2007年11月13日火曜日

【委員会】平成19年11月13日 平成19年文教委員会

2007.11.13 : 平成19年文教委員会


◯吉原委員 それでは、さきの都議会第三回定例会におきまして、割賦販売法の改正に関する意見書を取りまとめて国へ提出をいたしました。
 私たちがそこで問題とした個品割賦購入あっせんは、手持ちの現金がなくても高額な商品の購入も可能になるという、本来ならだれもが安心して利用できる便利な取引手段のはずでありました。しかしながら、この仕組みを悪用して高齢者の老後の資金まで根こそぎ吸い上げてしまうような悪質事業者が後を絶たないために、まじめな事業者の営業活動までも国民の信頼を得られなくなるおそれが出てきています。これはゆゆしき問題でありまして、もはや見逃すことができない事態でありますから、都議会の意見書の内容を十分踏まえた中で、国は早急に法改正をされるよう強く望むものであります。
 さて、福田総理大臣は、十月一日に行った所信表明演説の中で、悪徳商法の根絶に向けた制度の整備など消費者保護のための行政機能の強化に取り組む、こういう発言をされました。国はここに来てようやく消費者の視点に立った発想に転換して、特定商取引法や割賦販売法などの法改正に向けた具体的な中身の検討に入っているとお聞きしているところであります。
 東京都としても、我が党が申し上げてまいりました、現実に起きている消費者被害の拡大防止は待ったなしであるから条例改正を急ぐべきだと主張してまいりました。そうした主張に対して全面的に東京都も受け入れていただき、法の網をすり抜けるような悪質事業者に対する規制強化を盛り込んだ条例改正を既に昨年の末に行ったわけであります。
 都道府県レベルの消費生活条例に全国で初めて禁止命令、そして罰則を設けるなど、高齢者などの消費者被害の拡大防止と予防に積極的に取り組んできた姿勢は、高く評価されているとお聞きしているわけであります。
 そこで、まず伺いますけれども、昨年末の条例改正からもう既に一年近くになろうとしている今であります。改正の効果があらわれてきているのではないかと思われますけれども、所見を伺いたいと思います。


◯宮川消費生活部長 悪質事業者を取り締まる根拠法であります特定商取引法は、突然の訪問のような不意打ち性の高い取引によるトラブルから消費者を守ることを目的としているために、消費者側から依頼をしたり消費者みずからが出向いた場合には、たとえ事業者が悪質でありましても、この法律では規制が厳しくなります。
 この東京都の改正条例の重要な柱の一つでございますけれども、このような法律の抜け穴を悪用して消費者に大きな被害を与えている、トイレや洗面所など衛生設備機器の修繕、これは水漏れというような緊急事態を逆手に取って、高額な、しかも無用な工事をしてしまうというような業者がおります。それから、不用品などの回収、これは回収車に積み込んだ後で、法外な値段で料金を請求する、こういうような事業者がおります。それから、タレント、モデルを養成する講座の提供、オーディションに誘いまして、簡単に合格させて、その後に非常に高額な養成講座というものを用意して押しつける、こういうような三種類の取引と、それから、法律が初めから規制の対象から外しております取引がございまして、原野商法二次被害のような深刻な問題が起きております訪問販売や電話勧誘販売による土地の広告、そして、高齢者に被害が急増しております、みそなどの調味料の訪問販売、この二種類の取引と合わせました五種類の取引に対しまして、都が独自に禁止命令を出すことができるようにしたことでございますが、ただ、条例の施行が本年の七月ということもございまして、この改正条例に基づいて禁止命令を発したという事例は、まだございません。
 しかしながら、法律の規制対象にならないことを盾に、都の相談員からの問い合わせにも、改正前には全く無視をしていたのが、改正後は事業者の方から話し合いに応じるようになったり、問題のある販売方針をみずから見直したりする事業者がふえております。
 また、悪質事業者の中には、事務所の閉鎖を行うようなものも出てきておりまして、悪質商法に対する抑止効果が確実にあらわれているというふうに見ております。


◯吉原委員 今、ご答弁いただきましたけれども、改正されました条例によって、悪質な商法に対して実際に大きな効果が発揮されている、そういうことでありますから、都民にとりましても安心度というのがさらに向上したように思うわけでありまして、大変よかったなというふうに思います。
 そうした中にあって、国は、東京都のこの条例改正を実際どんなふうに受けとめられて、また評価をされているのか、お伺いをいたします。


◯宮川消費生活部長 法のすき間をかいくぐる悪質事業者を排除する都の消費生活条例については、国も高く評価をしております。
 例えば、昨年末の条例改正に当たりましては、事務方によるまだ作業段階から、国は非常に高い関心を示しまして、担当者が都庁舎に足を運び、積極的に情報交換や勉強を行っております。また、国の要請を受けまして、条例改正後の本年二月から、特定商取引法の改正について検討、審議をいたします国の産業構造審議会や消費経済審議会の部会審議に都も参画をいたしまして、意見を述べ、提案を行っているところでございます。さらに、国は、これまで大臣にしか認めていなかった電話勧誘販売と通信販売に関する処分権限につきまして、知事への移譲を求める都の提案要求に応じて、本年七月の都条例の改正施行に合わせて政令改正を行っております。
 こうした国の対応は、都条例を高く評価していることのあらわれと受けとめております。


◯吉原委員 国の方もしっかりと、東京都が条例改正したことを理解いただいて、また、そのことによって国民生活が向上するような形をとってきていただいた、このことは大変すばらしいわけでありますし、まして東京都としても、全国で初めてこういう形でつくってきたわけでありますから、その効果たるものは、東京都民にとっても大変すばらしいことであろうなというふうな思いをしているところでもございます。
 そこで、もう少しお伺いをしたいわけでありますけれども、今、お話もございましたが、条例が法のすき間を埋めることの意味や価値について、具体的な説明があれば、もう少し細かなことを教えていただければありがたいと思います。そのことが都民にとっても、また一層実感できるものであるんだろうなというふうに思うわけであります。
 例えば、国の消費者生活に何か直接の影響を与えたことがあったとか、あるいは変化があったというようなことでもあればお伺いをしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。


◯宮川消費生活部長 先ほどもご答弁申し上げました、都が条例改正によって独自に禁止命令を出すことができるようにいたしました五種類の取引のうち、高齢者をねらった被害が急増している、みそなどの調味料の訪問販売につきましては、国はこの七月に、急ぎ特定商取引法の規制対象に加えるための政令改正を行っております。
 また、現在、訪問販売などの特定の販売方法について、扱う商品とサービスを限定して規制をしている現在の法の仕組みを抜本的に見直す方向で法改正の検討が進められておりまして、これは、要は原則としてそういった規制をしないというような方向になるわけでございますが、このことも都の条例改正が国の消費者政策に少なからず影響を与えたものというふうに自負をしております。


◯吉原委員 そこで、条例をせっかく改正して規制を強化しても、その執行がしっかりと担保されなければならないわけでありまして、そういうふうにならないためにも、人数も当然のことながら限度があるわけでございますから、有効に活用していかなければならないというふうに思います。悪質業者を効果的に取り締まることが、そのためにも当然のことながら必要だと思うわけであります。
 そこで伺いますけれども、取り締まりの体制をいかに整備して、現場における迅速かつ的確な対応を確保するためにどのような取り組みを行っているのか、そしてまた、ちょっと重なる部分もあるかもしれませんけれども、広域的な連携をどのように進めてきているのか、そして、これから進めていくのか、そして最後に、実際の取り締まりの実績が上がっているのかどうなのか、その三点についてお尋ねをいたします。


◯宮川消費生活部長 まず、取り締まりの体制についてでございますが、現職の警察官であります警視庁の併任職員一名のほかに、本年四月から、経験豊かな警視庁警察官OB三名を非常勤職員として配置したところでございます。
 また、立入調査を円滑に実施し、証拠資料等を的確に捕捉できるよう、今年度は現場の張り込みや資料運搬等に用いる車両を調達する経費を予算措置し、有効に活用をいたしております。
 次に、広域連携についてでございますが、埼玉、千葉、神奈川に静岡を加えた一都四県で体制を確立して、既に実績を上げております。昨年の十一月でございますが、広範囲におとり広告を使って高額なミシンの購入を契約させる悪質な販売事業者に対し、五都県同時に行政処分を実施いたしております。今年度も、広域的に悪質行為を行う事業者に対しまして、都の保有するノウハウを他県の職員とも共有しながら、共同して調査を進めております。
 なお、取り締まりの実績についてでございますが、これを処分等で見てみますと、平成十七年度が十一件、平成十八年度が二十一件、平成十九年度、今年度は、この十月末現在で既に二十七件となっておりまして、国の実施した今年度の実績十九件を大きく上回っている状況でございます。


◯吉原委員 今のお話の中では、いろいろ努力をされてきたんだろうなというふうに思いますし、評価をしているところでもございます。しかしながら、今後も市場の公正さというものをしっかりと維持していかなければなりませんので、悪質事業者の取り締まりをこれからもやっていただきたいというふうに思います。
 何といっても私たちのこの東京にとっては、大変多くの皆さんが生活をしておりますし、そういったすき間というものをそれぞれの皆さんの中では、悪質業者から見たときには、仕事をしやすい環境というのも東京にはあるわけでございまして、その辺のところも考慮をいただきながら、これからもご努力をいただきますようにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。