2010年3月29日月曜日

太田昭雄先生を偲ぶ


太田昭雄先生が逝かれてから1年が過ぎました。

3月27日には大勢の皆様がご参加になり先生を偲ぶ会が開かれました。また当日にはこひつじ幼稚園の豊田園長先生、浜松大学の田代先生が発起人で製作された太田昭雄先生を偲ぶ本も披露されました。先生と時間を共有されたそれぞれの皆さんとのエピソードが詰まったすばらしい本です。私も寄稿させていただきましたので、その一文を下記に投稿いたします。

「吉原君はいるかい?」東京都議会議員 吉原 修

「りんご食べろや」、「一杯どうだねぇ!」、「お茶のみに来た」「用事はないけど」等々・・・。いつも合言葉のように「吉原君はいるかい?」と言って、太田先生は私が事務所に居てもいなくても、時には汗をかきながら、時には帽子にコートを羽織り愛車の自転車にまたがってお立ち寄りをいただいました。

私のトレードマークは「ふくろう」ですが、いつものように自転車でお立ち寄りいただいたある日、開口一番「吉原君はふくろうになったかね?」。私は何の事かさっぱり解らずぽかんとしていると「都民の声をしっかり聞いているかね?」と太田先生。
2回目の改選時を迎えた私の事務所に飾りなさいと子供たちが描いてくれた「ふくろう」の絵をお貸し下さいました。殺風景なプレハブの事務所の外側を埋め尽くすように、実に沢山のふくろう。「頑張れよ!」と一言残し、いつものように自転車で太田先生はお帰りになりました。

何時も実の親父のように心にかけていただいた太田昭雄先生、決して忘れません。


2010年3月19日金曜日

【委員会】平成22年3月19日  平成22年_総務委員会


【委員会】平成22年3月19日  平成22年_総務委員会

2010.03.19 平成22年総務委員会 本文

◯吉原委員 自由民主党を代表いたしまして、付託されております第三十号議案、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例について申し上げます。
  インターネット、携帯電話に絡む青少年のトラブルの増加や、児童ポルノなど、児童の性を対象とするメディアのはんらんから子どもたちを守るためのこの条例は、早急に実施すべきであると考えます。
  しかし、この条例改正については誤解に基づく反対などがあり、一部の会派から、それに同調するかの意見も聞かれます。また、議論が尽くされていないとして継続審査を求める声もあります。
  二元代表制の地方自治制度の中で、議会の権能として、期限を付した執行条例案を継続審議とすることは理解できません。理解できませんが、一部会派を除き、本条例改正案の理念を共有するとのことであり、この条例改正を円滑に進めるためには継続審議もやむを得ないと考えます。
  なお、早期に審議を進め、早期の条例改正を図ることが議会としての責務であると申し上げ、発言を終わります。

2010年3月18日木曜日

【委員会】平成22年3月18日  平成22年_総務委員会


【委員会】平成22年3月18日  平成22年_総務委員会

2010.03.18 平成22年総務委員会 本文

◯吉原委員 それでは、私の方からも、このたびの東京都青少年健全育成条例の改正案について若干お尋ねをさせていただきたいと思います。
  今回、この条例の改正案に当たりまして、私のところにも、もう委員の皆様のところも全員そうだと思いますけれども、本当に、全国から多くのメール、あるいは手紙やはがきもたくさんいただきました。
  その一つ一つを見させていただくにつけ、さまざまなことが心配されている、あるいは、もう少し条例のことも理解をしていただいた上でメールや手紙もいただきたいなというような部分もたくさんあったわけであります。
  しかしながら、こうして条例を改正するに当たって、本当に多くの皆さんにそういった意識を持っていただく、このことは私は決して否定するものでもありませんし、やっぱりそのことが、私たちのこの東京にあって、民主主義的な、あるいは都民の福祉の向上にもつながるし、健全な東京都の建設にもつながっていくんだろうと、そういう意味ではまあまあよしとすべきかなというような思いをしております。
  もともと、もうこの条例は、青少年の環境の整備を助長するとともに青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止して、青少年の健全な育成を図ることを目的としている、こういった目的を持って昭和三十九年に制定されたものだというふうに理解をしているところでもございます。
  昭和三十九年といえば、私もまだ小学生でありました。この委員の皆さんでも、生まれていない方も複数、多分いらっしゃると思います。そういった中では、日本という国も、もちろん東京も大空襲がかつてあったわけでございまして、あの敗戦のときから現在の今日に至るまでの──世界では、日本はよく頑張った、短い期間の中で経済成長を遂げてきた、こういわれる日本に成長してきたわけであります。
  昭和三十九年といえば、結果はよくはありませんでしたけれども、東京オリンピックがありました──今回は、東京は、日本は残念でありましたけれども、三十九年というのはそういった、大変、節目の年であったなと。まして日本や東京にとっても、あの厳しい時代から何とかいい国をつくろう、近代的な経済的に強い国をつくろうと、そういって、かつての先人たちが、やっぱりそのためには子どもたちもしっかりとした教育の中で、あるいはルールの中で育っていくことが大切だ、そういわれてきて、この条例ができたんではないかな、私はそんな思いをしたところであります。この東京においても、やっぱりその時代その時代の青少年をめぐるさまざまな問題の解決に、私は、一定の大きな役割は果たしてきたというふうに思っているところでもございます。
  今回の条例改正に当たりまして、大きく分けて二つの項目があります。一つ目は、インターネット利用環境等の整備について。もう一つが、児童ポルノ及び青少年をみだりに性の対象として扱う図書類等について、こういうことでございます。
  まず、二つ目の項目の中にもあります不健全図書指定の制度、仕組みについては、先ほどお話をさせていただきましたけれども、昭和三十九年に条例が成立した時点からあったわけでございまして、今日までこの条例も計五回の改正がありました。しかしながら、その内容については今日までほとんど変わっていないわけであります。
  子どもにとって有害な図書を子どもたちの目に触れさせないようにするものですけれども、条例制定当時は、いわゆる卑わいな図書類には写真も多く入っていたようにお聞きをしております。
  ところがその後、そういった写真中心の本は、出版社の皆さんあるいは発行所、発行をされた皆さんだと思いますけれども、自主規制などによって子どもたちの目に触れることはなくなってきた。そして現在では、不健全図書として指定されるものはほとんどが漫画だそうであります。
  またその内容も、卑わいなものだけではなくて、残虐なものや、あるいは自殺や犯罪を誘発させるようなものも入ってくるようになったわけであります。こういったものはいずれも、子どもが見る必要がないんではないか、私自身もそう思っているわけでございまして、本来、大人が常識的な行動をとっていれば、こうしたものを条例で規制しなくとも、子どもが見ることはないんではないかなというふうに思います。
  ただ、残念ながら現実には、いろいろな口実をおつけになったり、あるいは子どもに見せなくてもよいものを売りつける大人の人たちもいないわけではありません。そういった状況の中にあって規制せざるを得なくなるわけでございまして、それを、子どもの選択だとかあるいは判断だとか子どものせいにする、このことは大人の責任としていかがなものなのかなというふうに思います。
  同様の条例も、長野県ただ一県を除いてほかのところは全部、東京はもちろんでありますけれども、道府県も、もう制定をされているわけでございまして、東京は民主主義の基本はしっかり守っている、そういってもよろしいんじゃないかなというふうに思います。
  なぜかというと、規制の対象を条文でできる限り明確にしているというふうに私も理解をしておりますし、その手続も、先ほど来いろいろ議論もあったわけでありますけれども、第三者の意見等を事前に聞いて、さらに発行所なんかも含めて、事前規制ではなくて、出版された後に規制をかける事後規制ということであります。さらには、まず業界団体の自主的な取り組みを促した上で、そこから漏れた著しく悪質なものを不健全図書に指定するようにしているわけであります。
  また、そうした漫画やアニメのうち、子どもを強姦してしまう、あるいは近親相姦をしているというようなものなどを、積極的に、これはいいものだと、こんなような感じを抱かせるような、また受けとめ方をさせるようなものも、これまで著しく残虐なものとか自殺や犯罪を誘発するようなものにしてきたのと同じように、不健全図書に追加してしまおうということだと私は理解をしております。
  したがいまして、ちまたでいわれております、あるいはメールや手紙や先ほどお話ししたはがきも含めていろんなことをいわれているわけでありますけれども、多くの皆さんがいわれているような、裸の入った漫画あるいはアニメをすべて規制してやろうというような意識はないんじゃないか、私はあの条文案も見て、そんなことを感じているわけであります。
  当然、委員の皆さんもこの条例案を審議するに当たりまして、さまざまな資料というものもごらんになったというふうに思っているわけでありますけれども、だれだってああいうものを見たら、子どもには見せたくない、できるだけそういうものは、権利はあるけれども子どもたちに見せるような場所に置いていいのか、本来はそういうことを皆さん本当に感じておられるんじゃないでしょうか、というふうに私は思っているわけでありますけれども、こういった社会の常識が当然求めているものを、私は、規定したものにすぎないというふうに思っています。こうした漫画、アニメを子どもが自由に見ることができる、このことこそ問題だと思うわけでありまして、そういう思いを持つのは、まさに普通の感覚、常識だと、こういうふうに思っているわけであります。
  こうした、今までお話ししたようなことを放置してしまうということが続くということになりますと、行政はもちろんでありますし我々議会もそうでありますけれども、こうした漫画やアニメにかかわる作家の皆さんやあるいは出版、発行所、そういった皆さんも、やっぱり社会から大きな批判を受ける、こういうことは、私は間違いないなというふうに思います。
  現にこの間も、数日前に、公立小学校のPTAの皆さんや、あるいは私立のお母さんやお父さん、そういった父母の会の皆さんもお越しをいただきました。多分皆さんのところも、各会派、回られて、その皆さんの主張もお聞きになったんだろうというふうに思うわけでありますけれども、私自身は、ああいったPTAの皆さんや、実質自分が子どもさんを抱えているお父さんやお母さんの話を聞くと、ごくごく自然だなというふうな思いをせざるを得ません。
  だから、メールや手紙やはがき、そういったところにさまざまなことを書いていただいておりますけれども、本当にそうなのかということを、どこでどういう人たちがどういう形で確認をして、そういう文章なり発言をしてきたのかなと、本当に疑問に思っている一人であります。
  こうした今回の条例の仕組みが、逆に出版団体や作家の皆さんの存在を守って、今日の漫画やアニメの世界が発展するような隆盛を裏で支えてきたんではないかなというふうに思うわけであります。それは、やっぱりアニメも漫画も、今や全世界では、日本の漫画はすごい、アニメはすごい、こういった高い評価をいただいているわけでございまして、そういった意味では、作家の皆さんや出版社の皆さんも一定の意識を持って今日まで対応されてきている、そういうふうに私も、その部分は理解しているわけであります。
  しかし、今回の改正について、表現の自由を侵害する、こういう根強い反対もあるわけでございまして、人によっては、条例そのものが憲法違反だ、こういわれる方も少ないわけではありません。
  ただ、先ほどもお話ししましたように、基本的な規制の仕組みあるいは手続は従来と変わっていないわけでございまして、あえていわせていただくと、この条例の不健全図書指定制度によって表現や創作の自由を奪われた作家や、出版の自由を制限された出版社は、本当に今日まであったんでしょうか。多分そういう声は、そうないんではないかなと理解します、私、個人的には。そういうふうに聞いているわけでございます。
  この条例で定める不健全図書指定制度は何を目的としているのか、まず先にお尋ねをいたします。
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◯浅川参事 本制度の目的でございますが、青少年の健全な成長を阻害するおそれがある図書類を不健全図書類として指定することによりまして、これらの図書類を青少年が閲覧する機会を制限することにございます。
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◯吉原委員 この条例の不健全図書指定制度の仕組み、そして指定されるまでの事務の流れを、自主規制も含めてわかりやすく説明していただけますか。
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◯浅川参事 都は、表現の自由、出版の自由との兼ね合いから、青少年の健全な育成を阻害するおそれがあると思われる図書類を青少年の目に触れないようにするための取り組みにつきましては、図書類発行業者や、その属する自主規制団体による自主的な取り組みを最大限尊重するというスタンスをとってきてございます。
  この自主的な取り組みと不健全図書指定制度によりまして、販売の現場におきましては、青少年への閲覧、販売の制限や区分陳列が適切になされるなどの成果をおさめております。
  東京都の不健全図書指定制度は、一つ一つの図書類を審議して知事が指定する個別指定方式を採用してございます。
  知事は、青少年の健全な育成を阻害するおそれのある図書類、これは書籍、雑誌、図画、写真、ビデオ、DVDにつきましてはゲームソフトなどでございますが、これを不健全図書類として指定することができまして、その指定基準は、著しく性的感情を刺激するもの、甚だしく残虐性を助長するもの、著しく自殺もしくは犯罪を誘発するもののうち、施行規則に該当するものとなってございます。
  不健全図書指定の流れにつきましては、まず都が、青少年が自由に立ち入ることができ、かつ何の制限もなく図書類を手に取って閲覧することができる一般書店やコンビニエンスストア等で指定基準に該当すると思われる図書類を購入し、指定すべき図書類の選別を行います。そして、選別した図書類につきまして、自主規制団体、これは出版倫理協議会とか首都圏新聞販売懇談会、日本フランチャイズチェーン協会などでございますが、そうした自主規制団体から意見を聴取しその意見を踏まえ、業界関係者、青少年の保護者、学識経験者などで構成される青少年健全育成審議会に知事が諮問を行い、審議会の答申を受けて、知事が不健全図書として指定し、告示することとなります。
  指定の効力といたしましては、青少年への販売、頒布、貸し付けの禁止、陳列する際の包装、これはビニール包装とか十字ひもかけでございます。あと、区分陳列の義務が生じることとなります。
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◯吉原委員 だからこそ、青少年の目に触れないような、そういった措置の意義というものを多くの皆さんが理解していたからこそ、この制度、条例というものが今日まで続いてきたんじゃないでしょうか。
  それでは、不健全図書の指定の現状についてお伺いをしたいと思います。
  年間、どのぐらい不健全図書に指定されているのか。それは具体的にいうとどんなような図書があるのかも、あわせてお願いいたします。
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◯浅川参事 不健全図書類の指定状況につきましては、平成十八年度は二十九冊、平成十九年度は四十冊、平成二十年度は三十六冊、平成二十一年度は三十二冊の図書類を指定しており、その年によって違いがあるものの、おおむね三十冊から四十冊の図書類を指定してございます。
  平成十八年度からの四年間で合計百三十七冊の図書類を不健全図書として指定しておりますが、そのうち、百十九冊が漫画となっております。
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◯吉原委員 今ご答弁いただきましたように、これまでの四年間で百三十七冊の図書類を指定してきた。そのうち、漫画が何と百十九冊だと、こういうお話でございます。
  今のお話、当然のことながらいうまでもありませんけれども、漫画は既に不健全図書指定の対象となっているわけでございまして、漫画が今回初めてこのような不健全図書の指定の対象になったかのようにいわれている人たちもいらっしゃるようでありますけれども、これまでの条例についても理解していただいていなかったというような方が、こういわれてきたのかなというふうに思わざるを得ない部分があります。
  このことが何といっても、漫画も、今回初めてではなくて、今まで既にその指定の対象となっているということが、まさに新たな改正案にとっても重要なことでございます。そうした理解の上で、今回の改正は、これまでの対象に、非実在青少年、こういうふうに規定されるものを新たに加えるものと理解をしているわけでありますけども、この非実在青少年とはどのようなものなのか、そしてなぜ加えるのか説明してください。先ほど若干ありましたけれども改めてお願いしたいと思います。
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◯浅川参事 第七条の二号に新たな概念として定義された非実在青少年とは、十八歳未満と表現されていると認識されるものであり、年齢または服装、所持品、学年、背景など、人の年齢を想起させる事項の表示またはこれらの事項の音声による描写から、明らかに十八歳未満として描写されているものに明確に限定をして定めております。
  今回、この非実在青少年を相手とする、または非実在青少年による性交または性交類似行為をみだりに肯定的に描写したものを不健全図書類の対象に追加した理由は、これらの漫画等を目にした青少年が、このような性交または性交類似行為を、それが当たり前のことであり、皆がこのような行為をしているんだという、性に対する誤った認識を持つことによりまして、性に対する健全な判断能力の形成を阻害されるおそれがあるということを理由とするものでございます。
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◯吉原委員 数日前に都庁で、漫画家の皆さんがお越しいただいて記者会見をされたそうであります。
  新聞に載っておりましたからいいと思いますけれど、里中さんや、ちばてつやさんや、あるいは永井豪さん初め、ちょっと人数は、我々のところにはお越しいただけなかったものですからどういう人たちが来たのかよくわかりませんけれども、とにかく記者会見をされたようであります。
  そのときに、永井豪さんはこんなことをいわれていたようであります。
  これは新聞報道でございますので、多分間違いはないなと思いますけれども、四十年前にこんな条例があったら、「ハレンチ学園」という作品も世に出せなかっただろうと話していたそうであります。
  四十年前でございますので、昭和四十五年ごろでしょうから、もう既にこの条例はあったんだろうと思います。
  きょう、大方の皆さん、若い人たちは見ていないかどうかわかりませんけれど、「ハレンチ学園」は見られた方もたくさんいられると思います。委員長も見られましたか。本当に人気のあった漫画だというふうに思っておりまして、私も昔は読んだことがございます。しかし、確かに裸が出てきたりはしておりましたけれども、性交があったかどうかなんていうふうな思いは、その当時は余り記憶に今ないんですけれども、なかったように思っているんですね。
  例えばの話でありますけれど、具体例を挙げないとなかなかわかりにくい、こういうお話もありましたので、今お話をさせていただきました「ハレンチ学園」という作品、日本の皆さんにはこよなく愛された漫画の一つだろうというふうに思いますけれども、こういった作品が、今回の新たな基準に照らし合わせたときに不健全図書として指定されるようなものなのか、お伺いをいたします。
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◯浅川参事 委員お話しの内容でございます場合、不健全図書類等の指定といたしましては、第八条に新たに追加する基準として強姦等、著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写したものというものがございまして、委員のお話の関係からは、これには到底該当しないというふうに考えられますので、不健全図書には該当いたしません。
  また、現行条例においても、委員のお話の内容であれば、不健全図書には該当しないというふうに考えられます。
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◯吉原委員 あわせて、三月十七日ですから、きのうの新聞に出ておりました漫画家の竹宮惠子さん、この方は京都の精華大学のマンガ学部の部長を務められているようであります。
  竹宮さんが代表作を幾つかかいておられるんだろうと思いますけれども、私ちょっと存じ上げていないんですが、代表作の一つに「風と木の詩」、こういうものを発表され、一九七〇年代、こういうふうに書いてありまして、一世を風靡した、こういう記事が載っておりました。この続きがあるんですけれども、この作品についてはご案内でしょうか。
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◯浅川参事 文庫版で拝見させていただきました。
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◯吉原委員 そうしますと、今、ご案内だということでございます。竹宮さんが、この衝撃的な題材を取り扱った背景には危機感があった、当時、女の子は余りにも性の情報から隔離され男女が平等ではなかった、無知のまま現実に直面する前に、愛情のない性行為や強姦のような性暴力など、さまざまな性の形があると知ってほしかった、こういうふうにコメントをされております。
  その前後にもいろいろ記事に書いておられるんだろうと思いますけれども、例えばこの文面からすると刺激的な作品であったように私自身は感じたんですが、「風と木の詩」ですか、写真も載っているんですけれども、この作品もこういった不健全図書に指定されるように値するんでしょうか。
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◯浅川参事 まず、描写そのものについて申し上げますと、裸の少年が折り重なっているシーンはございましたが、ある意味ではその程度のものにつきましては、みだりに性的対象として肯定的にかいたというものには該当しないというふうに考えております。
  また、そもそものストーリー性といいますか、そういうストーリーの内容というものが非常に重要でございまして、性交場面でもって読み手の性欲を専ら満足させる目的でかいたような漫画というものは対象になりますが、この竹宮さんの作品につきましては、そういう目的でかかれたものでは全くございませんので、これは到底該当しないというふうに思っております。
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◯吉原委員 今、たまたま二つ、「ハレンチ学園」と「風と木の詩」ですか、お話をしました。
  たまたま、うちの会派に来る新聞の中にも見開きで出ていたものですから、ちょっとお尋ねをさせていただきました。ぜひ、皆さんも心配事があるようであれば、購入して見ていただければいいと思います。
  先ほども何度かお話をさせていただきました、基本的な規制の仕組みや手続は従来と変わっていない、こういうことでありますので、確認の意味でお伺いをさせていただきますけれども、こうして新たに対象となったものを不健全図書に指定する事務の流れは一体どういうふうになるのか、教えていただけますか。
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◯浅川参事 先ほどご答弁いたしましたように、現行の不健全図書の指定の流れと全く変わることはございませんで、東京都青少年健全育成審議会の審議を経るなど、極めて慎重な手続を経て行うものでございます。
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◯吉原委員 ただいまの答弁にもありましたように、今回新たに対象となる非実在青少年も、これまでと同様、まずは自主規制。そして、ひどいものに対しては限定して不健全図書に指定という、これまで認められてきた手続の中で取り扱われる、こういうことであります。
  私は、今回の条例改正に当たりまして、当然のことながら青少年の健全育成を図るために当たり前のことだなというふうに思います。一部には、一部にはというのは、いただいたメールの中にいろいろ書いてありましたけれども、憲法第十九条あるいは二十一条、九十四条に違反だと、こういうふうに主張をする人がいるわけであります。
  それではお伺いをしたいんですけれども、今日までこの条例というものも運用をされてきたわけであります。もしこれまでと変わらない手続、あるいは仕組みが変わらないということであれば、じゃあ条例そのものは、一体、憲法違反であったにもかかわらず今日まで続いてきてしまったのかな、こういうふうに思わざるを得なくなってしまうわけであります。こうした憲法違反だと主張する皆さんに対する見解を教えていただきたいと思います。
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◯浅川参事 創作物を含め、青少年の健全な育成を著しく阻害する図書につきまして、これについて青少年への閲覧を制限する制度は昭和三十九年の青少年健全育成条例制定時から存在しており、また全国的に見ましても、長野県を除くすべての県で制度化されております。
  岐阜県の同種の条例に係る最高裁判例におきましても、青少年の健全育成のために青少年の閲覧を制限するそのような制度は、表現の自由を保障する憲法第二十一条に違反するものではなく、合憲であるというふうに判示されております。
  今回の条例改正案につきましても当然、現行条例の枠内にあり、憲法に違反するところは全くございません。
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◯吉原委員 わかりました。
  そういうことで、また一人でも多くの皆さんが、そういう誤解を解いていただけるような、そういうふうになってもらえればありがたいなと思います。
  私たちのこの日本、もちろん東京もそうですけれども、民主主義国家の中に我々は生活しているわけでございますので、それぞれさまざまなご意見があると、これは当然だろうというふうに思います。
  しかし、私たちは、それぞれの選挙区の皆さん、有権者の皆さんからこの東京都議会の議席をお預かりしているにすぎない代弁者でございますので、そうした代弁者の皆さんが構成しているこの議会というところに都民の皆さんが求められているのは、何といっても、一つは文化や芸術の発展はもとよりでありますけれども、都民福祉の向上、あるいは健全な社会の建設にあるわけだろうなというふうに、私はそう思っています。
  そのためにも、良識ある判断を我々一人一人がしていかなければならないわけでございまして、昨日の新聞報道によりますと、民主党の皆さん初め複数の会派の皆さんも、少し意思表示が別の形で、というようなニュアンスの新聞もありました。
  今回のこの条例は青少年を守ることを目的にして提案されている条例でありまして、現在でも起こっている被害の拡大を抑止するためには、やっぱり何といっても一日も早く成立させるべきであり、そのための努力を我々は惜しんではならないんではないかなというふうに思うわけであります。
  しかも、知事からといいましょうか、行政側から我々議会に対して提案をされた案件でありますから、やっぱり議会のルールとしては当然のことながら、請願や陳情ではありませんから、賛成なのか反対なのか、賛否は、しっかりとその意思を持つということは、議会人にとっては当然のことだろうなというふうに思うわけでございます。
  もし昨日のような民主党さん──きのうは民主党さんだけだったと思いますけれども、そういう判断があるとするならば、それは都民から負託を得てこの議会の中で代弁する立場の、都民のさまざまな意見やそういったものを代弁する立場の議会人としては、いかがなものなのかなということを思わざるを得ないわけでございまして、あしたが採決の日、こういうふうになっているわけであります。
  先ほど議員からも、小山議員でしたか、審議の話もありました。いろいろなことがあると思いますけれども、またそれとは別に、第一回定例会の中でも日程は日程で組まれているわけでございまして、皆さんも、今日に向かっての意見はこれからもまだ幾つもあるわけでございますし、さまざまなご意見をいただけるんだろう、そんなふうに思っているわけでございますので、ぜひ議会人として、私は、イエスなのか、賛成なのか反対なのかという意思表示は、ぜひ最後には出していただきたいなというふうに思っているところでもございます。
  そのことだけを申し上げまして、我々はとにかく良識ある判断をしなければならない、子どもたちに対してどういう環境づくりをしていくか、このことを議会でまたしっかりと協議をしながら、激論を飛ばしながら、私たちのこの日本の中にあって、東京の中にあって、将来に向かってつくっていく役割を果たさなければならない、子どもたちに対しての対応というものは、我々は、良識を持った判断の中にしかない、こういうふうに思っているわけでございますので、どうぞ民主党の皆さんも、よき判断をいただきますように再度お願いをいたしまして、私の質問を終わります。

2010年3月3日水曜日

【本会議】平成22年3月3日  平成22年_第1回定例会


2010.03.03 平成22年_第1回定例会(第3号) 本文

◯八十九番(吉原修君) まず、教育について伺います。
  教育は国家百年の計といわれるように、国づくりの基本であり、次代を担う人材を育成することは国家的な課題であります。
  国は、これまで子どもの学力向上や豊かな心をはぐくむとともに、教員の資質、能力の向上を図るため、全国学力テストや心のノートの配布、そして教員免許更新制度など、さまざまな教育改革を進めてきました。
  にもかかわらず、民主党の最高幹部が、驚くことに、私は永遠に日教組の組合員であるという自負を持っている、さらには、いよいよ日教組の出番だと思っているとまで公言し、民主党政権にかわった途端、その支持母体である日教組の主義主張に同調して、今日まで多くの国民の信頼と期待のもとに進めてきた教育改革を後退させようとしています。
  これまでにも、国旗の掲揚や国歌の斉唱に反対するばかりではなく、道徳教育について、例えばあいさつなどの礼儀や「仰げば尊し」のような卒業式の式歌でさえも、国家権力による価値観の強制や戦前の教育への回帰、あるいは封建主義などと反対しています。
  このたびの事業仕分けという大義名分のもとに、学力調査を悉皆方式から抽出方式に変更したり、子どもたちの豊かな心をはぐくむために欠くことのできない道徳教材である心のノートの全員配布をやめたりするなど、日教組の政策制度要求と提言で示されている主義主張を取り入れた施策に転換したといわざるを得ません。
  こうした一連の動きは、これまで国が推進してきた教育改革を後退させるばかりか、今後の我が国の教育に重大な影響を及ぼすものと思います。
  そこで、今後の我が国の将来を担う子どもたちの教育のあり方について、どのようにお考えでしょうか。知事の所見を伺います。
  知事は、施政方針で江戸以降の歴史を学ぶことの重要性を力説されました。これまで江戸時代といえば、厳しい身分制度と重税に苦しめられた農民が一揆を起こしたことなど、暗い部分が強調されてきたように思いがちです。
  しかしながら、江戸・東京は、物価は安定し、江戸里神楽一つをとっても、独自の庶民文化がはぐくまれた、豊かな時代でありました。江戸からの歴史を見直すことは、江戸時代の日本が識字率や教育水準の高さなど、日本人が世界に冠たる知識や制度を有していたこと、我が国の近代化の兆しが江戸時代に始まったことを再認識することにもつながります。
  そこで、知事は、現代の日本の若者に対して、どのような歴史教育が必要と考えておられるのか、お伺いをいたします。
  国際社会に生きる日本人として、外国語などの学習はもちろん必要ですが、そのベースとなるのが、我が国の歴史を基本知識として、すべての高校生が学習することは重要であります。しかし、現実には、高校生の段階で自国の歴史をきちんと学習する機会もなく、卒業する者もいると聞いております。こうしたことが我が国の歴史をしっかりと理解していない若者を生んでいるのではないでしょうか。
  そこで、現在の高校の学習指導要領における日本史の位置づけと、都立高校における日本史学習の現状がどうなっているのか、お伺いいたします。
  都教育委員会では、平成二十四年度から都立高校での日本史必修化を表明しました。教育委員会は、日本史の必修化に向けて取り組み、東京都としてその決定をしたことは、高校での日本史教育を推進する上で大変意義あることと考えます。
  この日本史必修化を機に、高校での歴史教育の重要性が見直され、若者たちの日本人としての自覚も高まっていくものと思います。
  また、江戸・東京を切り口として、近現代史を学ばせる東京独自の日本史科目「江戸から東京へ」を取り入れ、都立高校における日本史必修化を進めると聞いております。
  そこで、都立高校において、どのような方法やスケジュールで日本史必修化を進め、また東京都独自の日本史科目とはどのような内容なのか、お伺いをいたします。
  次に、文化の継承と発展について伺います。
  江戸というと、一般的には、西は四谷、大木戸、東は本所、深川という、いわゆる御府内のイメージであり、今でいえばおおむね二十三区に相当するものと思います。その江戸の発展を支えたのは、多摩であることを忘れてはなりません。江戸前の魚とともに、多摩の農産物が江戸の食卓をも飾りました。江戸が世界に類を見ない清潔な都市であったのも、玉川上水が運ぶ清浄な水であり、多摩の農業と組み合わさった、し尿処理、リサイクルのシステムなのであります。
  すばらしい歴史を持った多摩を、次の時代へ、さらに発展した形で引き継いでいかなければなりません。そのためには、多摩の特性や可能性を十分に踏まえた政策を実行していくことがとても重要です。
  先月、多摩テクノプラザが開設されたことは、最先端技術やものづくり産業が集積し、大学、研究機関が多数集まる多摩の特性に応じた施策であり、多摩シリコンバレーの形成に向けた大きな力になると思います。
  また、来年度から隅田川ルネサンスが開始されますが、多摩川では既に「たまリバー五十キロ」が整備され、新しいにぎわいづくりが進んでおります。
  平成二十五年には、多摩・島しょ地域を中心とした東京国体が開催されます。と同時に、多摩が東京に移管されて以来、百二十年の節目の年にも当たります。まさに、多摩地域全体のアイデンティティーを高めていくための絶好の機会であり、この年に多摩の持てる力を十分に引き出し、全国に発信していくことは、東京全体の魅力を高め、発展させていくことにもつながります。
  そこで、この平成二十五年という多摩地域にとって節目の年に、歴史や文化を伝える取り組みを行うなど、多摩の魅力をみずから考え、発信できるような新たな取り組みを早期に検討すべきと思いますが、所見を伺います。
  次に、高齢者施策について伺います。
  我が党は昨年九月、少子・高齢化政策推進本部を立ち上げ、少子高齢化問題に会派を挙げて取り組んできました。
  高齢化政策推進部会では、東京の高齢者が生き生きとして安心できる社会の構築を目指して、就労、住宅、医療、介護、四つのテーマを設定し、さきの十二月定例会には、早期に実現すべき緊急性の高い特別養護老人ホームに対する経営支援と、高齢者就業施策の実現について緊急提言を行ったところであります。
  その特別養護老人ホームへの支援について伺いますが、都は昨年六月、都内の特養における医療的ケアの実態調査を実施し、ほぼすべての施設において、胃瘻、経管栄養などの処置が行われていることがわかりました。
  こうした入所者への対応として、各施設では、国の基準以上の看護師を増配置するなどの努力をしていますが、特養では簡易な医療提供は想定されているものの、看護職員については日常的に夜勤の配置がされていないのが現状であります。
  そこで、こうした医療的ケアが必要な方々を受け入れた特別養護老人ホームに対する今後の支援策について所見を伺います。
  さて、高齢化対策では、介護人材の確保、育成も重要なテーマです。
  我が党は十二月定例会において、将来に向けた介護人材の確保策について主張し、都はそれを受け、離職者などが働きながら介護福祉士等の資格の取得ができる介護雇用プログラム事業を開始しました。
  先日、この事業に参加する介護事業者を公募したところ、多くの事業者から応募があり、すぐれた事業計画を提案した事業者を承認したと聞いています。しかし、今回承認を受けられなかった事業者や、応募する機会を逃した事業者からは、もっと質の高い事業計画にしたいとか、準備する時間がなかったといった声があるのも、また事実であります。
  そこで、こうした要望にこたえて、この介護雇用プログラム事業をさらに拡大するべきと考えますが、所見を伺います。
  次に、地球温暖化対策について伺います。
  地球温暖化対策は、将来に向け、我々世代が責任を持って果たさなければならない重要な課題であります。昨年末のCOP15では、残念ながら先進国と途上国との溝が埋まらず、十分な成果を上げることはできませんでした。
  鳩山首相は昨秋、主要排出国の参加を得ることを条件に、二〇二〇年までに一九九〇年比二五%削減と、目標だけは高く掲げられました。この削減目標は、都の目標である二〇二〇年までに二〇〇〇年比二五%削減より厳しいものとなっていますが、いまだどこまでを国内の削減で達成するかなどの基本的な考えや具体的な方策について示されそうにありません。
  こうした大言壮語の中身のない政府の対応を待つことなく、これまで積み重ねてきた都の温暖化対策の柱ともいうべき都市型キャップ・アンド・トレードが、この四月、削減義務期間の開始を迎えます。
  都の制度は、世界の都市におけるキャップ・アンド・トレードのモデルとなるものとして、制度構想の公表以来、国や他の自治体のみならず、世界じゅうからも問い合わせが多いと聞いています。
  そこで、都の制度に対する内外の反響について伺います。
  都の制度は、日本では初めてであり、オフィスビルをも制度の対象とする点では、世界で初めての制度であります。これを円滑に実施に移し、削減の実績を上げてこそ、他への模範足り得るものと考えます。まさに我が国の今後の温暖化対策の趨勢を決する重要な試金石といっても過言ではないと思います。
  しかし、この制度をスムーズに進めるためには、何といっても事業者側の理解を求めていくことが不可欠であります。そこで、制度の実施を直前に控え、対象事業所にとってのメリットを確認するとともに、実施に向けた都の取り組み状況について伺います。
  また、これからの温暖化対策を進めていく上で、中小規模事業所において環境価値、いわゆる中小クレジットを認めるという仕組みは極めて重要です。中小規模事業所に経済的なメリットを与えて、その削減を促進させるとともに、それを義務履行に活用できるとしているキャップ・アンド・トレードにとって、その円滑な運用に欠くことのできない要素であります。
  そこで、都制度における中小クレジットの特徴と、クレジット創出に向けた今後の進め方についてお伺いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔知事石原慎太郎君登壇〕
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◯知事(石原慎太郎君) 吉原修議員の一般質問にお答えいたします。
  今後の子どもたちの教育のあり方についてでありますが、かつて日本には、謙虚であるとか自己犠牲、勇気といった武士道にも象徴されるさまざまな美徳が項目としてうたわれておりました。
  戦前は、教育のあり方を示した一つの規範として教育勅語というものがありましたし、中でも孝行であるとか友情であるとか謙虚といった普遍的な価値をいわばアイテムとして暗唱することで、子どもたちはこれを覚えてまいりました。これを古いというのは、私は必ずしも当たらないと思います。普遍的な価値は、子どものときから、いわば刷り込みという形で教育すべきものだと思います。
  例えば、非常に数学に関して平均的に高い数字を持っているインド人は、日本などと違って、高級の学校では、何と九十九までの九九──九九というんでしょうか、日本人が教わっている九九は、せいぜい九、九、八十一ですけれども、インドでは、下は、つまり二十三掛ける二十四とか二十三掛ける二十五、二十五掛ける二十五まで、上は九十九掛ける九十九までを、掛け算の教育じゃなくて、お経を暗唱するみたいに、とにかく暗唱して覚えている。
  ですから、インドのまちで買い物しましても、普通の店員がおつりを間違えないという顕著な、要するに表示があるわけでありますが、戦後、立場を超え、世代を超えて持ち続けるべき、いわば垂直な価値の基軸が毀損されまして、履き違えられた自由と権利が日本全体を損なってきたと思います。
  郷土や国家、伝統や文化というものを離れて、我々が日本人として存在することはあり得ず、これを本質的に立て直していく努力をしなくてはならないと思っております。
  日本の自然と文化の中に培われ、古い時代から一貫して続いてきた日本人の特質を、現代から未来にかけて子弟につないでいくことは、私たち大人の責任であると痛感しております。
  次いで、現代の若者に必要な歴史教育についてでありますが、本来、歴史教育とは、その国の風土を慈しみ、先人たちの功罪を学びながら、功の部分を今後どう生かすかを考えさせるものだと思います。
  そのためには、まず正確に歴史として存在した事実を教えることが必要であると思います。それによって子どもたちは、みずからそれについて考える力を身につけていくと思います。その結果、その国と先祖同胞の逸材をこよなく愛するという姿勢もはぐくまれてくると思います。国家的なるものへの愛着、敬意を附帯させない歴史教育というのは、私は意味がないと思います。
  国際社会において、自分のよっている国、日本を誇りとして、日本人としての気概を持って、その心意気を広く発信できる資質を若い人たちは備えていく必要があると思います。だからこそ、日本の若者は自国の歴史をしっかりと学ばなければならぬと思います。
  私、かつて知己を得ました、第二次世界大戦のときの世界のエース、エースというのは、敵味方離れて、その戦いの中で空軍で一番たくさんの敵機を撃ち落とした、第一次大戦ではドイツのリヒトホーフェンでありましたが、第二次世界大戦では日本の坂井三郎さんというパイロットでした。
  この方から話を聞きましたが、彼が、まあ、亡くなりましたけれども、亡くなる二、三年前に、中央線に乗っていたら、目の前で、昼前でしたけれども、三多摩の方の大学に通っていく大学生が話をしていた。黙って、瞑目して、とにかくその話を聞いていましたら、そのうちに話題が移って、片方が片方に、おまえ、知ってるか、六十年前、日本とアメリカは戦争したんだってよといったら、片方が、うそっていうから、本当だよと。片方が驚いて、じゃ、どっち勝ったのと聞いたと。
  これは悲痛な話であります。聞いた人が、あのアメリカも尊敬して、私の知っている、記者クラブにも講演に招いたような坂井三郎さん。だから、いたたまれずに、次の駅でおりて、ホームの端っこで、たばこを二本続けて吸ったそうであります。
  こういう歴史に関するみじめな現況というのは、恐らく世界にはないと思います。日本だけでしょうね。こういったものを立て直さないと、私たちはこの国の将来を大きく失うことになるんじゃないかという気がいたします。
  他の質問については、教育長及び関係局長から答弁します。
    〔教育長大原正行君登壇〕
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◯教育長(大原正行君) まず、学習指導要領における日本史の位置づけと都立高校における日本史学習の現状について申し上げます。
  文部科学省が定めた学習指導要領において、中学校社会科の歴史的分野では日本史を中心に学習することとされているために、高校では世界史のみが全生徒の必修となっており、日本史については、地理か日本史のいずれかを選択すべきものとされております。
  しかし、中学校においては、各時代の特色をあらわす基本となる歴史的事項を中心に学習するにとどまっており、都教育委員会は、日本の歴史の価値を十分認識させるためには、高校生に日本史を継続して学ばせることが必要であると考え、全都立高校における日本史の必修化を決定いたしました。
  また、都立高校における日本史学習の現状につきましては、全生徒が日本史必修となっている学校や、一部の生徒が日本史必修となっている学校のほか、日本史を未設置の学校もございます。
  生徒について見ますと、本年度の卒業生約四万人について申し上げますと、約七六%、三万五百人の生徒が日本史を学習して卒業する一方で、約二四%、九千五百人の生徒が日本史を学習しないまま卒業することとなる、こういう状況にございます。
  次に、都立高校における日本史必修化の方法とスケジュール及び東京都独自の日本史科目の内容についてでございます。
  都教育委員会は、平成二十二年度に東京都独自の日本史科目を開発し、平成二十三年度に日本史必修化協力校を設置して試行実施いたします。さらに、各学校に対して、学習指導要領にある日本史科目あるいは東京都独自の日本史科目のいずれかを生徒全員が必ず学習するカリキュラムを作成するよう指導し、平成二十四年度から全都立高校で日本史の必修化を実現してまいります。
  また、東京都独自の日本史科目については、これは江戸開幕から現在に至るまでの日本の近現代史を、江戸・東京の変遷を切り口として学ぶ科目でございまして、現在の東京に残る史跡ですとか文化財等を活用し、地理的視点も踏まえて総合的に学習するものでございます。
    〔総務局長中田清己君登壇〕
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◯総務局長(中田清己君) 多摩の文化の継承と発展に関する取り組みについてお答えいたします。
  東京国体が開催される平成二十五年は、多摩地域にとって、過去の歴史を踏まえ、未来を展望する上で大きな節目の年と認識しております。
  この年に、多摩の歴史や文化を伝えることにより、多摩地域に住む方々が、その多様な魅力や特色につきまして振り返り、地域発展の原動力としての意識を高めることは、ご指摘のとおり時宜にかなったものであり、意義深いものであると考えております。
  こうした動きを地域全体で盛り上げ、さらなる活力と魅力にあふれる多摩を実現していくため、関係局や市町村とも連携し、多摩の多様な魅力をとらえ東京内外に発信するための取り組みにつきまして検討してまいります。
    〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕
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◯福祉保健局長(安藤立美君) 二点についてお答え申し上げます。
  まず、特別養護老人ホームへの支援についてでありますが、特別養護老人ホームの中には、胃瘻や経管栄養などの医療的ケアを必要とする高齢者を受け入れるため、職員配置や勤務時間の変更など、さまざまな工夫を行っている施設もあります。
  こうした施設の努力を適切に評価するため、来年度から、特別養護老人ホーム経営支援事業において、一定の看護職員配置などを条件に、医療的ケアが必要な入所者の多い施設を対象とする加算項目を新たに設けることといたしました。
  今後とも、医療的ケアのニーズへの対応など、利用者サービスの向上に努める施設を支援してまいります。
  次に、介護雇用プログラムについてでありますが、この事業は、介護現場での雇用機会を創出するとともに、質の高い人材を確保、育成するため、都が介護事業者に委託をして、離職者等が働きながら介護福祉士などの資格を取得することを支援するものであります。
  本年二月に行いました事業者の公募におきまして、七十七の事業者から応募があり、職員の育成計画や定着のための取り組みなどを重視して審査をし、四十八事業者を委託先として承認をいたしました。これにより、二百八十人の離職者等が雇用されることとなりました。
  なお、今回承認した介護事業者以外にも、本事業の実施を希望する事業者がいることから、今後、追加公募について検討してまいります。
    〔環境局長有留武司君登壇〕
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◯環境局長(有留武司君) 三点のご質問にお答えいたします。
  まず、都のキャップ・アンド・トレード制度に対する内外の反響についてでありますが、まず国内では、昨年都が主催した道府県、政令市向けの政策セミナーに、全団体の約八割の参加を得ましたが、その後も実務担当者からの照会が続いております。
  次に、海外からは、欧州連合地域委員会や英国王立研究所、ケベック州、ソウル市など、数々の政府機関、自治体から強い関心が寄せられております。
  また、建築家や都市開発事業者による国際会議では、都の制度が今後の建築物への省エネ技術の活用を促進する先駆的な政策として紹介されました。
  今後とも、都は、気候変動対策のトップランナーとして、世界の範たる制度となるよう、ICAP、国際炭素行動パートナーシップなどを通じて、国内外との情報の受発信を一層進めてまいります。
  次に、対象事業所のメリット等についてでありますが、対象事業所が省エネ等により排出量を削減した場合には、将来にわたって光熱費を節減できるだけでなく、義務量を超えて削減した分を売却できるという経済的メリットがあります。
  また、実施に向けた都の取り組み状況につきましては、一昨年の条例改正以降、二十数回に及ぶ説明会を開催しまして、延べ一万人を超える事業者の方々にご参加をいただいたほか、ヘルプデスクを設置し、個別の相談にも当たってまいりました。
  今後、優秀な取り組み事例の紹介やテナント向けセミナーの開催などを行うとともに、積極的に削減に取り組む事業者が社会的に評価されるよう、公表制度の活用を図るなど、本制度の成果を確実なものとしてまいります。
  最後に、中小クレジットの特徴とクレジット創出に向けた進め方についてでありますが、都制度においては、中小規模事業所が省エネ設備を導入し、総量の削減を達成した場合には、その削減量を、大規模事業所の義務履行に利用可能な中小クレジットとして認定できることとしております。
  この中小クレジットは、認定の対象となる省エネ対策をあらかじめ都が提示するとともに、認定に必要な検証を簡易にするなど、事業者に取り組みやすい制度となっております。
  今後、今月末を目途に、認定や申請の手続などを定めたガイドラインを策定するとともに、本年六月ごろに事業者向けの説明会を開催しまして、制度の周知を図ることで、クレジットの創出を促進してまいります。