2007年11月14日水曜日

【委員会】平成18年11月14日 平成18年度各会計決算特別委員会

2007.11.14 : 平成18年度各会計決算特別委員会


◯吉原委員 それでは、先ほども議論がございましたけれども、東京富裕論が盛んにいわれているところでもあります。しかし、東京で暮らしている人にとって、東京が地方と比べて本当に富裕といえるのか、私にも実感が全くないわけであります。大都市には地方にない特有のニーズがあります。単に税収だけを比較して、東京が富裕だと論ずるのは全く理不尽な話だと思っています。そこで、福祉施策を例に、大都市特有のニーズと、そのニーズにこたえるためにどのくらいの経費が投入されているのかということを取り上げたいと思います。
 まず、認証保育所についてですが、東京にはさまざまな人が集い、暮らし、仕事やさまざまな活動を通じて活力を生み出し、それが日本全体の牽引力にもなっています。将来にわたって東京の活力を維持し続けるためには、仕事と家庭生活を両立させながら、次代を担う子育てにもしっかりと取り組んでもらえるようにしていくことが大変重要だと思います。
 しかし、現実には核家族化や通勤時間も長いという東京では、若い親の努力だけで子育てをしていくことは非常に大変です。産休や育児休業が終わったらすぐに子どもを預けて働かなければならない人もいるでしょう。また、朝早く子どもを預けて、夕方、職場に気兼ねなく迎えに行けるようにできるだけ長く預かってほしい、そういう人は多いはずであろうと思います。こうしたニーズはまさに大都市特有のものだろうと思います。子育てが大変だからという理由で子どもを持つことをあきらめるということがないよう、社会全体で支援していかなければなりません。
 都は、こうした大都市東京の保育ニーズに的確に対応するために、平成十三年度に認証保育所制度を創設いたしました。まさに利用者本位の保育サービスが提供できる制度でありまして、都民には広く支持を得ているものと思っております。
 そこで、改めて現在の認証保育所の整備状況、そしてまた都費がどれだけ投入されているのか、お尋ねをいたします。


◯安藤福祉保健局長 認証保育所は、平成十三年度の制度創設以来、本年の十一月一日までの六年間で三百八十四カ所、約一万一千六百人分を整備してまいりました。なお、認可保育所は、同じ期間におきまして、九十カ所、約一万五百人分となっておりまして、認証保育所の整備は認可保育所を上回っております。
 認証保育所の運営費等につきましては、国庫による補助はなく、保護者負担のほか、都と区市町村が各二分の一の補助を行っておりまして、平成十八年度の都費の補助額は約五十三億二千九百万円でございます。


◯吉原委員 ここまで普及拡大したのも、認証保育所制度がまさに大都市の保育ニーズに見事に合致していたからだろうと思っております。多様な保育ニーズが存在する東京では、全国一律の認可保育所よりも、柔軟性の高い認証保育所が有効であると思います。ところが、認証保育所には国庫補助がなく、十八年度では都費だけでも五十三億円が投入されているということです。
 そこで、認証保育所をきちんと国の保育制度に位置づけさせるべきといい続けてまいりましたが、これまで国に対してどのように働きかけてこられたのか、伺います。


◯安藤福祉保健局長 ご指摘のとおり、都独自の認証保育所による都市型保育の取り組みが広範な支持を受けておりますことから、既存の保育制度につきましても、大都市ニーズに柔軟に対応できるものへと転換を促す必要がございます。こうした考えに基づきまして、都が認証保育所において実施をしております直接契約の導入や保育料の自由設定、また入所要件の見直しなど、現行の保育所制度の改革を国に提案要求しているところでございます。
 今後とも、質の高い保育サービスを利用者が選択できる仕組みづくりの実現に向けまして、国に働きかけてまいります。


◯吉原委員 今お話のありました保育所改革については、ぜひ地方自治体の中でもこれまで先駆的な役割を担ってきた東京が、引き続き先頭に立って、実現に向けて積極的な取り組みを今後も期待をいたしたいと思います。
 そこで、喫緊の課題である、約五千人いる保育所入所待機児童の解消についてどのように取り組んでいるのか伺います。


◯安藤福祉保健局長 都といたしましては、これまでも認可保育所の設置促進を図りますとともに、認証保育所の創設など保育サービスの充実に努めてまいりました。しかしながら、都内には相当数の潜在的な保育ニーズがございまして、保育所待機児童数は、ここ数年横ばいで推移をしております。
 このため、現在、総合的な子育て支援策を検討いたします子育て応援戦略会議におきまして、認証保育所を初めとする多様な保育サービスの拡充策や働き方の見直しに向けた施策を検討してございます。
 また、待機児童の解消のため、先月三十日でございますが、待機児童の多い区市との連絡会を立ち上げまして、各地域のより一層重点的な取り組みを働きかけておりまして、都と区市町村が一体となってその解消に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。


◯吉原委員 ニーズがあるからこそ独自の制度を設けているのでありまして、財源が余っているからサービスを手厚くやっているのでは決してないわけであります。こうした現実を国に対して強く訴えていくことが大変重要だと思います。一層の取り組みを要望しておきたいと思います。
 次に、特別養護老人ホームと認知症グループホームについてでありますけれども、まず初めに、平成十八年度における特別養護老人ホームの整備状況と、その整備のためにどれだけの経費が投入されているのか伺います。


◯安藤福祉保健局長 特別養護老人ホームの整備状況は、東京都高齢者保健福祉計画におけます平成十八年度利用者見込み数三万四千三十八人分に対しまして三万四千百四十三人分の整備実績でございまして、達成率は一〇〇・三%となっておりますことから、おおむね順調に推移していると考えております。
 この特別養護老人ホーム整備のため都が支出した経費は、平成十八年度決算では約九十億円となってございます。


◯吉原委員 整備は順調に推移している、こういうことでありますから、大変結構なことだというふうに思います。
 しかし、大都市特有の用地確保の難しさ、そしてまた高層化せざるを得ないことによる建設費の高さなども考えると、九十億円もの都費を投入してこその結果ということもいえるのではないかなというふうに思います。
 そこで、東京都は、特別養護老人ホームの位置づけをどのように考えて、また、整備促進に向けた取り組みやその特徴などもあわせて伺います。


◯安藤福祉保健局長 特別養護老人ホームは、地域での生活が困難で、かつ常時の介護を必要とする高齢者に対する多様な施設サービスの一つとして位置づけて、都は独自の整備費補助を実施しているところでございます。
 また、近年都内では、まとまった施設用地を確保しにくくなっていることもございまして、平成十八年度から都有地活用による地域の福祉インフラ事業の対象事業に加えるなど、特別養護老人ホームの整備促進に努めているところでございます。
 今後も高齢化の進展により増大する介護ニーズに対応するため、多様な手法を活用し、整備の一層の促進に努めてまいります。


◯吉原委員 先月発表されました地域ケア体制整備構想の骨子案によれば、ひとり暮らしあるいは夫婦のみの七十五歳以上の高齢者世帯は、これから十年足らずで約一・七倍になるといわれております。急増が予想される東京の介護ニーズに的確に対応するために、特別養護老人ホームの計画的な整備を強くお願いしたいと思います。
 次に、認知症高齢者グループホームについてでございますけれども、このグループホームは、家庭に近い環境の中で共同生活することで認知症の進行をおくらせる効果もあると聞いております。しかしながら、先ほども触れました地域ケア体制整備構想の骨子案によりますと、最近その整備がやや鈍くなってきたように思われます。グループホームの伸びが鈍化している原因をどのようにお考えになっておられるのか、また、整備促進のためにどれほどの都費を投入しているのか、お伺いをいたします。


◯安藤福祉保健局長 お話のように、グループホームの平成十八年度新規開設数は三十三カ所でございまして、平成十七年度実績の五十四カ所の六割程度となっております。
 その背景としましては、近年の景気回復などによりまして不動産需要が増大をし、土地所有者がグループホーム建設のために提供する土地が減少していることが主な原因であると考えております。
 また、介護人材の確保が困難になっていることなどから、これまでグループホームの設置促進に大きな役割を果たしてきた民間事業者及び土地所有者等の事業参入意欲が低下をし、新規開設の減少につながったと認識をしてございます。
 なお、グループホーム整備のため都が支出した経費は、平成十八年度決算では約六億三千万円となってございます。


◯吉原委員 確かに、現在の東京の地価はミニバブルに近い、こういわれているわけでございまして、土地所有者にしてみますと、土地活用の選択肢がますますふえて、グループホームへの土地の提供が少なくなってきている、そういうふうに思います。
 また、このグループホームは、介護保険法の改正に伴って、区市町村が整備計画を策定することになり、国の交付金もこの計画に基づき交付されることになります。このことによりまして、この計画と事業者の参入計画がうまくマッチングしないと整備が進まないわけでありまして、事実上、事業者の参入が制限されている状況があるとも聞いているわけであります。
 しかしながら、グループホームは、二十年度に五千六百人分の整備目標を掲げておりまして、都の認知症高齢者対策の中核ともいえる事業であります。そこで、整備促進に向け、どのような働きかけや取り組みを行っているのか伺います。


◯安藤福祉保健局長 グループホームは、地域における認知症ケアの重要な拠点といたしまして、今後とも重点的な整備促進を図る必要があると考えております。
 このため、都では、土地所有者がみずからグループホームを建設し、事業者に貸し付ける場合に補助を実施するほか、整備がおくれております区市町村を重点的緊急整備地域に指定しまして、補助率を加算するなど、独自の整備促進策を講じております。
 また、平成十九年度からは、小規模多機能型居宅介護事業所を併設して整備する場合は、整備費補助の加算措置を新たに実施しております。
 また、国に対しましては、ご指摘のございましたような区市町村の計画と事業者の参入予定地域とが一致しない場合には、区市町村の整備計画の変更等について柔軟な取り扱いを行うよう申し入れを行ったところでございます。
 今後とも、区市町村が主体的に整備促進に取り組めるよう、都としても必要な支援策を講じてまいります。


◯吉原委員 都民ニーズの高い認証保育所と特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホームを取り上げまして、整備状況を中心にお伺いをいたしました。現在、都は、国の全国画一的な施策では対応し切れない都民ニーズに対応して、都独自の財源でさまざまな施策を展開しています。引き続き都民の切実なニーズにこたえるために、施設などの整備促進に努めるとともに、やみくもに都から財源を吸い上げようとする動きに対しては、都の実情をしっかりと訴えていくよう、執行機関も、そして議会も一体となって取り組んでいくべきであるということを申し上げておきたいと思います。
 最後に要望ですが、本年、育児休業法が改正されました。育児を行う地方公務員の職業生活と家庭生活の両立を一層容易にするための環境整備として、小学校就学までの子を養育する職員のために、短時間勤務制度の導入が可能になったところであります。このことによりまして、これまで、能力と意欲がありながら働くことを断念せざるを得なかった方の活用が促進されるものと大いに期待をしているところでもございます。
 この制度の活用は、昨今の大きな課題の一つでもあります公立病院などの医師、看護師の確保対策にも大変有効であると考えられます。時に乗りおくれることがないように、東京都はもちろんのことでありますけれども、区市町村に対しても、速やかに導入されるよう、都として積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、NPO法人への東京都の指導監督について伺います。
 平成十年に制度が発足されて以来、全国では三万件を超えるNPO法人が認証されてまいりました。そのうち、東京都が認証した法人は約五千六百件に及んでいるとお聞きしております。改めて申し上げるまでもありませんが、NPO法人は、福祉や教育、文化などさまざまな分野にわたって、行政や企業では果たし得ない大きな役割を担っているわけであります。しかしながら一方では、残念なことに、法人の中には、本来の法人の精神に反して、悪質商法や犯罪の隠れみのに使われるケースが時折報道されております。
 つい先日の十一月八日にも、都は、公正証書原本不実記載という罪で理事長が逮捕された日本フィリピン市民交流支援の会の認証の取り消しを行いました。また、出資法違反で捜査を受けたあのエル・アンド・ジー社の関連のNPO法人も報道されました。これらのケースはいずれも、個人や団体の反社会的な利益や犯罪のために、公益を目的としなければならないNPO法人としての仕組みが利用されたものであろうかというふうに思います。
 そこでまず、都は、NPO法人に対してこれまでどのような指導監督を行ってこられたのか、内容と実績について簡潔にお願いをいたします。


◯渡辺生活文化スポーツ局長 NPO法人は、制度創設から約九年が経過し、さまざまな分野で社会貢献活動を展開する中で社会に定着してきていると認識しております。
 一方、ご指摘のように、必ずしも公益とは認められない活動を行う法人も見受けられることから、都は、平成十七年三月に、適切な法人運営を促進するためのNPO法の運用方針を策定し、法に基づく指導監督を強化しております。
 これまで都は、都民からの情報提供等により法令違反等の事実確認ができた場合には、法人に対する改善命令や認証取り消し処分を行っており、平成十八年度の実績は、改善命令が三件、認証取り消しが三件であります。
 また、事業報告書等の提出が三年以上ない、いわゆる休眠法人に対する認証取り消しを行っており、平成十八年度の実績は十八件であります。


◯吉原委員 NPO法人は社会的に大変意義ある制度ではありますが、比較的簡単に法人格を取得できる制度でもあります。その分、都の指導監督の責任の重さはさらに求められているわけであります。今後、都民からの信頼を得るために、都民がNPO法人の情報をもっと入手しやすくすることと、NPO法人みずからが情報を積極的に公開することが大切だと思います。
 しかし、現状では都民が都庁の窓口まで足を運ばないと、定款などの法人の活動に関する書類が閲覧できません。また、みずからの情報を公開すべき法人自身が、何年も事業報告すら提出していないこともあります。都としては、NPO法人の情報公開をどのように促進して、指導監督を強化していくのか、伺います。


◯渡辺生活文化スポーツ局長 NPO法人は、毎事業年度、事業報告書等を所轄庁に提出することが義務づけられており、提出された書類は、所轄庁において一般に公開されております。都は、期日までに書類の提出がない法人に対しては、督促や法人名の公表などを行っております。
 また、ご指摘のとおり、現在、法人情報の公開は窓口での閲覧のみでございますが、平成二十年度を目途に、NPO法人情報管理・提供システムの構築を目指しており、都民がインターネットを通じて自宅等においていつでも閲覧することができるようにし、利便性を確保したいと考えております。
 今後は、このような情報公開を一層進めるとともに、新システムによる事務の効率化を図り、都における指導監督をさらに充実強化してまいります。


◯吉原委員 今ご答弁いただいたことが進めば、都民からの信頼あるいは利便性等もさらに高くなるわけでありますから、NPO法人としても一層の発展につながっていくことになると思います。今後も局のさらなる努力をお願いいたしたいと思います。
 次に、教員の質の確保について伺います。
 団塊の世代の大量退職等に伴う教員の大量採用時期を迎えて、近年、教員採用の動向が注目をされているわけであります。このような中で、今年度の東京都の教員採用の応募者は、昨年度に比べまして一割程度増加し、約一万五千人に上ったとお聞きをいたしました。その取り組みは評価するものであります。
 しかし、首都圏各県でも大量の教員採用を見込んでいるわけでございまして、今後、応募者の確保は一層厳しいものになるのではないかと考えられます。優秀な人材を採用するために、多くの受験者を確保して、競争原理が働くようにすることが重要であると考えます。どのような取り組みを今後行っていくのか、伺います。


◯中村教育長 これまでも、地方説明会あるいは大学での説明会、さらにメールマガジンの配信など、さまざまなPR活動を行い、受験者の増を図ってまいりました。
 今後、これまでの取り組みの規模を拡大しますとともに、地方や大学での説明会には、その地方あるいは大学の卒業生、OBですね、この若手現職教員等を同行いたしまして、直接後輩に語りかけるなど、親しみのある説明会を企画いたしましたり、社会人が参加しやすいよう夜間の説明会を開催するなど、説明会の参加者に合わせた工夫を凝らしまして、効果的なPR活動を展開してまいります。


◯吉原委員 ところで、公教育の質の向上のためには、数の確保のみならず、教員としての資質、能力の高い人材を採用選考において見きわめる必要があるわけであります。この観点で今年度の選考での取り組みについて伺います。


◯中村教育長 これまでも、教員としての資質、能力の高い人材を確保するために、選考方法を工夫、改善してきたところでありますけれども、今年度から、学校現場でもって実際に授業等を行っております産休、育休代替教員などの臨時的任用教員や非常勤講師などが教員採用選考を受験する場合には、学校長等の評価を採用選考に適切に反映する仕組みを講じたところであります。その結果、実践的指導力など教員としての適性を確実に見きわめる選考ができたというふうに考えております。


◯吉原委員 教員の生涯賃金を考えますと、先ほどからご答弁いただきましたように、教員としてのふさわしい人材を採用するよう、着実に進めていただきたいと思います。そのためにも、採用に当たっては、必要な経費はしっかりと計上していただいて、効果的に、そしてまた効率的に執行されるよう要望をさせていただきます。
 ところで、定年退職教員の増加に伴う教員の大量採用は避けられないとしても、公教育の質の確保のためには、定年退職教員の中で優秀で意欲のある経験者をこれまで以上に活用することが必要だと考えます。そこで、退職した教員の活用についてお伺いをいたします。


◯中村教育長 学校現場が抱えますさまざまな課題に適切に対応していきます上で、豊富な知識や経験を持ちます退職教員を積極的に活用することは大変有効であると考えております。
 本年度より、小学校におきまして、入学したばかりの児童が落ちついて授業に取り組むことができない、いわゆる小一問題、これへの対応や、学級経営、学習指導等に関します新規採用教員への支援のために、退職教員を教育アドバイザーとして選任いたしまして、各区市教育委員会に配置したところであります。
 今後は、退職教員が増加することを踏まえまして、新たな活用策についてもさらに鋭意検討してまいります。


◯吉原委員 次に、東京都が推進している日本の伝統・文化理解教育について伺います。
 昨年十二月に改正されました教育基本法では、教育の目的及び目標について、旧法にも規定されている人格の完成などに加えて、公共の精神や伝統と文化の尊重など、今日重要と考えられる事柄を新たに規定しております。都教育委員会では、全国に先駆けて奉仕や日本の伝統・文化理解教育を実施しており、その取り組みは、改正された教育基本法の理念にも合致するものとして、我が党としても大変高く評価するものであります。
 現在、東京都において重点事業として実施されているこの日本の伝統・文化理解教育は、まだ始まったばかりでありますが、どのような成果があらわれているのか、お伺いをいたします。


◯中村教育長 日本の伝統・文化理解教育につきましては、平成十七年度から準備を進めまして、本年度からは、都立学校二十六校二十八課程におきまして、学校が独自に設定いたします教科として「日本の伝統・文化」を開設し、年間を通して授業に取り組んでおります。また、小中学校につきましては、六つの区市を推進モデル地域に指定いたしまして、普及啓発を図っているところであります。
 実施している高校からは、脈々と受け継がれてきた伝統的な技術のすばらしさから、日本のものづくりに関心が高まってきた、学習したことを自信を持って地域や外国の人々に紹介できるようになった、また、礼儀や礼節の大切さに気づくようになってきたなどの成果が報告されております。


◯吉原委員 伝統や文化というものは、本来、家庭や地域社会の中で生活と密接にかかわる中で経験して身につけるものであると思っています。しかし、現在、それを、家庭や地域社会だけでは十分ではありません、学校教育においてもしっかりと学ばせることが重要であろうかと思います。その際に、たとえ専門家に依頼するにしても、単に体験させるということだけではねらいを十分に達成することはできないのではないかと思います。
 日本の伝統・文化理解教育を推進するに当たって、今後学校をどのように指導していくのか、見解をお伺いいたしまして、質問を終わります。


◯中村教育長 都教育委員会では、子どもたちが伝統・文化の価値を理解し、郷土や我が国に対する愛情や誇りを持つようにすることができるなどを目指しまして、日本の伝統・文化理解教育を推進してまいりました。
 今後とも、これまで作成してまいりました日本の伝統・文化カリキュラムや教材集などを一層活用するとともに、教員研修や新たな指導資料の作成、配布などを通しまして、指導のねらいや内容を明確にした授業を実施するよう学校を指導してまいります。


◯鈴木委員長 吉原修委員の発言は終わりました。