【委員会】平成29年3月21日 第一回定例会 警察・消防委員会

Q 吉原委員 それでは、私の方から、安全・安心にかかわる治安及び交通事故対策について、数点お尋ねをしたいと思います。

 ご案内のとおり、現在、都政の大きな課題として市場問題が社会問題化して、大きな議論となっております。これまでにも常任委員会あるいは市場特別委員会、そして予算特別委員会、さらには百条委員会も、平日に加えて、つい最近の三日間、土、日、昨日まで連続して議論が行われました。これまでの議論の中身は、いずれも豊洲への決定経緯と責任問題並びに土壌汚染対策が中心の議論でありました。

 この委員会におきましては、冒頭申し上げました治安等について、現状の確認も含めてお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず一点目、築地市場における防犯対策であります。
 ご案内のとおり、築地市場は二十三ヘクタール、約、東京ドームの五個分の広さがあるといわれています。

 この市場への出入り口は、正面あるいは勝どき門、青果門、含めて六カ所の門があります。その門は、通常、営業しているときは、誰でも出入りができるような状況になっているわけであります。

 ご案内のとおり、市場は開放型の競り場も複数あります。そして、関連棟と呼ばれる一階には、テナント、店舗が入って、食べ物屋さんや売り物、そういうお店があります。二階には、また事務所があります。そうした関連棟と呼ばれる軒を並べた多くの古い建物もございます。

 こうした形態から、競り場や飲食店には、市場関係以外の多くの外国人を含めた観光客は、自由に出入りできるようになっていると思います。残念なことに、昨今、問題になりました、競りをしている場所にまで観光客の皆さんが近寄って、さらにはその競りの真っ最中の生鮮食品に直接手を触れるなど、マナー違反も続いてまいりました。そうした中にあって、市場関係者とのトラブルにも発生したこともあったわけであります。

 昨年以降、特に都内の観光客の増加に伴って、市場への来訪者が大変ふえてきています。今でも、中には万引きをされて困るという苦情もお聞きをしています。安易に誰でもはいれる市場内では、万引きや窃盗、そういったものをする目的を持って入ってくる者の可能性は否定できないわけであります。
 そうしたさまざまなトラブルを避けるためにも、市場整備の状況が求められて、これまでもきました。

 そこでお伺いをいたしますけれども、不要な犯罪をなくすためにも、開放型の形態を鑑みて、警視庁から築地市場に対して、防犯対策などの環境改善をしっかりと指導すべきと考えていますが、見解を伺います。

A 田代生活安全部長 警視庁では、多くの人が集まる集客施設等における犯罪防止や、利用者等の安全確保のため、施設管理者に対する警備員の配置や防犯カメラの設置の働きかけ等を行っているほか、警備業者に対する指導等を行うとともに、築地警察署員により、築地市場内外におけるパトロール等を実施するなど、防犯対策を推進しております。

 今後も、自治体を初め、事業者、施設管理者、住民などと連携し、犯罪の起きにくい社会づくりを推進してまいります。

Q 吉原委員 ただいまご答弁いただきましたけれども、警視庁としても、日ごろの状況の中で大変ご苦労いただきながら、そうした防犯対策等に取り組んでいただいている。こういうことはよく理解をいたしました。

 しかしながら、豊洲市場においては、先ほど申し上げたように、門が六つもあるわけで、日ごろから営業中はあいているわけでありますので、(発言する者あり)失礼、築地市場ですね。築地市場は門があいているわけでございますので、そうしたときに、あの関連棟といわれるお店のところ、さらには競りをするところは、あそこは開放されて、開放型になっていますから、誰でも近づけるわけですね。そういったものが、いつまで一体続くのか。

そういう状況をこれからも続けていっていいのか、私は大変疑問に思っている一人であります。

 豊洲市場、これからどうなるのか、まだ知事の方向性が出ていないからわからないわけでありますけれども、あちらについては閉鎖型でございますし、きちっとした門も、警備員の皆さんいらっしゃって、車の出入りもしっかりとチェックをしている。そうした、ある意味、築地市場よりも、完璧かどうかということは営業しないとわからないかもしれないけれども、格段の差があるのではないかなというふうに思っています。

 それでは、次に、場内におけるターレ、フォークリフト等の事故についてお尋ねをしたいと思います。

 これまでも我が党より指摘をさせていただきましたが、ターレやフォークリフト、あるいは車などによって、過去五年間の人身事故、そしてまた物損事故は、驚くほど多発しています。

 ちなみに、過去五年間の件数を申し上げますと、二十三年から二十七年までの五年間、人身事故が二十三年のときに百三十五件、同じ年に物損事故二百十三件、計三百四十八件という件数が起きました。二十四年でも、人身事故百三十九件、物損事故二百三十三件。あるいは二十五年でも百三十一件、同じく物損事故二百四十二件。二十六年、ずっと過去三年より上回りまして、百二十五件の人身事故がございました。さらには、同様に物損事故を二百六十二件もあったんです。二十七年、これは人身事故が百三十一件、物損事故は前年を上回って二百六十七件ございました。

 実は毎年、平均して三百八十一件以上の事故が発生している計算になるわけであります。しかも、年々増加しているといっても、これは過言ではないというふうに思います。
 伺いますけれども、これまでもその都度、市場内で交通事故に対して、あそこのところは公道ではございませんので、そうした状況にあっても現場対応をされてこられたのかどうなのか、お尋ねをしたいと思います。

A 山本交通部長 築地市場内における交通事故防止対策につきましては、管轄警察署におきまして、毎年春、秋の全国交通安全運動等の時期を捉え、市場関係者に対し、交通安全意識の向上と交通事故防止を図るため、安全講話や啓発用DVDの視聴など、交通事故防止に向けた指導を行っております。また、通報された事案につきましては、警察官が臨場し、現場対応を行っております。

 警視庁では、引き続き、管轄警察署を中心に、あらゆる機会を通じて、市場関係者に対し交通安全教育を実施し、交通事故防止の徹底と交通安全意識の高揚を図ってまいります。

Q 吉原委員 今お話しいただきましたけれども、一一〇番あったときはそうやって、全部が全部ではないんでしょうけれども、駆けつけることが多分多いんだろうなというふうに、想像はさせていただきました。そういう意味で、その事故が、本来であればないようにすればいいわけですけれども、敷地の狭隘さもございますから、事故が起きる、そういう状況というのは頻繁なんだなということを、今、実感をしています。

 これだけ多くの件数が発生する原因としては、今お話ししましたように、場内の幅員の狭さ、これが一つ挙げられると思います。さらに、先ほどもお話ししましたけれども、観光客が大変、年々多くなってきた。そうした増加によるものもあるのではないかなというふうに思っています。

 今後も引き続き、場内での事故の多発が、現状のままではさらに心配していかなきゃならないし、懸念もされているところだというふうに思います。公的な役割を果たしているという市場内で、これほど法通事故件数が発生している以上、警視庁としても、築地の市場の管理者に対しては、それ相応のやっぱり注意喚起をしていかなきゃならないと思います。

 そういう意味で、抜本的な改善をもっとすべきではないかというふうに考えますが、ご見解を伺います。

A 山本交通部長 ただいまのご質問の趣旨を踏まえまして、警視庁といたしましては、引き続きあらゆる機会を通じまして、市場関係者に対しまして、交通安全教育を実施し、交通事故防止の徹底と交通安全意識の高揚を図ってまいります。

Q 吉原委員 ぜひ警視庁の皆さんも、市場の中のことでの交通事故ですから、本来は当事者同士が解決すべきという問題点もあるんだろうと思います。しかしながら、人身事故にも至るような事故があるとするならば、やっぱり今の形態でいいのかということを、市場管理者にはしっかりとお伝えすべきだというふうに思っておりますので、引き続き、大変なことが多いと思いますけれども、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 以上で質問を終わります。

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