2009年3月25日水曜日

【委員会】平成21年3月25日 平成21年度予算特別委員会

2009.03.25 : 平成21年度予算特別委員会


◯吉原委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、本特別委員会に付託された議案中、第一号議案、平成二十一年度一般会計予算については原案に賛成、その他の知事提出議案については全議案賛成の立場から、また日本共産党から提出された予算の編成替えを求める動議に反対する立場から、討論を行います。
 知事は、本予算案を、日本経済が危機に直面する中にあって、短期、中長期的両面から、都政が今日なすべき役割を確実に果たすことによって、都民へ安心をもたらし、希望を指し示す予算と位置づけ、編成されました。
 本予算は、これまでの質疑から明らかになったとおり、厳しい経済環境にあっても我が党の要望を十分に踏まえ、都民の不安に対する迅速な対応や危機克服への新たな活力を生み出す先駆的取り組み、東京の将来をつくる中長期的取り組みなど、都政が取り組むべき課題への対応に重点的に財源を振り向けた積極的な予算となっており、都民の負託に十分こたえる内容であると考えます。
 それでは、本予算案の各分野の重要事項について申し上げます。
 初めに、財政基盤の強化について申し上げます。
 都税収入の大幅減少など都財政を取り巻く環境が厳しさを増している中、本予算案では、基金や起債余力など、これまでの間、培ってきた都財政の対応力を十分に活用し必要な財源をしっかりと確保しています。同時に、財政調整基金など、今後の財源として活用可能な基金については残高を極力維持するなど、今後の厳しい経済状況に対する備えについても、目配りをきかせています。
 このような不透明な時期だからこそ、日本の経済を牽引する東京において思い切った施策の展開が求められます。そして、それを支える都財政の基盤強化は、引き続き都政の最重要課題の一つであり、今後とも、さらなる努力を重ねていただきたいと思います。
 次に、都税収入について申し上げます。
 二十一年度の都税収入は六年ぶりに減少し、前年度に比べて七千五百二十億円減の四兆七千五百七十七億円を見込んでいます。厳しい経済環境のもと、基幹となる法人二税の伸びを期待するのは厳しい状況にありますが、都税確保に向けた取り組みを積み重ねるとともに、都財政に大きな影響を与えている法人事業税の暫定措置を直ちに撤廃させるべく、鋭意努力をするよう強く求めておきたいと思います。
 なお、環境減税や耐震化促進税制などの新たな政策減税は、施策促進や都民負担軽減を図る観点から我が党が強く求めていた事項であり、高く評価するものであります。
 次に、歳出について申し上げます。
 初めに、都民生活の安全・安心を確保する取り組みです。深刻な経済危機や社会全体を覆う閉塞感の中、都民は多くの不安を抱えています。こうした都民の不安に対し、今年度、都は二度にわたる補正予算を編成し、迅速な対応を行ってきました。
 本予算には、もう一段の積極的な取り組みとして、急速に悪化する雇用環境へのきめ細かい支援策や、救急医療体制の整備、新型インフルエンザ対策、大地震に備えるための耐震改修促進策など、都民生活の安全・安心を確保するための取り組みが十分なスケールを備え、盛り込まれております。中でも、急速に悪化する雇用環境については、今年度、二度にわたる補正予算を編成し、緊急雇用対策として、雇用を取り巻くさまざまな課題に先手を打って対応いたしました。
 本予算案には、雇用対策のさらなる充実を図るべく、区市町村と連携した雇用創出や非正規の正規雇用化などの施策が盛り込まれており、着実な実行を求めるものであります。
 次に、まちづくりについて申し上げます。
 道路などの都市基盤の拡充は都市の利便性を向上させるだけでなく、産業の活性化や国際競争力の向上にもつながるものです。
 本予算案には、区部環状、多摩南北方向の道路や首都高速道路の整備、東京湾の国際競争力の強化、鉄道連続立体交差化の推進など都市基盤の拡充につながる幅広い施策が盛り込まれています。その結果、投資的経費は前年度に比べて六・二%増の七千七百七十一億円と、五年連続の増加となっています。こうした都市インフラの拡充は、素直に現実を見れば、産業力強化や国際競争力の向上はもとより、都市環境の改善や防災機能の向上にもつながり、景気対策としても有効に機能していることがわかるはずであります。
 しかるに、日本共産党は、相変わらずハード整備を悪者扱いするキャンペーンを行っています。我が党は、このような偏った主張を続ける日本共産党の姿勢を厳しく批判するものであります。
 次に、福祉、医療について申し上げます。
 福祉や医療のサービスを安定的に提供するためには、それに携わる質の高い人材を確保し、育成することが重要になります。また、所得格差の拡大が社会問題化する中で、意欲を持ちながら困窮から抜け出せない方々への支援など、セーフティーネットの整備の重要性は、これまで以上に高まっています。
 本予算案には、医療人材や介護人材の確保に向けた取り組みの強化や、意欲ある低所得者の方々への支援、高齢者が地域で安心した暮らしを送るための体制整備、待機児童解消に向けた取り組みなど、あらゆる世代が必要とする福祉施策が盛り込まれています。
 また、我が党の強い要望を踏まえ、中学三年生までの医療費助成の事業拡大に係る経費についても計上されました。都民が安心して子どもを産み育て、自立した生活を送れるよう、東京の特性を踏まえた福祉と医療のさらなる充実を要望いたします。
 次に、中小企業対策について申し上げます。
 都内の中小企業は、現下の極めて厳しい経営環境の中にあって、技術の高度化や人材育成など多くの経営課題を抱え、都の支援の一層の充実が求められています。
 本予算案には、制度融資の充実など資金繰りの支援、区部と多摩の産業支援拠点の整備、ものづくり人材の育成などさまざまな側面から、中小企業への支援が盛り込まれています。
 とりわけ、我が党の提案を受けて発案された地域の金融機関と連携した新たな支援、いわゆる中小企業金融支援条例については、厳しい経済状況に直面する中小零細企業の資金調達を支援するものであり、その意義や必要性は極めて大きいものであります。
 本定例会の議論を通じて、融資条件の具体的設定、損失の抑制など、今後取り組むべき課題も明らかになってきましたが、ますます厳しくなる経済情勢のもと、資金繰りに苦しむ中小零細企業への支援は、一刻の猶予も許されません。ぜひとも、本支援策の早期実現に向けて全力で取り組んでいただきたい。我が党としても、全面的な協力を惜しみません。
 しかるに、共産党は、仮定にすぎない金融機関による融資制度の悪用の危険性を殊さら誇張し、あるいは、条例にも予算案にも記載がないにもかかわらず、金融機関への資本注入などの経営支援につながるおそれがあると曲解して、本支援策に反対しています。
 先日の予算特別委員会代表質問では、ありもしない事例を持ち出し、本支援策が、融資が焦げついた経営破綻企業への融資を都の税金で穴埋めするものだなどと主張していましたが、全く的外れな批判であります。そもそも、融資が焦げついた経営破綻企業に金融機関が新規融資を行うことなどあり得ません。ありもしないそのような行為が、あたかも日常的に繰り返されるかのように語り、本支援策を批判することは、まさに意図的な誹謗中傷であります。今必要なのは、疑いを前提にした後ろ向きの議論ではなくて、多くの中小零細企業が待ち望んでいる今回の支援策を、一刻も早く実行することであります。
 次に、環境対策について申し上げます。
 本予算案には、大規模事業所に対するCO2削減義務化に向けた取り組みや、低炭素型社会への転換を加速するための都民、民間事業者への支援策など、地球温暖化対策における都の先導性を示す施策が、多岐にわたり計上されています。快適な都市環境を次の時代に引き継ぐためにも、緑の東京十年プロジェクトや自動車公害対策など生活環境改善の取り組みとあわせ、着実な事業執行を求めるものであります。
 次に、豊洲新市場について申し上げます。
 新市場予定地の土壌汚染については、専門家会議、技術会議から安全宣言を出していただいたことに加え、知事からの安全を揺るぎないものとしていくとの答弁により、都民の安全も確かなものになったと考えています。今後必要なことは、この対策がきちんと実施されるかを議会としてチェックし、さらには首都圏三千三百万人を支える新しい市場の機能や将来像について、建設的に議論していくことです。いたずらに都民、市場関係者の不安をあおることは、厳に慎むべきです。
 築地市場は、施設の老朽、狭隘化が著しく、鉄道輸送時代の施設構造のため、大型トラックや買い出し人の駐車スペースなどが不足し、物流の変化に対応できず、品質管理や衛生面でも課題を抱え、取扱量は年々減少しております。いまだ築地で再整備を主張する声が一部にありますが、かつて工事に着手したものの、営業を行いながらの再整備は困難として断念した経緯から、不可能なことは明らかであります。豊洲への移転は、長い年月をかけて関係者間で議論を重ね決定したものであり、後ろ向きの議論に終始するばかりでは何一つ問題は打開できません。
 豊洲新市場は、約四十ヘクタールの敷地を有し、築地市場が抱える課題を大幅に改善し、この先五十年以上にわたり使い続けていく首都圏の基幹市場として、今後の時代の変化にも対応できる規模と機能を備えています。市場業界の大多数からも建設推進が強く求められており、今後、万全な土壌汚染対策を確実に実施した上で、一日でも早く豊洲新市場を開場できるよう、全力で整備に取り組むことを強く要望いたします。
 次に、教育、スポーツの振興について申し上げます。
 本予算案には、学校教育のさらなる充実に向け、学力向上や教育環境の整備のための取り組みが盛り込まれています。また、教育現場の多様な課題に対応するため、外部人材の活用を促進するための支援策も計上されており、現場のニーズにきめ細かくこたえるものとして積極的に評価するものです。
 二〇一六年のオリンピック・パラリンピック招致活動は、これからが正念場であります。このたび、衆参両議院においても、五輪招致決議が採択されました。平和や環境などの人類共通の開催理念に加え、約三兆円の経済効果が見込まれ、景気浮揚や雇用確保を初め多様な波及効果をもたらすことなど、国の内外に強くアピールし、招致機運のさらなる醸成に向けて力の入った取り組みを期待いたします。我が会派も、知事とともに先頭に立って取り組んでいく決意であります。
 最後に、昨日も質疑のあった石神井川への汚水流出事故について申し上げます。
 これまで対応を怠ってきたことは、まことに遺憾でありますが、最も重要なのは、全庁全局それぞれが情報のパイプを詰まらせないこと、何よりも、再発防止と今後に向け一丸となって抜本的対策を早急に講じていくことであります。問題は、何が起きたのかではなく、どういう対処をしていくのかということが重要であります。ぜひ、住民の視点に立って対応されることを強く求めておきます。
 以上、平成二十一年度予算に関連し申し上げました。東京都議会自由民主党は、都政における責任政党として、都民の安全と安心を確保し、豊かさを実感できる都政にするため、今後も石原知事と手を携え、邁進することを申し上げ、討論を終わります。

2009年3月18日水曜日

【委員会】平成21年3月18日 平成21年文教委員会

2009.03.18 : 平成21年文教委員会



◯吉原委員 それでは私の方から、都立の肢体不自由特別支援学校における新たな指導体制についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 昨年の十一月十一日、ちなみに私の誕生日なんですけれども、ちょうどこの文教委員会の我が会派の皆さんと一緒に府中の特別支援学校に視察に行ってまいりました。そのきっかけといたしましては、父兄の皆さんから、朝日との統合についてなかなか心配だ、いろいろ課題があるのではないだろうか、こんな疑問をいただいて、府中支援学校の方に視察に行ったわけであります。行ったときは、短時間でありましたけれども、食事をする場面、あるいは子どもたちが体操をしている場面、あるいは授業を受けている場面、幾つか学校の中とそうした授業風景も、若干ではありますけれども、視察をさせていただきました。
 今回の定例会の中で、我が党の幹事長も、外部人材の活用について教育長に質問をさせていただきました。その中で大原教育長の方も、肢体不自由の特別支援学校についても外部人材を登用していく、そういう旨のご答弁をいただいたというふうに理解をしているわけでありますけれども、その中で、現在、肢体不自由特別支援学校ではどのような指導が行われているのか、そしてまた、現状の中でどのような課題があるのか、お尋ねをいたします。


◯高野指導部長 都立肢体不自由特別支援学校におきましては、約九割の児童生徒が肢体不自由と知的障害などの障害をあわせ有している現状でございます。こうした児童生徒に対応するために、肢体不自由特別支援学校の教員は、体の動きなどの自立活動の指導を行うとともに、知的障害の程度に合わせた教科指導なども行っているところでございます。
 また、移動、排せつ、食事などの介護が必要であったり、たんの吸引や経管栄養、導尿などの医療的ケアが必要であったりする児童生徒も少なくなく、教員は、介護や医療的ケアなど、多岐にわたる業務にも従事しなければいけない状況となってございます。
 こうした現状に加えまして、今後漸次増加してまいりますベテラン教員の退職に伴いまして、肢体不自由特別支援学校の教員の自立活動や教科指導における専門性の低下が危惧されているところでございます。


◯吉原委員 確かにベテランの教員もだんだん少なくなっていくわけでございますし、新しい教員、まだ経験の少ない教員が、本当に教育の場面と介護の場面が一緒にできるかどうか、このことも大変心配になるわけであります。そうはいっても、そこに通ってくる子どもたちがどういう気持ちで来ているのか。そしてまた、送り出している保護者の皆さんがどういう感情を持って送り出しているのか。そういった意味でいうと、保護者の皆さんがこの現状についてどのように思っているのか、お尋ねをしたいというふうに思います。


◯高畑参事 保護者の方々からは、障害の重い児童生徒の増加に伴い、学習指導に加え、移動や排せつなどの場面において教員が介助に当たることが多くなっているので、教育効果を高めるためにも、介助員を導入してほしい。医療的ケアの必要な児童生徒が、保護者の待機や付き添いなしで安心して教育を受けられるようにしてほしいといった要望がございます。また、一人一人が集中できるような授業の工夫をしてほしい。子どもによってできることやペースに差があるため、課題待ちの時間が多い。もう少し指導の工夫をしてほしいなど、現在の指導の改善を求める意見がございました。


◯吉原委員 確かに教育でありますから、肢体不自由の皆さんといえども、やっぱり学校教育を主にしたものでなければならないというふうに私自身も思っているわけであります。さりとて体が不自由なだけに、そのことのフォローはどうやっていくのかということがやっぱり大きな問題にもなるんだろうというふうに思うわけでございまして、新たに専門家を導入する指導体制、具体的にはどういうことなのか、お尋ねをいたします。


◯高畑参事 来年度の新規事業でございます肢体不自由特別支援学校へ介助の専門家を導入する指導体制とは、これまで教員が担っていた介助や介護、医療的ケアの業務に、ホームヘルパーや介護福祉士、看護師等の専門家を活用いたしますとともに、介護や看護面から児童生徒一人一人の課題を把握し、教員などに対して助言を行うことにより、これまで以上に児童生徒の安全性を確保していくものでございます。
 また、都教育委員会は、平成十六年度から、理学療法士や作業療法士などの外部の専門家を計画的に導入しておりまして、これらの職種と、来年度から導入いたします介護等の専門家、さらには教職員や指導員など多様な職種の専門家が、それぞれの専門性を発揮し、互いに連携することによりまして、児童生徒の個に応じた指導をより一層充実してまいります。平成二十一年度は、永福学園及び青峰学園で実施し、実施校での課題や成果を検証いたしまして、以後、順次拡大してまいります。


◯吉原委員 二十一年度は永福学園、そしてまた青峰学園に導入する、こういうお話でございます。今現在でも十四の学校があるわけでございまして、トータル十六になる、こういうことの認識でよろしいのだろうと思いますけれども、この介助の専門家、あるいはヘルパー、看護師等の専門家、こういう皆さんを、支援学校に対して新しい体制を導入することによって、学校の教育というのはどのように変わっていくのか、お尋ねいたします。


◯高畑参事 現在教員が教科指導や生活指導をしながら行っている介護等の業務を専門家が担うことによりまして、児童生徒の健康及び安全をこれまで以上に確保することができますし、教員は教科指導等に集中して取り組むことができるようになります。
 また、介護等の専門家が把握した指導上の課題を、教員が教科指導等に生かすことによりまして、これまで以上に児童生徒の一人一人に応じた指導計画を作成することができますので、教科等の指導内容、方法の充実が図られ、肢体不自由特別支援学校全体の教育水準が向上することになると考えております。


◯吉原委員 肢体不自由特別支援学校の全体の教育水準が向上する、こういうことでございますので、こういう新体制を導入することに対しては大変評価をしているわけであります。まして他の道府県にはこういった体制がまだ組み込まれていないということでございますから、当然東京都がいち早く、こういった学校に対しての手厚い教育環境を整えていくということに対しては、大変すばらしいことだなというふうに思っているわけでございます。
 最後に、この都立肢体不自由特別支援学校に新たな指導体制を導入することにつきまして、大原教育長のかたいかたい決意をお聞きいたしまして、終了とさせていただきます。


◯大原教育長 特別支援学校におきましては、児童生徒の個々のニーズに柔軟に対応して、適切な指導及び必要な支援を行うことが重要でございます。しかしながら、都立肢体不自由特別支援学校におきましては、児童生徒の障害の重度重複化、さらに多様化が著しく、児童生徒や保護者のニーズに適切にこたえるためには、教職員の有する知識、技能に加えまして、介護や医療の専門家との連携を図っていく必要がございます。このため都教育委員会は、教職員と多様な外部の専門家が連携をいたしまして、児童生徒にチームでアプローチをする新たな指導体制を構築し、安全で安心のできる教育環境の中で、一人一人の児童生徒の能力を最大限に伸長する教育を推進してまいります。


◯吉原委員 いろいろお尋ねをさせていただいて、前向きなご答弁をいただいたわけでありますけれども、とにかく子どもたちに対してきめ細かな教育体制といいましょうか、そういうものをこれからもしっかりと構築していっていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

2009年3月17日火曜日

【委員会】平成21年3月17日 平成21年文教委員会

2009.03.17 : 平成21年文教委員会


◯吉原委員 それでは、まず最初に、配偶者暴力対策基本計画の中間のまとめについてお伺いをさせていただきたいと思います。
 平成十九年に、区市町村における配偶者暴力対策の充実等を主な内容として、配偶者暴力対策法の改正が行われました。現在、東京都が進めております配偶者暴力対策基本計画の改定は、これを受けてとのことでありますけれども、先週、警察庁からも発表がありましたけれども、また、新聞でも大きく取り上げられたところではございますけれども、この内容によりますと、昨年、全国の警察に寄せられた配偶者暴力の相談や被害届は約二万五千件を超える、こういうことでございます。
 配偶者暴力防止法施行後、最多であったということでありますけれども、配偶者暴力の被害者には、子どものことや、あるいはまた、先行きの生活のことなどを考えて、自分さえ我慢すれば、あるいはそういうふうに思ってしまう人も多いわけでございまして、被害が潜在化する傾向があるとも聞いているわけであります。
 このことを考えますと、実際の被害者はかなりの数に上るのではないか。また、中には、被害者が命の危険にさらされるようなケースも、あるいはあるでありましょうし、また実際、配偶者暴力に起因した悲惨な事件なども耳にしているところであります。
 そこでまず、最近の都内の配偶者暴力相談の件数と被害者の状況について、お伺いをいたします。


◯高橋参事 配偶者暴力相談につきましては、都の相談支援センター、警視庁、区市町村で受け付けた全体の配偶者暴力相談件数では、平成十九年度は約二万七千件、十五年度から十九年度の五年間で約五千五百件、二六%の増加でございます。特に、区市町村など身近な相談窓口での相談が増加しております。
 被害者の状況でありますが、東京都相談支援センターでの面接相談によりますと、被害者のほとんどが女性で、年代を見ると、三十代が四割と最も多くなっております。また、被害者の六割が職についていない方であり、八割の方に子どもがおられます。不安に思うことは、経済的なことと加害者からの追跡が、それぞれ約四割となっております。


◯吉原委員 ただいまの答弁の中には、加害者からの追跡などの身の安全に不安を感じている人が多いということでありますけれども、被害者や子どもの安全確保はどのように行われているのでありましょうか。
 また、十分な対策がとられているのかどうなのかをお伺いいたします。


◯高橋参事 東京都配偶者暴力対策基本計画中間のまとめでは、基本目標の一つとして安全な保護のための体制の整備を掲げ、速やかに被害者の安全確保ができるよう、一時保護の拡充や、被害者からの申し出に応じた警察による見回りの強化など、関係機関が連携して取り組むこととしております。
 特に、今回の法改正では、保護命令の対象が被害者本人とその子どもから親族等関係者にまで拡大されたほか、繰り返しの電話やメールも禁止されるなど、安全確保が強化されました。
 こうしたことを踏まえ、警察では、配偶者暴力防止法のみならず、ストーカー規制法の適用なども含めて幅広く対応し、安全確保について、被害者の保護はもとより、携帯電話の普及などにも対応して、つきまといや繰り返しの電話等に関する加害者への警告なども行うこととしております。また、警察を含めた相談支援センター等関係機関は、東京都配偶者暴力対策ネットワーク会議等により連携を一層強化して、被害者の安全確保を図っていくこととしております。


◯吉原委員 安全確保についての取り組みは重要でありますけれども、本来は、被害者の身の危険や不安を感じることのないように、早期に身近な地域の中で相談を受けられる環境をつくっていかなければならないというふうに思います。地域では、被害者の視点に立って地道に支援を行っている団体もあります。こうした民間団体の力もかりて、被害者が日ごろから、身近な地域での気軽に相談ができる、支援が受けられる環境をつくっていくことも必要ではないかというふうに思います。
 どのような対策を都はやっておられるのか、お伺いをいたします。


◯高橋参事 配偶者暴力相談については、最近、区市町村など身近な窓口での相談がふえていることから、地域の中で相談や希望する支援を受けられる体制づくりが重要であると考えております。
 このため、中間のまとめでは、今回の法改正の趣旨を踏まえ、区市町村における配偶者暴力対策の充実を基本的視点とし、区市町村の相談支援センター機能の整備を促進するための支援をしていくこととしております。
 具体的には、十九年度と二十年度に実施した地域連携モデル事業の成果を踏まえて、区市町村で活用していただく配偶者暴力相談支援センター機能整備の手引を平成二十一年度に作成する予定でございます。この手引は、地域における被害者からの相談、安全確保、自立支援に必要となる関係機関の連携のあり方などを明らかにするものでございます。
 また、相談や一時保護、同行支援などを行っている民間団体が地域で果たす役割は大きいことから、この手引の中に民間団体とのネットワークのつくり方なども示し、被害者が身近な地域で十分な支援が受けられるよう、区市町村に働きかけてまいります。


◯吉原委員 地域の中で被害者の立場に立った連携がとれていれば、身に危険が迫るなどの緊急時にも速やかに安全の確保がなされるようになるのではないかというふうに思います。児童虐待の場合では、そのような連携体制が整備されてきており、本当に危険が迫ったときの機敏な対応によって命が救われたというケースも出てきているようであります。
 その手引に、こうした緊急時における警察との連携についても盛り込んだらいかがかと思いますけれども、伺います。


◯高橋参事 被害者の身の安全は、何よりも優先して確保される必要があります。とりわけ、被害者の身に危険が迫っている切迫した状況の中で被害者から相談を受けた区市町村等身近な相談機関は、被害者の状況に応じて対応することが求められます。例えば、警察に保護を求めるよう助言することや、相談支援センターへの一時保護の手続、民間シェルターへの協力依頼を行うなどの対応が必要となってまいります。
 ご指摘を踏まえ、この手引の中に、被害者の切迫した状況にも対応できるよう、手順や連携先を明示するなど、被害者の安全確保に努めてまいります。


◯吉原委員 今回の配偶者暴力対策法の改正で、区市町村における対策の充実が求められているとはいいましても、相談支援センター機能の整備などは努力義務であります。既に区市町村による取り組みに温度差が出てきているというふうなことも聞いているわけでございます。被害者からの相談や安全確保などの支援を的確に行っていくためには、身近な地域において行政と警察、そして民間団体が連携をとり、協力体制を築いていくことが重要だというふうに思います。こうした取り組みに地域差が極力生じないように、東京都から各市町村に対して積極的に働きかけをいただきたいと思います。
 また、改定計画に盛り込まれた、被害者に身近な地域での施策がしっかりと根づくように区市町村を支援していただくことを要望して、次の質問に移ります。
 次に、東京都美術館の改修について伺いたいと思います。
 東京都美術館は、昭和五十年に現在の建物が建設されて以来、ことしで三十四年が経過をいたしまして、設備を中心に老朽化が進み、平成二十二年度、二十三年度の二年かけての改修工事を行う予定にしているわけであります。美術館がある上野恩賜公園も、東京都美術館の改修と時期を合わせまして上野公園グランドデザインが策定をされて、それに基づいて地区全体として整備が進められることになっているわけであります。この改修が完成すれば、東京の歴史ある文化の森上野が、一層魅力的になると期待をしているところであります。
 美術館やホールなどの文化施設は、展覧会や公演の場といった機能だけでは当然ないわけでございまして、建物自体がランドマークであり、地域の魅力をつくる要素ともなっているわけであります。東京都美術館についても、前川國男氏の設計による風格のある外観を特徴としておりますし、美術館としての機能はいうまでもありませんけれども、建築物としてきちんと後世に残していくことが重要ではないかというふうに思います。特に、当委員会の服部副委員長も中心になりまして、我が自由民主党としても、このことは執拗に今まで主張をしてきたわけでございます。
 ところが、昨今の社会経済状況の悪化もあろうか思いますけれども、改修内容の見直しが行われたと聞いているわけであります。経費を節減すること自体は大切なことでありますけれども、その内容についてお伺いをしたいと思います。
 ついでに、済みません。確認のためにお尋ねをいたしますけれども、この東京都美術館、そもそもの改修の方針は一体どのようなものであったのか、お尋ねをいたします。


◯桃原参事 東京都美術館の改修につきましては、資生堂の名誉会長である福原義春さんが座長を務められた都立文化施設のあり方検討会におきまして、主に施設の改修の問題を中心に、同じく福原さんが会長を務めております知事の諮問機関であります東京芸術文化評議会におきましては事業運営面を中心としまして、それぞれ有識者の方々にご議論をいただきました。
 その結果、改修につきましては、工事後の早期の開館確保、前川建築の保存の観点から、躯体を残したままで改修を実施すべきとの方向性が示されたところでございます。これを踏まえまして、第一に、都民に親しまれている現在の建物を残すこと、第二に、新たな文化の発信拠点としてふさわしい施設の整備を行うこと、第三に、施設のバリアフリー化や、レストラン、ミュージアム、ショップなどのアメニティーの向上を図ること、第四に、空調、電気等設備の全面更新を実施し、環境への負荷も考慮すること、以上四点を改修の基本方針として定めたものでございます。


◯吉原委員 前川建築の特徴の保存と美術館としての機能改善を両立するために大規模改修を行う、こういうことでございますけれども、従来の方針だったわけでありますけれども、今回行った改修の見直しに当たりまして、当初の計画を変更した点はどこにあるのか、お尋ねいたします。


◯桃原参事 東京都美術館におきましては、院展などの公募展が開催される美術団体の発表の場である公募展示室と、フェルメール展などの展覧会が開催される企画展示室がございます。
 今回の改修におきまして、当初の計画を見直した上で工事内容を変更した点でございますが、三階建ての展示室が横に四棟並んだ公募展示室につきましては、これまでフロアを縦に使用することが基本的な方法となっておりました。当初の計画におきましては、利用団体から同じフロアを横に利用したいという要望がございましたので、現在のエレベーターを移設いたしまして、通路を拡幅することとなっておりました。しかし、工事経費の点につきましても比較検討いたしました結果、現状においても展示室を横につなぐ通路はございます。また、これによりまして、当面、運用の工夫によりまして対応可能でありますことから、今回の改修におきましては、通路拡幅のためのエレベーター移設を見送ることとしたものでございます。
 また、公募展示室に新設する予定でございましたエスカレーターにつきましても、既に設置しているエレベーターを、利用団体用の事務室がございます中間の階にも停止するような改修をすることによりまして、動線改善が図られますことから、今回は設置を見送ることとしたものでございます。
 以上が、今回の改修見直しに当たりましての主な変更点でございます。


◯吉原委員 当初予定していたとおりの改修ができなかったというのは、とても残念に思うわけであります。公募展示室のエスカレーター設置を見送ることになったことは、今の経済状況の中ではやむを得ないのかなというような思いもするわけでありますけれども、利用者の利便性を考えますと、エスカレーターの設置の必要性はなお高いものと考えているわけでございまして、ぜひ今後の課題として、さらに検討を重ねていただきたいというふうに思います。
 また、少し前に、服部副委員長とともに私も現地を再度見させていただきました。企画棟入り口の手前にあります、地下一階から地下三階にかけての吹き抜けの展示室は、エレベーターでおりていくには、その位置が奥にあって大変わかりにくいわけでありますし、三階分の高さがあって、階段で上りおりするのは、お年寄りでなくてもなかなか大変だろうなというふうに思っています。こうしたバリアフリー化が必要なところに関してはどういった改善をされていくのか、お尋ねをいたします。


◯桃原参事 バリアフリー対応の改修でございますけれども、まず基本的な考え方といたしまして、エレベーターを設置することによりまして、障害者や高齢者などのお客様が、どの部屋にも必ずお寄りになることができるようにすることといたしております。その上で、エスカレーターにつきましては、来場者の数に加えて、利用者からの要望についても勘案をいたしまして、設置する場所を選定しているところでございます。
 この結果、美術館を訪れる方々の基本動線でございます美術館の入り口や、先生のお話にもございました、エントランスフロアから吹き抜けのある地下三階の展示室への動線につきまして、来館者等からの要望が特に多かったことを踏まえまして、エレベーターとエスカレーターの双方を新たに設置をしてまいります。このことによりまして、どなたでも移動しやすく改善されるものと考えております。


◯吉原委員 バリアフリーへの対応をできる限り図っていく、こういうことでございますので、ぜひ積極的に進めていただきたいというふうに思います。
 次の視点として、来館者へのサービス向上という面も重要な課題であります。今回の改修で、現在と比較してどのような点が改善されるのか。例えば、自分が見に行ったときはそのようなことはなかったけれども、昨年の夏に開催されたフェルメール展のときには、炎天下、多くの来館者が美術館の外まで並んでいたと聞いているわけでございまして、こういったものが解消されていくのか。
 また、レストランも現在一つしかないわけでございまして、お客さんの長い列ができることがしばしばあるわけであります。展覧会だけでなくて、観覧の後に来館者が楽しむためのサービスという面に関してはよくなっていくのかどうなのか、その点もお伺いいたします。


◯桃原参事 来館者の方々に向けたサービスにつきまして、現在と比較しての改善点でございますが、まず、ご指摘にございましたように、昨年の夏に開催されましたフェルメール展などの展覧会におきまして、多くのお客様に屋外で並んでいただいた状況を踏まえ、企画展示室前の待ち合い場所でございますホワイエの面積を大幅に拡張いたしまして、できるだけ快適な空間でお客様にお待ちいただけるよう改善を図ってまいります。
 レストランにつきましても、現状では一つのみで、お客様を長い時間お待たせすることもございますが、新たにもう一つレストランを設置するとともに、カフェにつきましても整備を行いまして、展覧会の鑑賞の後、お客様にくつろいでいただけるよう環境を改善してまいります。
 また、美術館の根幹施設でございます展示室につきましては、利用者の方々から特に要望の多かった壁面や照明設備につきまして改修を行いまして、出展者の方々が作品が展示しやすいよう、また、来館者の皆様に作品が見やすくなるよう整備してまいります。


◯吉原委員 当初の改修計画だった美術館としての機能向上のためのさまざまな改善が、ある程度計画どおりになされる、こういうことのようでありますので、これからも引き続きご努力をいただきたいというふうに思います。
 ところで、東京都美術館の改修に際しては、施設を借りて展覧会を開催する施設利用者及び展覧会を見に訪れる来館者という二通りの立場の要望、意見を聞くことが大変重要だというふうに思います。利用者等の要望、意見はどのような方法で聞いてこられたのか。
 また、今後はリニューアル後の運営面も含めて、引き続き意見をきちんと聞いていくことが重要だと思いますけれども、いかがでしょうか。


◯桃原参事 改修内容の検討に当たりましては、これまで東京都美術館の来館者の方々、施設の利用者でございます美術団体の方々、東京都美術館を会場として展覧会を共催する相手方であります報道機関等に対しまして、アンケート調査やヒアリングなどを随時実施をいたしまして、改修内容の検討に活用してまいりました。
 また、先ほど申し上げた美術団体や報道機関等の方々にも参加をいただきまして、局として大規模改修検討委員会を設置いたしまして、その中におきまして、具体的な改修項目について情報提供を行うとともに、ご意見をいただきながら検討を進めてまいりました。
 今後につきましても、改修の詳細部分や具体的な仕様、リニューアル後の運営を検討していくことが必要となりますことから、その内容に反映させていくために、現在、美術館に設置しております運営委員会なども有効に活用しながら、来館者や利用者の方々のご要望、ご意見をお聞きしてまいります。


◯吉原委員 東京都美術館は、上野の駅前にあります東京文化会館と同じく、先ほど申し上げましたように、建築家、前川國男氏の作品であります。今、フランス政府など各国共同の推薦で世界遺産を目指している建築家、ル・コルビュジェの作品群の一つである国立西洋美術館についても前川國男氏がかかわったことは、広く知られているわけであります。国立西洋美術館は、既に国の重要文化財にも指定されているわけでございまして、東京文化会館も重要文化財の指定に値する建造物、こういうふうにいわれているようにお聞きをしております。東京都美術館についても、将来的に国の文化財指定が受けられるように、今後、教育庁とよく連携をとって取り組む必要があるのではないかというふうに思います。
 これまでの質疑で、当初の計画にほぼ沿った形で、前川建築の特徴を残しながら美術館の機能を向上させる改修となることがほぼ確認できたというふうに思います。今回、百億円以上かけて改修をするわけでありますから、できるだけよいものになりますように、着実に改修を進めていただきたいと思います。
 今回、工事を見送ったとされる事項の改善策も含め、東京都美術館の改修と今後の充実に向けて、局長の決意と見解をお伺いいたします。


◯秋山生活文化スポーツ局長 ただいま理事よりお話がございましたとおり、一般にモダニズム建築といわれております前川國男氏設計の東京都美術館でございますけれども、同じく前川設計の東京文化会館、それから、ル・コルビュジェが設計して前川がかかわったといわれている国立西洋美術館とともに、上野の森の芸術性、文化性のシンボルでもありまして、この東京都美術館が建造物として高い評価、価値を得ることは、東京の魅力を発信する点からも大きな意義があるというふうに考えてございます。こうした観点から、今回の改修に当たりましても、前川建築を残すことをコンセプトに据えて設計を進めているところでございます。
 今回、急激な財政状況の悪化、これによる影響があったとはいえ、改修内容を一部見直すことになりまして、大変ご心配をおかけいたしました。ただ、部長からも今ご答弁いたしましたとおり、今回の改修によりまして、前川建築を残しながら、空調等設備、内装などの全面更新、それから、全館バリアフリー化、展示環境の改善、レストラン等アメニティーの向上などなど、美術館の機能が飛躍的に向上するものというふうに考えております。
 東京都美術館、今年度には、前年度より多数の約二百五十万人の方々にご入場をいただいておりまして、また、平成十九年に公募展を扱う国立新美術館ができました以降も、公募団体数には変化がないなど、東京を代表する美術館として都民の皆様方に親しまれ、広く利用されております。このような都民の皆様や公募団体の方々のご期待にこたえるためにも、二十四年度に予定されておりますリニューアルオープンに向け、工事を着実に進めてまいります。
 また、生活文化スポーツ局といたしましては、東京都美術館が文化の発信、創造の場として機能を十分発揮できますよう、今回、工事を見送らざるを得なかった部分の改善策を含めまして、施設の充実に向け、引き続き検討してまいります。


◯吉原委員 歴史のあります東京都美術館でありますから、今回の改修によって、さらによい施設となるように、そしてまた、東京の文化を、日本ばかりではなくて世界にも創造・発信できるような、そんな機能が高まることを期待をいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。

2009年3月12日木曜日

【委員会】平成21年3月12日 平成21年度予算特別委員会

2009.03.12 : 平成21年度予算特別委員会


◯吉原委員 まず初めに、平成二十一年度予算について何点かお伺いをさせていただきます。
 現在の日本経済は、消費の低迷や株価の暴落など極めて厳しい状況にあることは、もういうまでもありません。このようなときこそ思い切った経済対策が必要ではないかというふうに思います。
 経済対策はそもそも国の役割でありますけれども、百年に一度といわれる経済危機の中、都は二度にわたって補正予算で迅速な対応を行いました。そして、二十一年度予算で一般歳出をしっかりと伸ばしており、積極的な取り組みが感じられているところであります。
 そこで、二十一年度予算を経済対策としての側面から見た場合にどのようなことがいえるのか、特徴をお伺いいたします。
   〔石川副委員長退席、委員長着席〕


◯村山財務局長 二十一年度予算では、日本経済が危機に直面する中、都民生活を守り、東京の将来に責任ある立場から都がなすべき役割を確実に果たしていくという考え方に立ちまして、経済対策についても、都としてとり得る手だてを積極的に講じております。
 まず、高まる都民の不安を受けとめ、急速に悪化する雇用環境へのきめ細かな対策を行うとともに、厳しい経営環境にある中小零細企業に手を差し伸べるための支援策を迅速に実施してまいります。
 また、危機克服への活力を生み出す先駆的取り組みとして、温暖化対策等環境分野を初めとする先進技術の支援などに積極的に取り組んでまいります。
 さらに、東京の将来を見据え、投資効果の高い都市インフラの整備を着実に推進してまいります。その際、予算面、契約面から中小企業の参画を促進する体制を構築しております。
 このように、今回の予算は、東京の経済活力を高める対策という点においても、危機克服への原動力となり得る予算だというふうに考えております。


◯吉原委員 経済対策として必要なことがしっかりと盛り込まれているんではないかな、そんな印象を受けているところであります。今こそ有効な雇用対策と将来の雇用を生み出す源となる産業の活性化、この両面からしっかりと取り組んでいく必要があると思っています。
 今回の予算でも、雇用対策と産業振興は重点になっていると思います。それが予算上も明確にめり張りをきかせたものになっていると思いますけれども、具体的な数字を交えてお聞かせをいただきたいと思います。


◯村山財務局長 二十一年度予算は、財政規模が三・八%の減という中にありまして、いわゆる政策的な経費である一般歳出につきましては二・九%の増額とし、さらに、その中でも予算を目的別で見た場合の労働と経済の分野につきましては、対前年度比で二九・三%増と、一般歳出の伸びをさらに大きく上回る規模を確保してございます。
 また、これ以外の各分野においても、雇用や産業振興に意を用いた施策について、積極的に計上いたしております。
 これらの中には、区市町村と連携した公共事業を通じた雇用の創出の取り組みに三十億円、地域の金融機関と連携した新たな金融支援策に三百億円、省エネ設備の導入促進により地球温暖化対策にも寄与する中小企業設備リース事業に八十七億円などが含まれております。
 このように、今回の予算では、雇用対策や産業振興の分野について、都民の不安を取り除き、危機克服への新たな活力を生み出す施策に重点的に財源を配分しております。


◯吉原委員 我が党は、今年度、例年の予算要望に加えまして、二度にわたりまして緊急要望を行ってまいりました。これらの要望は、我々が日ごろ接している都民の皆さんや中小企業の方々からの切実な声のまさに反映であります。都の予算は、これをきちんと受けとめていただき、石原知事の強いリーダーシップのもとに、都民が直面している課題に対して思い切った対策で、まさに都民の意思を的確に反映していただいているものと思っています。
 まず、公共事業について伺います。
 公共事業には、本来の効果とは別に、需要喚起や雇用の創出といった経済対策的な効果もあるわけであります。かといって、経済対策であれば、むだな投資でも需要創出につながりさえすればよいということでは決してありません。重要なことは、実施される事業が本当に都民や国民の利益につながっているのかということであります。
 東京では、多摩南北道路や区部環状道路など、整備効果の高い幹線道路の整備促進がまだまだ必要だと思います。渋滞解消のための連続立体交差化によるあかずの踏切対策、また、他の先進国に比べてもおくれている電線の地中化、これもまた、都市の景観や安全性の向上にも大変重要なインフラでもあります。
 昨年度、新宿から池袋まで完成をいたしました首都高新宿線は、首都高都心環状線の混雑を大幅に緩和いたしました。これがさらに延長して品川線まで完成すれば、首都高全体の混雑緩和はもちろん、経済の面でも大きな効果が見込まれているわけであります。品川線の完成によって具体的にどのような効果が期待されるのか、確認の意味でお伺いいたします。


◯道家建設局長 首都高速中央環状線は、首都圏三環状道路の一つとして高速道路ネットワークを効率よく機能させ、人や物の円滑な流れを実現するとともに、一般道路の渋滞緩和や環境改善にも大きく寄与する重要な路線でございます。
 このうち品川線は、平成二十五年度の完成を目指し、都みずからも共同事業者となり、整備を進めております。整備に当たりましては、沿道環境への影響が最も小さい地下構造を採用するなど、環境に最大限の配慮を行っております。品川線の完成により中央環状線のリングが形成され、首都高速道路の交通渋滞がほぼ解消いたします。
 また、一都三県において、走行時間の短縮効果など年間約三千億円にも及ぶ経済効果が生じるとともに、CO2排出量が年間約四十万トン減少するなど、環境面でも大きな効果が期待できるものでございます。


◯吉原委員 ただいま品川線を例にとって伺ったわけでありますけれども、こうした事業効果の高い施策を積極的に実施しながら需要を喚起していく、このことが大変重要だと思います。
 我が国全体としても、経済対策を進めていく上で、事業効果の高い公共事業を選んでいくことこそが今後ますます大事な視点でありまして、国の追加の補正なども報道されておりますけれども、都として推進することはもちろんのこと、国に対してそうした事業効果の高い東京の取り組みを十分理解してもらえますように、積極的な働きかけが重要だと思います。
 同時に、それらの大型の公共事業だけではなくて、地道ではありますけれども、都民にとって重要な公共事業もあります。例えば学校の耐震化の促進、これは、安全対策はもちろんのこと、需要の創出にもつながるわけであります。そして、仕事不足に苦慮している中小企業にとっても有効な対策になると思います。
 さらには、これからの東京の活力を生み出す産業を積極的に育成するという視点も重要ではないかというふうに思います。
 東京都が展開するカーボンマイナス東京十年プロジェクト、地球の温暖化を防止するための多面的な取り組みであります。施策の効果についても、CO2の排出削減だけではなくて、新しい技術の進歩、そして発展という大きな広がりを持っています。太陽光パネルの導入先進国となりましたドイツでは、太陽光パネルを初めとした再生可能エネルギー産業のトップランナーとなりました。それらの産業群がドイツ経済を大きく牽引するその源になっているわけであります。
 また、来年度から東京都は、中小企業が電気自動車を購入する際の補助や、都民が購入するときに生ずる自動車税、そして自動車取得税の免除などの政策が、今、冷え切っている消費意欲を押し上げていくことになると思いまして、大いに期待をされるところであります。
 これらの例を引くまでもなく、今後ますますこうした先進的な取り組みが景気浮揚の面からも極めて重要だと考えますけれども、見解を伺います。


◯有留環境局長 CO2の大幅な削減を図るためには、世界でもトップクラスにある日本の環境技術をフルに活用して、省エネの促進や再生可能エネルギーの導入を図ることが重要でございます。
 こうした認識に立ちまして、都は来年度、太陽エネルギー利用機器や次世代自動車の導入補助、さらには都独自の環境減税の実施といった先駆的な施策に取り組んでまいります。
 これらの施策は、温暖化防止に資するだけでなく、消費意欲を刺激するとともに、技術開発を促すなど、環境関連産業の活性化にも貢献するものと認識しております。


◯吉原委員 経済対策としても有用な側面を持つこれらの対策でありますが、今、いろいろお話しをいただきましたけれども、何よりも大事なことは、やはりポイント・オブ・ノーリターン、こういうふうに知事は常々おっしゃっていますけれども、もはや後がない現状のもとで、地球温暖化に対しましてどれだけ真剣に取り組んでいくのかが、まさに問われているものと思います。
 その際、真剣に考えれば考えるほど、果たして一自治体の取り組みが地球規模の課題に対してどこまで影響を及ぼし得るのかというような意見もあると思っています。
 自治体の限界という議論と、そして、自治体だからこそできる現場に根づいた政策という議論もあると思いますが、首都東京の自治体の長として、温暖化対策と自治体のかかわり方に対する知事のご所見をお伺いしたいと思います。


◯石原知事 これはおっしゃるとおり、この人類の存亡をかけた温暖化の問題というものは、東京ひとりがあくせくしてもどうなるものじゃございません。ただ、やはり、だれかがとにかく最初に石を運んで積まなくちゃいかぬという思いで、東京もやっているわけでありますけれども、いずれにしろ、人口と経済活動がこれだけ集中、集積している大都市のCO2削減に向けた役割は──役割といいますか、使命は非常に大きいものだと思います。特に世界有数の大都市である東京の取り組みは、我が国、ひいては世界の温暖化対策をリードするものになるべきだと思います。
 しかし、おっしゃるとおり、リードはただのリードでありまして、結果として国全体が動かなければどうにもならぬことでありますけれども、具体的にいえば、都が導入するCO2削減義務は、我が国の最初の取り組みでありまして、大都市に多いオフィスビルなども含め義務の対象としたのは、世界初であります。
 こうした都の先進的な温暖化対策が各地で実施されれば、多大なCO2削減の効果が期待できます。既に東京は、周囲の県と協調してディーゼル車対策に乗り出して、ある程度の成果を得たと思いますが、そうした経験もありまして、温暖化対策についても近隣自治体とさらに提携を強めていきたいと思っております。
 さらには、世界の大都市とともに、C40、これは世界大都市の気候先導グループということでありますけれども、このC40を通じて、これまで培ってきた技術や経験を分かち合って、一緒に世界的な範囲で大都市が先陣を切って具体的な対策に取り組んでいきたいと思っています。
 現に昨年、東京で、私が主唱しまして、首長じゃなしに、その自治体というものを代表する専門家に集まってもらいまして、具体的に十三項目の案を出しまして、ことし行われますソウルの年次総会でもそれを発表しようということになりました。
 今後とも、東京はみずからの役割を着実に果たして、CO2の大幅な削減に貢献していきたいと思っております。


◯吉原委員 ただいま知事からも、日本は先駆けて、世界のどこの国よりも、あるいはどの都市よりも先進的な取り組みをしている、こういう力強い答弁をいただきました。これからも引き続き、東京都として温暖化対策、さまざまな形で展開していっていただきたい、そういうふうに思います。
 電気自動車や太陽光パネルの導入などのさまざまな環境施策の推進は、先進的技術の発展にも寄与しているわけであります。これからの日本経済を牽引する新たな産業の芽を大きく成長させることにつながるのだろうというふうに思います。
 だとするならば、産業振興というのは、何も産業労働局だけが行う施策に限定されるものではなくて、ほかの行政分野での施策を実施するときにも産業振興的な視点を取り入れていくということによって、環境施策も産業振興策としても十分に機能することになるんだろうというふうに思います。
 不況の真っただ中にある今だからこそ、東京は我が国経済の牽引役として、こうした複合的な視点で取り組んでいくことがより一層重要になるというふうに思います。
 局横断的な施策を推進する立場から、知事本局長にお伺いをいたします。


◯吉川知事本局長 現在直面する危機を克服し、都市の活力を向上させるためには、さまざまな分野にわたる複合的な施策展開が重要でございます。
 平成十八年十二月に策定いたしました「十年後の東京」計画では、お話しの環境や福祉、安全などの社会的課題を解決し、豊かな都市生活を実現する産業を創造的都市型産業と位置づけまして、新製品、新技術の事業化を集中的に支援する重点戦略プロジェクトや研究開発、販路開拓支援などを進めてまいりました。
 とりわけ環境ビジネスは、地球温暖化防止の世界的潮流の中で極めて高い成長が見込まれておりまして、東京、ひいては日本の持つ世界最先端の環境技術は、日本経済の再生に向けて大きな原動力になるものと考えてございます。
 昨年の暮れに改定いたしました実行プログラム二〇〇九におきましても、太陽エネルギー利用機器の四万世帯への導入促進や、次世代自動車一万五千台の普及などの取り組みを盛り込みましたが、地球温暖化対策のさらなる推進に資する、次代をリードする環境ビジネスの振興に取り組んでまいりたいと思います。
 今後とも、環境先進都市東京がその価値をさらに高め、日本経済を牽引していくため、全庁一丸となって重層的、複合的な取り組みを推進してまいります。


◯吉原委員 次に、今の都政にとりましてとても重要な課題であります緊急的な雇用への対応についてお伺いをいたします。
 昨日、我が党の鈴木一光理事より、政府の基金事業も含めまして質疑がありました。私からは都の予算に関して伺いたいと思います。
 今回の予算には、区市町村と連携して延べ三十万人の公的雇用を創出するための支援策が盛り込まれています。この事業を実施する際には、雇用のための仕事をつくり出すという発想ではなくて、やはり地域の課題に向き合う区市町村が、都の支援策をうまく活用してみずからの行政課題の解決を図ること、それが雇用の創出にも当然つながるという、よりよい循環をつくり出すことが重要であります。
 これから具体的に区市町村と公的雇用創出の連携事業を効果的に実施するに当たりまして、どのような工夫を行っていくのか、お伺いをいたします。


◯佐藤産業労働局長 区市町村と連携をした雇用創出事業につきましては、その実効性を上げていくために、福祉、環境、地域振興といった幅広い分野の新規事業を補助対象といたしますとともに、人件費比率五割以上など、取り組みやすい要件として、区市町村の創意工夫が生かせるようにしているところでございます。
 ご指摘のように、雇用創出と同時に区市町村みずからの行政課題の解決を図るためにも、この事業は十分活用できるものであり、既に区市町村は、直接実施や企業委託等による多様な事業が実施できますよう準備に着手をしております。
 今後もさまざまな工夫を行いまして、区市町村と連携をし、地域において新たな雇用を創出してまいります。


◯吉原委員 ぜひお願いをしたいと思います。
 国も雇用対策に非常に積極的であります。一月に成立した国の第二次補正予算にも、求職者の安定的な雇用機会の創出に向けた対策が盛り込まれております。都としてもこれを積極的に活用し、雇用機会の創出を図るべきだろうというふうに思います。
 国の事業は、都の事業と比べると、運用上難しい課題もあるかもしれません。せっかくの貴重な財源ですので、ぜひともこれを有効に活用していただいて、積極的に進めてもらいたいというふうに思います。
 さて、さきの本会議代表質問で我が党の高島幹事長は、介護人材が大幅に不足している現状を踏まえて、離職者を介護分野への就職につなげていくべきであると指摘をいたしました。これに対しまして、福祉保健局長からは、介護職場への就職を目指す離職者を対象に、差し当たっての生活と将来の就労に対する支援を行う、こういった前向きの答弁をいただきました。
 支援の具体的内容と、これによりどのような効果が期待されるのか、まずはお伺いをしたいと思います。


◯安藤福祉保健局長 都は三月の五日、東京都健康プラザ「ハイジア」内に相談窓口、TOKYOチャレンジ介護を設置し、介護職場を目指す離職者等への支援を開始いたしました。
 具体的には、介護資格取得費用の助成や福祉人材センターによる介護職場への就労支援を行うとともに、対象者を介護職として継続雇用した事業者には助成金を支給いたします。
 また、離職により仕事と住まいを失った方については、都が借り上げた住宅の提供や生活費の無利子貸し付けもあわせて行います。
 このように就労と生活にかかわる一貫した支援を行うことにより、離職者等の生活の安定と不足する介護人材の育成、確保を目指しているものでございます。


◯吉原委員 福祉施策と雇用対策のマッチングという複合的な着眼は、時宜を得た大事な取り組みでありまして、大いに期待をするところであります。
 しかし、一方で、介護人材確保の問題は大変根が深いものがあります。なかなかそれだけで大きな効果が出し得るのか、懸念がないとはいい切れません。だからこそ我が党は、介護人材確保につなげるよう、雇用改善に向けた経営コンサルタントに係る経費の補助の導入や、そこに働く介護職員さんたちが少しでも勤務が軽減されるように、浴室のリフトなどの補助などを求めて、それを実現したわけであります。介護人材を確保していくためには、そうした幅広で重層的な取り組みがやはり必要であります。
 そこで、広い意味で介護人材の確保に資する取り組みとして、都としてどのような取り組みを行っているのか、お伺いをいたします。


◯安藤福祉保健局長 都は、福祉人材センターを設置し、福祉、介護分野への就職希望者に対して相談やあっせんなどを行い、都民に介護サービス等を提供する人材の確保に努めておりますが、さらに来年度から、介護人材の確保、定着に取り組む介護事業者を支援するために、介護保健施設等の行う求人、採用活動経費、職員の資格取得経費などについても補助を実施してまいります。
 また、国も来年度から、都内のハローワークにおいて福祉人材コーナーを設置し、介護分野への就労をきめ細かく支援することとしております。
 都はハローワーク等と密接に連携し、地域に密着した就職相談、面接会を多摩地域でふやすなど、身近な地域における介護人材の確保に向けた取り組みを強化してまいります。


◯吉原委員 高齢化は今後ますます進んでまいります。介護は、我々にとりまして非常に切実で重要な課題であります。福祉施策と雇用対策の両方で相乗効果が高められますように、全力で取り組みを進めてもらいたいというふうに思います。
 次に、直接的な雇用対策という意味合いからは少し離れますけれども、雇用を広くとらえると、例えば学校において、外部人材のすぐれたノウハウを取り入れての積極的に活用していくという視点も非常に重要だというふうに思います。不足している人材を広く外部から確保していくことに前向きな取り組みを行うべきだと思います。
 学校での部活動では、文化部あるいは運動部を指導できる先生がいなくなったために、休廃部とならざるを得ないケースが毎年二百ケースもあるようであります。これは、学校における外部人材活用のニーズの高さを示す事例の一つであるわけであります。
 今定例会代表質問において、我が党は、外部人材活用拡大に向けた人材バンク設置の必要性について質問をいたしました。これに対しまして教育長からは、人材バンクの設置に向けて学校の具体的なニーズの詳細な把握とともに、外部人材の確保や学校と人材を的確にマッチングする手法、人材バンクの運営主体などについて検討を進めていく旨の答弁がありました。これらの検討事項の中では、外部人材の確保が最も難しく、ポイントになるのではないかというふうに考えます。
 多くの外部人材を確保していくためには、大規模なPR、そして募集活動を行うことが、まず考えられます。しかし、それだけではまだまだ不十分ではないかというふうに思います。幸いにも区市町村、各地域には、文化協会や体育協会、また退職校長会などの学校のニーズに合った適切な人材を抱えている団体が幾つもあります。そうした各種団体と連携していくことは、人材バンクが外部人材を確保していく上で極めて有効と考えますが、所見を伺います。


◯大原教育長 人材バンクを設置いたしまして学校に適切な人材を迅速に紹介していくためには、さまざまな人材を十分に確保することが不可欠でございまして、このことは人材バンクの成否を握る、いわばかぎというふうに考えております。
 そこで、今後は、お話の文化協会や体育協会、あるいは退職校長会を初めとして、地域の大学や民間企業などとの連携を通じまして、それらの人材情報やネットワークを活用していくことを含めまして、有効な人材確保策を具体的に構築してまいります。


◯吉原委員 従来からの団塊の世代に当たる教職員の退職する時期を迎えている状況下にありまして、私たちは退職校長会の皆様と、教育に関するさまざまな課題について勉強会を重ねてまいりました。この中で、再任用などの都の人事制度の対象とならない六十六歳以上の退職教職員には、教育への意欲や熱意、あるいはすぐれた指導力を有する人材がいるにもかかわらず、まだまだ十分活用されていないというふうに思います。私は、こうした人たちをボランティアとして活用することで教育水準の向上につなげられるものと思います。
 現在、退職教職員のボランティアとしての活用はどうなっているのか、また、都教委としてどのように対応されているのか、伺います。


◯大原教育長 都教育委員会は、退職教職員のボランティア活用に対するニーズを把握するために、平成二十年七月にアンケート調査を実施いたしました。その調査から推計をいたしますと、都内全公立学校約二千二百校のうち、退職教職員を活用している学校は約千五百校でございますが、そのうちでボランティアを活用している学校は百六十校程度にとどまっております。その一方で、退職教職員を活用していない約七百校のうちの半数程度は、今後、退職教職員をボランティアとして活用したいという意向を持っております。
 また、学校が希望するボランティア活用の具体例といたしましては、おっしゃるように、部活動の指導や放課後の相談活動などが挙げられておりまして、これらの活動においては、豊富な知識、経験に加えて、教育に貢献したいという志を持ったボランティアの活動に多くの効果が期待できます。
 このように、学校におけるボランティア活用の潜在的なニーズは高いものがありますことから、都教育委員会は、平成二十一年度から退職教職員ボランティア活用事業を全校種において開始することといたしまして、学校のニーズにこたえたきめ細かい教育活動の展開を図ってまいります。


◯吉原委員 ありがとうございます。
 学校の外部人材にも、今、退職された教職員の問題がありましたけれども、地域には体育協会あるいは文化協会、それぞれ師範があったり、高度な技術や、あるいは豊かな人生経験を積み重ねている方々がたくさんいらっしゃるわけでございまして、ぜひ子どもたちのためにもご活用いただけるような、そんな方策をこれからお立ていただきたいというふうに思います。
 今まで何点かお尋ねをしてまいりました。都民が必要とする雇用対策と経済対策が広がりを持った形で十分に盛り込まれた予算であろうかというふうに思います。
 次に、救急医療体制について伺います。
 救急医療の東京ルールを定めて、地域が連携して救急患者を受けとめていく体制をつくり上げていくことになっていると思います。何といっても、その中心になるのが地域救急センターであります。このセンターの役割として、日ごろからの地域連携を進めていく機能と、地域内のほかの救急医療機関では対応が困難な患者を受け入れる機能を持つ、こういうふうに聞いております。
 このセンターは、通常の二次救急医療機関よりも多くの対応を求められることになると思いますけれども、要件をどのようにしていくのか、また、指定する場合には地域的なバランスを十分考慮の上、指定すべきと思いますけれども、見解を伺います。


◯安藤福祉保健局長 東京都地域救急センター(仮称)は、お話のように、病院選定が困難となっている救急患者に対しまして、地域内で受け入れ医療機関を探すとともに、調整を行ってもなお受け入れ先が見つからない場合は、みずからも積極的に受け入れに努めるという役割も担うものであります。
 そのため、主として地域内の調整を担当する医師の配置とともに、救急患者受け入れに即時に対応ができるよう、救急専任看護師及び検査技師等が常駐をしていること、また、集中治療室を有していることなどを指定要件とする予定であります。
 地域救急センターは、都内の二次保健医療圏、これは区部に七つ、多摩に五つありますけれども、この二次保健医療圏に各二カ所程度を目安として指定していきたいと思っております。


◯吉原委員 次に、脳卒中の救急医療について伺います。
 都は、今週から都内全域で脳卒中の救急搬送体制をスタートさせました。脳卒中の疑いのある患者がこれまでよりも速やかに専門の治療機関へ搬送されることを、都民は当然望んでいます。脳卒中は、発症後早期に治療を受けることにより、後遺症の軽減がかなり期待できることを都民は当然知っているわけであります。しかし、この救急搬送体制ができても、脳卒中を発症したときに速やかに一一九番通報することで初めて、患者は早期治療を受けることができるわけであります。つまり、都民の一一九番が肝心だ、こういうことであります。
 脳卒中を発症したらどのような状態になるのか、私は詳しいことはよく存じておりません。しかし、そのために、発症後、救急車を呼ばず、様子を見て時間がたってからようやく病院に行き、結果、後遺症に悩まされるケースは大変多いと聞いています。
 都は、脳卒中救急搬送体制の整備と同じくらいのウエートを置いて、都民だれもが近くで脳卒中を発症した人がいたら、すぐに一一九番通報ができるよう、都民に対して脳卒中の兆候の見きわめ方などをわかりやすく伝えることが大事だと思います。ご所見を伺います。


◯安藤福祉保健局長 脳卒中では、発症後、速やかに適切な専門治療を受けることが患者の救命や後遺症の軽減に不可欠でございます。このため都は、都民に対しまして、脳卒中の発症が疑われる具体的な兆候、例えば突然あらわれる顔のゆがみでありますとか、手足の麻痺などでございますが、そして、発症後の早期治療の重要性などについて、新聞やポスターなどさまざまな媒体を活用してわかりやすく広報してまいります。
 あわせて、一一九番通報すべきか否か迷った場合には、東京消防庁救急相談センターのシャープ七一一九に問い合わせるように呼びかけたいと思っています。また、脳卒中を発症するリスクの高い患者やその家族に対しては、かかりつけ医が日ごろから指導を行うことが重要であり、東京都医師会と協力してこうした取り組みを推進してまいります。


◯吉原委員 ぜひ早速の取り組みをお願いをしたいというふうに思います。
 今後、急速な高齢化に伴いまして脳卒中患者の増加が予想されます。脳卒中医療の体制整備と都民への普及啓発は車の両輪でありますので、双方の取り組みをバランスよく進め、多くの都民が早期に適切な専門治療を受けられるように努めてもらいたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 脳卒中は、ほかの疾病に比べて療養期間が長くなります。身近な地域において速やかに急性期治療を受け、その後、その人その人の症状に合った治療を継続して受けられることを多くの患者とその家族は望んでいます。
 最近では、退院後、在宅での療養を望むケースがふえているようにお聞きしております。もちろん、在宅療養といっても、そこで必要な医療や看護が確実に受けられるという大前提が不可欠であることはいうまでもありません。また、麻痺などの後遺症を軽減するためには、早期の治療とあわせて、やはり早い段階からのリハビリテーションが重要であります。このような患者の立場に立ちまして、急性期の治療からスムーズに在宅医療、あるいは回復に向けたリハビリに移行できるような環境を整えることが大切です。
 急性期を脱した後の在宅医療や回復期の体制整備について所見を伺います。


◯安藤福祉保健局長 脳卒中患者などが急性期を脱した後に症状に応じた医療を受けられるよう、医療提供体制を整備することが重要であります。このため都は、回復期リハビリテーション医療の充実に向けて、来年度から新たに病棟の新設や機能訓練室の整備等に対する支援を行います。
 また、在宅医療につきましては、急性期病院の医療スタッフと在宅医療を担う医師や訪問看護師などが症例を通じて相互に学び合う在宅医療相互研修事業を実施いたしまして、顔の見える連携関係の構築を図るなど、急性期から回復期、在宅医療への切れ目のない医療提供体制を整備していきたいと思っております。


◯吉原委員 知事は中学生から大学までサッカーをやってこられた、こういうふうに伺っています。地元町田には、昨年秋JFLに昇格したサッカーチームFC町田ゼルビアがあります。FC町田ゼルビアは、東京をホームとする、Jリーグで活躍をしてきている企業チーム、ヴェルディだとか、あるいはFC東京のような比較的恵まれた環境をよそに、整った施設を持たず、特定の大企業の支援もない中で、市民と選手が一体となってことしのJ2の昇格を目指しているわけであります。これを市民がみずからの地域の力を生かして生み出していこうとしておるわけでございまして、こうしたことがひいては地域振興や産業振興につながっていくものであろうというふうに思います。
 こうした環境の中で、Jリーグに参加し得るチームは、一つの大きな、地域にとってはブランドだと思うわけでありまして、知事の所見を伺います。


◯石原知事 お答えする前にお聞きするんですけれども、私は日本のJリーグ、J2、J1、JFLですか、これ、チームの名前がよくわからぬですよね。ゼルビアというのはどういう意味ですか。──いや、これ、なかなかだけど、例えば北海道のコンサドーレというのは、どさんこの逆さだそうでして、もうちょっとわかりやすくしてもらうと──ハイカラでいいのかもしれませんけれども。
 いずれにしろ、かつて、今J1に昇格しましたが、新潟のJ2にいたチームなどは本当に新潟の方々が育てられて、要するに、試合の中継をやるときは視聴率が地方だけでは七〇%を超したというんですね。これはやっぱり地方の結束感というものを醸成するのに非常に効果があったと思います。
 そういう点では、私は、こういう激しいスポーツを行う人も、見る人もそうですが、そこで人間が極限的な体力を発揮してやる妙技というものを行う、あるいはそれを拍手で見守る、要するに勝敗に喜んだり悔しがったりするということは、地域の振興力に大いにつながると思います。ですから、町田のサッカーチームが東京の魅力を彩る新しいブランドになることを望みますし、また、ぜひJ2に昇格されることを期待しております。


◯吉原委員 ありがとうございます。
 フットサルのプロチームも、町田にもペスカドーラというのがあるわけでございまして、サッカーが大変盛んであります。東京には本当にJ1で活躍している二つのチームがあるわけでありますけれども、全く地域から生まれてきた、地域の皆さんと一緒に生まれてきたサッカーチームというのはそんなに多くないわけでございまして、そういった意味では、ぜひ、J2に昇格していくような様子が見えてきたら、知事に後援会長などもやっていただくように要望しておきたいというふうに思います。
 町田に限らず、都内各地のそれぞれの取り組みは、東京を代表するブランドに飛躍する可能性を秘めているわけであります。都は、「十年後の東京」への実行プログラム二〇〇九で、都市の魅力や産業力で東京のプレゼンスを確立すると述べております。
 そこで伺いますが、先ほどサッカーの例を紹介いたしましたけれども、広い意味での東京ブランドをつくり出すための市町村のさまざまな取り組みに対しては、都としてこれを積極的に支援する必要があると考えておりますけれども、ご所見を伺います。


◯中田総務局長 地域の魅力を高め、そのポテンシャルを開花させるためには、都と市町村が相互に協力してそれぞれの課題に取り組んでいくことが重要であると考えております。
 都はこれまでも、産業、観光、スポーツ、文化などの分野で、地域資源を発掘、育成する市町村に対しまして、さまざまな取り組みによりこれらを支援してまいりました。
 今後は、このたび策定しました多摩振興プロジェクトも活用しまして、委員ご指摘のように、魅力のある地域づくりに取り組む市町村を積極的に支援してまいります。


◯吉原委員 ありがとうございます。
 東京の特産物の育成と支援についてお伺いをいたします。
 農産物でいえば、千葉の落花生、山梨では桃だとかブドウ、だれでも知っている農産物がすぐ頭に浮かぶわけでありますけれども、さて東京では、こういわれたら何でしょうか。すぐに頭に浮かぶとすれば、江戸川のコマツナ、いっときは途絶えましたが、復活の兆しを見せている練馬大根、ほかにも多々あるかもしれませんが、多くの都民が知っている特産物は数少ないと思います。しかし、実際には稲城のナシやブドウの「高尾」、東京ウドを初めとした、希少価値が高く、東京ブランドとして十分通用し得る農産物があります。
 これまで都として農業特産物の開発や生産に対しては支援をされてきたと思いますけれども、東京ブランドとして全国に普及するほどの努力は残念ながら不足しているのではないかというふうに思っているわけであります。
 また、都内の加工業者が知恵を絞り、開発をしてきた加工食品においても、安心して食すことができる表示として、都は東京のEマーク認証制度を立ち上げましたけれども、消費者に対しての広がりはまだまだ途上ではないかというふうに思います。
 地域で生まれた加工食品や農業特産物がさらに広がれば、地域の産業振興や農業振興にも大きく役立ち、地域に活力が生まれることにつながると思います。と同時に、生産者の意欲の高揚と住民の誇りにもなります。そのためにも、まず広く都民に認めてもらえるブランド力の向上への取り組みが必要ではないかと思います。
 例えば、都では各局でイベントを実施していますけれども、農林水産関係のイベントだけではなくて、局横断的なあらゆるイベントでの出店誘導の機会を産労局がコーディネート役として務めるのも一助ではないかというふうに思います。
 そこで、今後、都として特産農産物のブランド力を積極的に高めていくための方策が必要ではないかと考えますが、都の姿勢について伺います。


◯佐藤産業労働局長 都内には多くの特産農産物があり、これらのブランド力を高めていくことは、農業振興の観点から重要であり、地域の活性化にもつながるものと考えております。
 このため都は、農業改良普及センターが特産農産物等の生産に対する技術指導を行うとともに、魅力ある都市農業育成対策事業等によりまして、都内のさまざまな農畜産物を使ったアイスクリームやジャム等の加工品開発への支援を行ってまいりました。また、東京都農業祭や食の市、食育フェアなどで、特産農産物等の即売やパネル展示等を行い、広くPRを実施してまいりました。
 今後とも、各局や民間のイベントなどさまざまな機会をとらえまして、特産農産物等のPRを行うとともに、質の確保、向上や販路開拓の視点から、ブランド力を向上させる方策について検討してまいります。


◯服部委員長 吉原修委員の発言は終わりました。(拍手)