っております。
 また、実際の開発に先立ちまして、開発許可に当たりましては、許可基準以上の緑地の確保や貴重な植物の移植など、より自然環境に配慮した開発が行われるように、具体的に事業者を指導、助言したりしてきております。
 ただいま委員ご指摘のありましたような事例につきましては、現行の法や条例の規制を受けない事業であるということから、行政指導もおのずと限界はございます。そういう中ではございますけれども、可能な限り貴重な動植物への配慮を行うよう事業者に働きかけ、自然環境の保全に努めていくことを基本姿勢として取り組んでまいりたいと思います。


◯吉原委員 ぜひともよろしくお願いいたします。
 次の質問に移りますが、温泉の掘削について伺います。
 温泉の掘削などについて、東京都の諮問を受けて、自然環境保全審議会は答申を出されました。最近の傾向を見ますと、都内に温泉の掘削の許可申請は大変多くなってきたのではないかなと思っております。当然私の地元でも、もう数カ所許可をいただいたところもありますし、また、申請を出させていただいているところもあります。そしてまた、二十三区においても数多くなってきた。現実には、新宿の戸山町のところにも、そういったところもあるということも承知をしているわけであります。
 都内における温泉のくみ上げに対する規制というものが今一体どういう状況になっているのか、お尋ねをいたします。


◯徳毛自然環境部長 都では、温泉法第四条に基づきまして、動力装置の許可に係る審査基準を定め、地域を指定して温泉の揚湯量等を規制しております。加えて平成十三年度からは、東京都環境確保条例で揚湯量の報告を義務づけております。温泉の許可に当たりましては、この審査基準を厳正に適用し、また、自然環境保全審議会に諮問し、審議を経た上で答申を受け、許可を行っております。現在の審査基準は平成十年の東京都自然環境保全審議会の答申に基づいて定めたものでございます。


◯吉原委員 今の審査基準は、平成十年の審議会の答申に基づいて定めた、こういうお話でございますけれども、その基準を示した審議会の答申は一体どういう内容だったんでしょうか。


◯徳毛自然環境部長 平成十年五月十一日に開催された自然環境保全審議会の答申では、温泉掘削の申請井戸の深度は千メートル以上が多く、その地層は天然ガスを含む上総層群であることが多い。この層からの温泉採取は地盤沈下の発生するおそれがある。また、大深度の地下水採取に伴う地盤沈下のメカニズムが未解明であること、地盤沈下が回復困難な公害であることから、今後とも地下水採取規制を継続していく必要があるなどの問題意識を踏まえた上で、まず一日当たりの最大揚湯量を設定し、次に揚湯量の定期的な記録、保管、温泉に対する監視、指導体制の整備を求め、水位の低下など、異常時への対応など、四項目について答申しております。


◯吉原委員 私もこの審議会に若干ではありますが籍を置かせていただいたときがございました。どうしてもたびたび温泉と地盤沈下という問題が提起されておりましたけれども、今後、都はどのように対応していかれるおつもりなのか伺います。


◯徳毛自然環境部長 ただいまのご質問でございますが、都内でも、近年、温泉掘削の申請が増加傾向にあり、温泉に係る審議の際には、委員から、大深度掘削と地盤沈下の関係を科学的に究明する必要があるとご指摘をいただいております。このため、平成十五年九月に、自然環境保全審議会委員と地質及び地盤に関する外部の学識経験者を加えた研究会を設置し、地盤沈下も含めた温泉掘削に係る諸問題を検討しております。
 研究会の検討結果につきましては、自然環境保全審議会温泉部会を通じて、本審議会に報告いたします。現在、今年度中に研究会の中間報告をまとめ、審議会に報告したいと考えております。
 なお、国に対しても、環境省が設置した地下水地盤環境懇談会の場で、大深度の揚水と地盤沈下の関係を解明するよう強く要望しております。


◯吉原委員 ことしの九月ですか、検討し始めた、そういうお話でございますけれども、これからますます温泉掘削の申請がふえてくるのではないかなと思うわけでありますけれども、もし、こういう状況が続くとするならば、当然くみ上がる総量はふえるわけでありまして、地盤沈下との関係も大きくまたクローズアップされるような場合が来ないとも限らない、そう思うわけであります。東京都として、総量規制など何らかの規制をもうちょっと強くしていくべきではないかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。


◯徳毛自然環境部長 今後は、先ほどご説明した研究会で、大深度からの揚水と地盤沈下との関係に関する科学的知見を集積するとともに、研究会の検討結果を待ちまして、今後の対応について検討してまいります。


◯吉原委員 ぜひ温泉のくみ上げる量も、事業をされている方々、あるいは今個人でも自分のうちで温泉に入りたいという方が多くなってきまして、掘られようとされている方も多いようにお聞きしているわけでありますけれども、くみ上げる量も当然違うわけでありますから、その辺の仕切り分けといいますか、違いも、少し差別化されてあってもいいのではないかな、そういうふうに思っておりますので、ぜひご検討をいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。