「治す医療」から「防ぐ医療」へ──橋本聖子参議院議員と語る統合医療と地域スポーツ

橋本聖子参議院議員の講演会が、町田デザイン&建築専門学校さんの会場をお借りして開催されました。
橋本先生の、統合医療にかける強い思いと、国家的課題を見据えた政策的展望をうかがう貴重な機会となりました。

医療の転換点に立ち、統合医療の価値を見つめなおす

今回の講演は、橋本先生ご自身の豊かな人生経験から語られる医療観の深さでした。幼少期の体験やアスリートとしてのキャリア、母として、そして国会議員としての経験を通して、先生は「栄養・運動・睡眠によって自然治癒力を高める」ことの大切さを強調されています。それは決して理想論ではなく、科学的な裏付けと社会的必要性に基づいた、説得力あるお話しでした。

医療費の増大が続く日本において、「治す医療」から「防ぐ医療」への転換は、もはや理念ではなく現実的で避けられない政策課題です。医食同源、自然治癒力、QOLの重視といった考え方は、医療を取り巻く財政的な問題の解決にも直結するものであり、統合医療の理念でもあると改めて認識させられました。とりわけスポーツ医科学と地域医療の融合という視点は、健康寿命の延伸だけでなく、国全体の財政健全化にも資するものとして注目されるべきです。そのような新たな医療の方向性を提示できるのは、橋本先生のように現場と政策の両面に通じているからこそだと感じたところです。

西洋医学の科学的裏付けと、東洋医学をはじめとする伝統医療の知恵を融合させ、個人の尊厳を守りながら社会の持続可能性を高めていく統合医療の展望には、制度的な裏付けと科学的な検証が不可欠です。橋本先生のように、この分野に信念と知見をもって取り組む姿は、私たちがこの大きな転換期を前向きに乗り越えていくうえでの、大きな力になると感じています。

地域スポーツの現場から、健康長寿社会の実現へ

私自身もこれまで、生涯スポーツや地域スポーツの普及に継続的に関わってきましたが、今回の講演を通じて、改めて「スポーツ」が果たす役割の大きさを再認識することができました。年齢や体力にかかわらず、誰もが日常の中で無理なく体を動かせる環境を整えることは、高齢化が進行する社会において、疾病予防や介護予防のみならず、孤立の防止や心の健康を保つうえでも非常に重要です。

スポーツは単に競技を行う場ではなく、人と人をつなぎ、地域に活気をもたらす力を持っています。日常生活の中で自然に身体を動かす習慣が根づけば、地域の一人ひとりが心身ともに健やかに、前向きに生活を営めるようになります。こうした日常の積み重ねが、超高齢社会における地域の持続性を支える鍵となるのではないでしょうか。

その意味でも、橋本先生が推進されている「運動を軸とした予防医療」の考え方には深く共感しています。スポーツの現場に立つ一人として、また地域の課題と向き合う立場として、今後はぜひ、橋本先生とともに現場と政策をつなぎながら、より多くの人々が心身ともに健やかに暮らせる社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと思っています。

橋本聖子参議院議員(右)と吉原修(左)

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