2008年11月13日木曜日

【委員会】平成20年11月13日 平成20年文教委員会

2008.11.13 : 平成20年文教委員会


◯吉原委員 それでは、国体の結果とジュニア選手の育成についてお尋ねをしたいと思います。
 今さら申し上げるのもなんでありますけれども、平成二十五年に開催される東京国体で都民に大きな夢と希望、そして活力を与えるとともに、都民の郷土意識の高揚を図るために、地元としての東京都選手が大活躍することが大変期待をされているところであります。
 東京都は、本年三月に東京都競技力向上基本方針・実施計画を策定いたし、東京国体における最高得点獲得による総合優勝と、オリンピックなどを初めとする国際舞台における東京都選手の活躍を目標に掲げました。その目標を達成するため、選手の強化体制の整備、指導者の確保・育成、医科学のサポートによる支援の三つの柱による総合的な東京アスリート競技力向上を推進するための取り組みを始めたところであります。
 先月開催されました「チャレンジ!おおいた国体」では、東京都選手が活躍をいたしまして、よい結果を残したと聞いているところでありますけれども、おおいた国体で天皇杯、皇后杯の総合成績、それをどのように評価しているのか、お伺いをいたします。


◯池田参事 国体におきましては、例年、開催県が一位を獲得する傾向が強く、本年につきましても、男女総合成績である天皇杯、女子総合成績である皇后杯とも大分県が優勝いたしました。
 東京都は、水泳競技の三十四連勝を初め、各競技が奮闘し、天皇杯で千八百九十三点を獲得し二位入賞、皇后杯では九百九点を獲得し、同じく二位入賞という結果でございました。各都道府県の実力が接近し、獲得点数が平準化する傾向がある中で、昨年の秋田わか杉国体に続き二位をキープしましたことは評価できるものと考えております。
 一方、ことしも昨年も天皇杯三位の埼玉県とは僅差となっておりまして、競技力向上に向けた取り組みの強化を図っていく必要があると考えております。


◯吉原委員 昨年に引き続きまして、天皇杯、皇后杯とも二位入賞を果たした選手、そしてまた指導者の皆さんの努力と尽力にも心から敬意を表したいと思います。
 しかし、先ほどの答弁にもありましたけれども、埼玉県のように他県の追い上げも相当厳しくなっているようでありますから、余すところ五年と、残された東京国体までの時間は決して長くはないわけであります。総合優勝という目標を達成するためにも、今回のおおいた国体の結果を踏まえて今後の取り組みを強化していく必要があると思います。
 おおいた国体の結果を見てどのように分析し、目標を達成する水準まで東京都選手の競技力を向上させるために、現在、具体的な対策としてどのように取り組んでいるのか、所見を伺います。


◯池田参事 おおいた国体の結果分析でございますけれども、少年の部におきましては、水泳や柔道を初め、多くの競技で優秀な成績をおさめたものの、思うように得点を獲得できない競技もありまして、昨年より成績を下げております。
 東京国体を見据えますと、現在の小中学生がその主力選手となることから、ジュニア選手を重点的に強化することが必要と考えております。具体的には、今年度、区市町村の体育協会等と連携して実施しているジュニア育成地域推進事業の予算を拡充して、競技種目の数や参加人数を拡大いたしました。また、ジュニア特別強化事業の対象を、二十競技から国体対象全四十競技に広げ、競技団体による強化練習や強化合宿を実施しております。さらに、九月二十日、競技団体からの推薦に基づき、小学校四年生から中学校三年生までの将来有望な選手九百八十四名を東京都ジュニア強化選手として認定したところでございまして、引き続き約百五十名を年内に認定する予定でございます。


◯吉原委員 ただいま答弁をいただきましたけれども、ジュニア選手の育成強化は、国体での少年の部の成績向上のために重要であるだけでなくて、そのまま青年の部の成績向上、さらには東京オリンピックにおける東京アスリートの活躍にもつながると思います。引き続き重点的に取り組んでいただくようお願いをしておきたいと思います。
 また、見方を変えれば、競技種目に着目しておおいた国体の結果を分析する必要もあると思うわけでありますけれども、例えば、全国的にも競技人口が少なく、東京の成績が低い種目を重点的に強化すれば、また入賞の可能性も非常に高くなるわけでありますし、入賞すれば高得点が獲得できる団体種目の育成に力を入れるのも策の一つではないかと思うわけであります。どの種目も一律に支援するということではなくて、競技種目別にめり張りのある支援も必要なのではないかと思うわけであります。
 このように、競技種目に着目して高得点を獲得するための戦略も必要と考えておりますけれども、所見を伺います。


◯池田参事 吉原理事ご指摘のとおり、高得点を獲得するためには、優秀な実績を上げてきた競技につきましては競技力のさらなる向上につながる支援を行うとともに、競技人口の少ない競技や団体種目の育成にも力を入れていくことが必要と考えております。
 このため、例えば競技団体への強化費の配分について、各競技種目の成績などに応じて傾斜配分をつけるなどの工夫を凝らしてまいりました。また、ボート、ホッケーなど競技人口の少ない種目につきましては、普及のための事業を実施するほか、教育庁において、セーリング競技などを対象に、都立高校に強化部活動候補校を指定するなどの取り組みを行ってきております。
 今後は、競技団体の実績、獲得得点に寄与できる度合いなどを総合的にしんしゃくいたしまして、重点的に支援すべき競技種目の指定や強化事業費の重点配分を検討するなど、五年後の東京国体における最高得点獲得による総合優勝に向けて取り組んでまいります。


◯吉原委員 ぜひとも各競技の競技力に応じた効果的な戦略に基づいて競技力の向上に取り組んでいただくようお願いをいたします。
 ところで、先ほど答弁いただきましたジュニア育成地域推進事業については、地域においてこの事業を実施することがジュニア選手層の競技力の底上げにつながり、東京国体やオリンピックなどの大舞台で活躍できる東京アスリートを輩出する礎となっていると思っています。
 東京都は、平成十八年度から今年度まで三カ年にわたりまして、毎年度予算を拡充して事業を実施していただいてまいりました。これにより、各市町村体育協会などへの予算配分が増加し、活用しやすい制度になってきたと聞いているわけであります。
 そこで、予算を拡充してきたことによる効果についてお伺いをいたします。


◯池田参事 各区市町村体育協会等への予算配分が増加したことによりまして、取り組むことができる競技種目の数が増加し、また多様な事業展開が可能となったことから、ジュニア世代の競技人口の拡大に効果があったと考えております。
 今年度からは、強化練習などに一流の指導者やトップアスリートを招聘できるよう、指導者への謝金限度額を一日五千円から六万円に増額したところでございますが、ほとんどの区市町村の体育協会等がこれを活用する予定でございます。これによりまして、質の高いジュニア選手の強化練習が可能となると同時に、その指導者を指導者講習会に招聘することで、地域における指導者の資質向上にも効果が上がっていると考えております。


◯吉原委員 今後とも、ジュニア育成地域推進事業のさらなる拡大に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 ところで、この事業には、地域ネットワークの構築、活用を目的として、異なる競技の指導者の相互交流や異種目間交流を実施しているネットワーク事業があるわけであります。指導者がお互いに学び合うこと、あるいは取り組んだことのない競技への機会を提供することは大変大切だと思います。
 そこで、ネットワーク事業の具体的な内容と、それをどのように評価するのか、伺います。


◯池田参事 吉原理事ご指摘のとおり、ネットワーク事業では、指導者連絡会、種目間交流等を行っております。例えば指導者連絡会では、異なる競技の指導者が一堂に会して情報交換することによって、ほかの競技の育成方法や組織運営を知ることができて有意義であったという報告を受けております。また、種目間交流では、ジュニア選手がふだん打ち込んでいる競技と異なる競技を体験し、自分でも気がつかなかった新たなスポーツセンスを発見するなど、子どもたちに好評だったという報告も受けてございます。
 今後とも、こうしたネットワーク事業の効果も紹介しながら、各地区がジュニア育成地域推進事業を活用することで、ジュニア選手の競技力向上に高い効果が上がるよう促してまいります。


◯吉原委員 これまでの取り組みで事業効果が着実に上がってきた、大変喜ばしいことだというふうに思うわけであります。来年度は事業を開始してから既にもう四年目となるわけであります。各市町村体育協会等にはこの事業の意義をしっかりと受けとめていただいて、地域の競技団体と連携した中で、この事業をさらに大きく育てていってもらうことが非常に大切だと思っています。
 一方、多くの競技団体が加盟する区市町村体育協会等からは、これまでの取り組みを一層充実させたい、あるいは新しい競技種目に取り組んでいただきたいという声が上がっているわけでありまして、今後も引き続きこうした声にこたえていかなければならないというふうに思います。東京都としても、さらなる競技種目や参加人数の拡大に取り組むとともに、今後は、特に各区市町村体育協会等の実情に応じて効果的な事業執行を行う必要があると考えているわけでありますけれども、そのことについても所見を伺いたいと思います。


◯池田参事 これまで申し上げてまいりましたとおり、ジュニア育成地域推進事業は、ジュニア世代の競技力の底上げや競技人口の拡大に大きな効果があり、今後とも積極的に推進していく必要があると考えております。そのため、東京都といたしましても、さらに各区市町村体育協会等への支援を拡充するとともに、より一層効果的に事業が執行できるよう創意工夫を図ってまいります。


◯吉原委員 何といっても、地域のジュニア選手の競技力の底上げを図るということが東京の競技力向上を図るために極めて重要であると思っておりますので、今後ともしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次に、私立特別支援学校に対する補助についてお尋ねをいたします。
 障害のある児童生徒の教育を担ってきた盲・ろう・養護学校については、平成十八年六月に改定された学校教育法において、児童生徒の障害の重複化に対応した適切な教育を行うために、障害の種別を超えた特別支援学校に一本化されたところであります。また、平成十八年十二月に成立した改正教育基本法では、国及び地方公共団体は、障害のある者がその障害の状態に応じて十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならないというふうに新たな規定が設けられています。
 都内には、公立の特別支援学校があるほかに、私立についても四校の特別支援学校があるわけであります。中でも三校は、設置以来、日本聾話学校八十八年、愛育学園七十一年、旭出学園は五十九年と歴史も古いわけでありまして、その分また経験と実績を重ねて、それぞれ特色のある、一人一人の発達を促す障害児教育を実践してきておりまして、公立学校とともに、公教育という面からも重要な役割を果たしているわけであります。
 そこで、東京都は障害のある児童生徒に対する教育を担ってきた私立の特別支援学校に対してどのような財政的な支援を行っているのか、伺います。


◯小笠原私学部長 都では、私立の特別支援学校の教育水準の維持向上並びに保護者の経済的負担の軽減を図るとともに、学校経営の健全性を高めることを目的に、特別支援学校を設置する学校法人に対して、その経常費の一部を補助する私立特別支援学校等経常費補助を実施しております。具体的には、児童生徒一人当たりの補助単価に各年度の障害のある児童生徒の人数を乗じた額を各学校法人に対して交付しております。


◯吉原委員 補助単価に対象生徒を乗じているということでありますけれども、補助単価はどのように設定しているんでしょうか。また、幾らなんでしょうか。具体的に平成二十年度の単価でお答えをいただきたいと思います。


◯小笠原私学部長 都が実施しております私立の特別支援学校に対する補助単価につきましては、国の私立高等学校等経常費補助における特別支援学校に対する補助単価と同額としております。平成二十年度における補助単価は、高等部に在籍している生徒については年額で一人当たり百十五万五千円、幼小中等部の児童生徒については一人当たり百十一万二千円となっております。


◯吉原委員 平成二十年度の補助単価についてはわかりましたけれども、先ほども申し上げましたように、平成十八年に教育基本法が改正され、障害のある者が十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講ずべきことが新たに規定されているわけであります。東京都としては、この改正の趣旨を踏まえて、当然のこととして補助単価の充実等に努めていることと思います。
 そこで、平成十八年度から今年度、二十年度までの東京都の補助単価の推移についてお尋ねいたします。


◯小笠原私学部長 特別支援学校に対する補助単価の推移でございますが、高等部に在籍している生徒については、年額で一人当たり、平成十八年度百四万八千円、平成十九年度百十万円、平成二十年度百十五万五千円で、この三年間で、額にして十万七千円、率にして一〇・二%の増となっております。また、幼小中等部に在籍している児童生徒につきましては、平成十八年度百万八千円、平成十九年度百五万九千円、平成二十年度百十一万二千円で、この三年間で、額にして十万四千円、率にして一〇・三%の増となっております。


◯吉原委員 教育基本法改正の趣旨を踏まえて、補助制度の充実に多少なりとも努めてこられたんだろうというふうに思うわけであります。
 ところで、教育庁では、平成十六年に東京都特別支援教育推進計画、そしてさらに、平成十九年には東京都特別支援教育推進計画第二次実施計画を作成し、都立の特別支援学校における障害児一人一人の個に応じた教育内容の充実を着々と進められているわけであります。そして、このような教育内容の充実を図るため、公立学校の平成十八年度の決算値では、児童生徒一人当たり、何と八百三十万円の経費を投入しているというふうに聞いているわけであります。
 先ほどの答弁によりますと、国からも私立の特別支援学校に対して補助金が出ているということでありますけれども、私立の特別支援学校に在籍する児童生徒には、都と国を合わせて一人当たり年間大体幾らぐらい補助しているのか、伺います。


◯小笠原私学部長 都と国を合わせた児童生徒一人当たりの年間補助額でございますが、平成二十年度において、高等部で二百三十一万円、幼小中等部で二百二十二万四千円となっております。


◯吉原委員 そうすると、私立の特別支援学校に対する補助単価は年々上がっているにもかかわらず、平成十八年度の公立の特別支援学校の生徒一人当たりの経費に比べると、国の補助額を合わせてもまだまだ三割に満たない、こういう状況にあるわけであります。無論、都立の一人当たり経費には、経常的な経費ではない建築費や債務償還費などが含まれていると思うわけでありますけれども、単純にはそういった意味で比較できませんけれども、それにしても驚くほど大きな格差があるといわざるを得ないわけであります。
 それぞれの私立の学校から聞いた話によりますと、近年の在籍児童生徒の発達状況については、知能面だけでなくて、運動面や社会性、人間関係の面で発達に問題が見られる、症状が重度化、重複化しており、より多くの教職員を配置する必要性が生じている、これに加えて、医療的ケアが必要な児童生徒もふえていることから、医療従事者が教育に参加することも不可欠になっているとのことであります。
 ところが、私立の特別支援学校の場合、児童生徒の教育経費を納付金と補助金だけでは賄えずに、善意の寄附といいましょうか、見るに見かねての個々の方々の寄附といいましょうか、そういうものによってようやく不足分をカバーしている、こういう状況のようであります。このために、常勤の教職員も必要最小限に抑えて、あとは非常勤を活用するなど、ぎりぎりの線で教育を維持継続しているのが現状であります。
 これまでも、自民党としても執拗に私立の特別支援学校の充実を求めてまいりました。公教育の一翼を担う私立の特別支援学校において、独自の教育方針のもとに、教育基本法に規定された障害の状態に応じた十分な教育を実施していくためのさらなる財政支援が必要であると思いますけれども、局長の答弁をお伺いしたいと思います。


◯秋山生活文化スポーツ局長 お話の私立の特別支援学校におきましては、おのおのの建学の精神に基づきまして、児童生徒の自立や社会参加に向けた特色ある特別支援教育を実践し、障害のある児童生徒の教育に大きな役割を果たしているものというふうに認識をしております。
 そのため、都といたしましては、改正教育基本法の趣旨を踏まえ、これまでも補助単価を増額して特別支援学校の教育条件の維持向上に努めてきたところでございます。しかしながら、理事ご指摘のとおり、都立と私立との特別支援学校間のいわゆる公私格差につきましては、都立の経費に経常的でないものが含まれているというために単純に比較できないというのはご指摘のとおりでございますけれども、依然として大きな差があるというのもまた事実でございます。
 私学振興を担う当局といたしましては、今後とも、私立の特別支援学校が障害のある児童生徒一人一人の個に応じた教育を着実に実践できるよう、ご指摘の点の改善も含めて、適時適切に公私格差の是正に努めていく必要があるというふうに考えておりまして、来年度に向けて経常費補助単価の大幅な改善を目指しているところでございます。