【本会議】平成22年9月29日  平成22年_本会議

【本会議】平成22年9月29日  平成22年_本会議

2010.09.29 : 平成22年_第3回定例会(第13号) 本文

◯六十四番(吉原修君) まず、国際競争力について伺います。
  日本は、バブル経済崩壊以降、産業構造、金融システムといった国の根本を支える仕組みの再構築に多大な時間を要してきています。こうした間に東アジア新興国に急速に追い上げられ、アジアの中心としての輝きを失いつつ、かつての強力な競争力が低迷してきています。
  資源の少ない日本が今後いかに活路を見出し、国際競争力を身につけ、世界に秀でた位置を確保し続けるために、さまざまな魅力が凝縮され、可能性を有する日本の中心である東京の役割は、今後とも大きなものがあります。
  知事はこれまで、東京から日本を変えると訴え、都民福祉の向上はもちろんのこと、日本の発展のために、国に先駆けた数々の施策を強力に実行してこられました。今まさに、疲弊した日本の牽引役として積み重ねてきた都の政策の上に、さらに東京の秘められた力を発揮し、存在感を戦略的に示す必要があると考えますが、世界に評価される今後の東京の目指すべき方向について知事にお尋ねいたします。
  人材育成について伺います。
  東京、そして日本が国際社会の中で再び輝きを放つためには、世界的に通用する技術者や研究者などはもちろんのこと、さまざまな分野で国際感覚を持って活躍できる人材を育成していかなければなりません。
  特に、大学における教育は、グローバルな人材育成の場として大変重要だと思います。大学時代に同世代の外国人とともに学び、異文化に直接触れることは国際的な感覚を養い、実社会で広い視野や専門的知識を持って活躍できるきっかけになるのではないでしょうか。
  しかし、こうした人材育成において先駆的な役割を果たすことを期待される首都大学東京においてさえ、学生交流協定に基づく交換留学制度を利用して海外に留学している学生は、過去四年間で二十名、昨年は何とたった三名しかおりませんでした。
  昨今の経済情勢に加え、若者の海外離れを象徴した数字だと思いますが、今後は、経済的負担の軽減を図るなど留学制度をより充実し、学生の留学意欲を引き出せる支援を行うとともに、国際共同研究には学生の参加を促し、先進的な研究に触れる機会を提供するなど、教育や研究の両面から取り組んでほしいと考えます。
  首都大学東京を通じて、次代を担う学生の意欲を引き出せる機会をつくり出し、グローバルな人材育成へ東京都はさらなる取り組みをすべきと考えますが、見解を伺います。
  次に、障害者の就労支援について伺います。
  平成二十一年の都内民間企業の実雇用率は七年連続で微増したものの、規模別に見れば、五十六人以上三百人未満の中小企業では低水準にとどまっています。こうした現状の中にあって、新たな雇用先の開拓、身近な地域での就労支援の充実など、障害者の一般就労の機会拡大に向けた多様な取り組みがますます必要であります。
  一方、地域に根差した障害者雇用のためには、区市町村就労支援センターや障害者就業・生活支援センターの存在が不可欠であります。こうした就労支援機関への登録者数は年々増加していますが、就職実績は横ばいというのが現状であります。
  そこでまず、障害者を企業等での就労につなげていくための取り組みを一層充実する必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。
  ことし七月、改正障害者雇用促進法が施行されました。法定雇用率未達成の場合の納付金の対象が拡大されるなど、中小企業での障害者雇用がますます重要になると考えますが、経営者からは、障害者雇用の必要性はわかるが、具体的な取り組み方がよくわからないという話をよくお聞きいたします。
  こうした中、就労支援機関は、これまでにも区市町村やハローワークなどと連携してきましたが、一層の雇用促進を図るため、今後は、雇用納付金の対象企業はもとより、もっと小規模の企業も集まる、例えば商工会議所や商工会、青年会議所などのような地域の身近な団体との連携が重要だと考えます。このため、東京都の施策についても、就労支援機関や事業主団体との連携を進め、さらに両者の間で連携が進んでいくのが望ましいと思います。
  そこで、障害者の就労支援について、今後、地域の就労支援機関や事業主団体とどのように連携していくのか、都の見解を伺います。
  教員の職務環境について伺います。
  我が党は、これまで教師の質の向上や学級運営など、教育問題に対しさまざまな提案を行ってまいりました。しかしながら、学校は移り変わる社会の変化に影響されやすく、日々新たな課題が出てきています。
  その一つに、教員のメンタルヘルス不調の問題があります。平成二十年度の心の病を理由に休職した都の職員は五百四十名、平均すると四校に一人の教員が心の病で休職し、特別支援学校では何と一校に一人が休職していることになります。
  この事態は、保護者の方々にとっても極めて大きな心配事ではないでしょうか。担任の先生の休職が学級崩壊につながるのではと不安が横切るわけであります。公立学校に通う児童生徒の保護者の方々が安心して子どもを学校に送り出すためには、教員のメンタルヘルス不調に東京都は正面から取り組む必要があると思います。
  そこでまず、教員のメンタルヘルス対策についての基本的な認識とその取り組みについて伺います。
  ところで、国の職場におけるメンタルヘルス対策検討会では、職場におけるストレス検査の義務化を提言しています。教員より休職率が低いといわれている民間企業の労働者をも対象としているくらいなのでありますから、定期健康診断にストレス検査を義務づけるべきと考えますが、見解を伺います。
  一方、教員の職務は大変厳しいものとなっております。今や子どもの生活環境は、ここ十年で劇的に変化し、加えて保護者の教育に対する関心も多様化しており、学校に対し、さまざまな要望が寄せられている現状もあります。
  一人一人の児童生徒に対するきめ細やかな教育を実施し、保護者の信頼にこたえようと管理職である校長や副校長は孤軍奮闘しているのは承知しておりますが、そうした教員も心の病にかかってしまうと最終的なしわ寄せは子どもたちに及ぶことになります。
  特に副校長は、職務が多岐にわたり役割や責任も重く、校長の倍以上の率で心の病を理由に休職しているとも聞いており、これまでにない対策を講じる時期に来ているのではないでしょうか。
  そこで、カウンセリングと研修をリンクさせたり、副校長同士の情報交換の場を設定するなどして、不調を訴えてこない教員に対しても積極的に働きかける対策をとるべきであると考えます。見解を伺います。
  次に、命の大切さに関する教育について伺います。
  新しい学習指導要領が小学校では平成二十三年度から、中学では平成二十四年度から全面実施されることになっていますが、今回の学習指導要領の改訂においても、生命や自然を大切にすることの重要性が示されております。
  子どもたちの問題行動や規範意識の低下が叫ばれる中で、命の大切さを理解させ、命を大切にする態度を身につけさせることは喫緊の課題でありますが、大変難しい問題でもあります。
  小中学校などでは、道徳教育において命の大切さに関する指導を進めていることは十分理解していますが、現状をかんがみると、さらに一歩深めた新たな取り組みが必要ではないでしょうか。
  例えば、動物の飼育体験などは、大変意義のあることです。擬似的な体験ではなく、命ある動物と直接触れ合う体験は、子どもたちに生き物への慈しみの心をはぐくむとともに、命のとうとさを学ぶことにつながると思います。
  しかしながら、都会の住宅事情や生活環境からは、動物と触れ合う機会は少なくなり、学校における取り組みが一層重要になっています。これらの教育活動の充実を図るためには、動物の生態や飼育の方法などを正しく理解し、命の大切さを学ぶために、専門的な知識や医術を有する獣医師を小学校の授業などで活用すべきであると思います。
  そこで、都教育委員会では、動物との触れ合いを通した命の大切さに関する教育の充実についてどのように考えているのか、お伺いをいたします。
  次に、小中学校の暑さ対策について伺います。
  ことしの夏は、近年に見られないような猛暑が続き、冷房設備のない学校の教室では三十八度に達するという新聞報道がありました。これは、国の学校環境衛生基準で最も望ましいと定める、夏季では二十五度から二十八度を大幅に上回る室温です。三十八度にもなれば、もはや子どもたちが学習に集中できる限界を超えており、教員を含め健康を害する危険も危惧される室温であります。
  都内の高校、大学の冷房化は約一〇〇%。また、公立の区立小中学校においても一〇〇%に達しようとしている中にあって、市町村立校の冷房設備は、飛行機の騒音対策など限られた地域に設置されており、何と一七・六%と驚くほど低い設置率であります。
  つまり東京では、一般家庭はもとより、高校、大学、公共施設を初め、各事業所、商業施設などを含め、ほとんどの家庭や施設で冷房化がなされている時代にあって、市町村と二十三区の税の徴収制度の違いはあるにせよ、三多摩の子どもたちが日中の大半を過ごす小中学校の八割を超えて、いまだに冷房設備がないのが実態であります。
  学校によっては、夏季に暑さ対策で短縮授業がふえ、そのしわ寄せが二学期以降の授業カリキュラムにも大きく影響を及ぼしかねないなど、学校運営上も暑さ対策は急務な課題であります。
  東京都は、これまでにも子どもたちに安全・安心で学習しやすい快適な学校の環境づくりを進めていくために、耐震化を初め、校庭の芝生化など学校施設の整備を進めてきました。
  本来であれば、国及び市町村の役割において整備すべきことと十分承知しておりますが、学校で学ぶ子どもたちのことを考えると、東京都として三多摩の小中学校の冷房化の実態を見過ごすことはできないと思っています。こうした現状について、知事に所見をお伺いいたします。
  最後に、新銀行東京について伺います。
  昨日の民主党の代表質問において、日本振興銀行の破綻を論じた上で、平成二十年の新銀行東京への追加出資に際して、既存融資先の保護など、当時の都の説明や判断に対して疑問を呈する発言がありました。それに対する都の答弁は、借り手である多くの小中零細企業の立場を重視した、至極当然のものでありました。
  いうまでもなく、銀行の破綻処理は、預金者のみならず、取引先にも大きな影響を及ぼすことが避けられない最後の手段です。当事者である国の金融当局でもない者がこれに触れる場合は、慎重の上にも慎重を重ねるべきではないでしょうか。
  このことは信用問題です。金融機関の破綻例を持ち出して、現に営業している金融機関について発言することは、不見識きわまりないといわざるを得ません。
  そこで伺いますが、金融機関の破綻処理は、預金者や取引先企業にどのような影響を与えるのか。また、一金融機関の破綻を引き合いにして、他の金融機関の経営について軽々に論じることは許されないと考えます。
  見解を伺い、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔知事石原慎太郎君登壇〕
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◯知事(石原慎太郎君) 吉原修議員の一般質問にお答えいたします。
  まず、国際競争力の強化についてでありますが、国際競争力、つまり国力というものは、非常に複合的、重層的なものでありまして、いろいろな可能性を束ねてこそ、相手国をしのぐ力となるわけであります。
  日本の歴代政府は、これまで縦割り行政を是とする、国家官僚のいうままに引きずられてきて、こういった、各省が管轄しているそれぞれの分野における力というものを束ねる努力をほとんどしてきませんでした。つまり、その結果、国を挙げての強い主張ができなくなりました。
  いずれにしろ、成長のてことなるインフラの整備でも、文明工学的な視点を持たずに来たわけでありまして、ようやく羽田の空港に新滑走路が完成しましたが、外環道を初めとする道路ネットワークの整備が伴わなければ、この新しい空港も十全に生きてこないわけであります。港湾にしてもそうであります。
  また、一方、小惑星探査機の「はやぶさ」が、何と四十億キロの長い距離を数年かかって飛行して、しかも、そのエネルギーは、全部太陽の光線のエネルギーによって飛翔した。こういった新しい試みを日本の技術が実証するということは、やっぱり一つの大きな力でありますし、日本人が考えている以上に、実は、この「はやぶさ」の成功というものは各国が刮目しているわけでありまして、この新しい核時代に、核兵器は簡単にできます、ある能力まで──それを運搬する手段は、文明の進展によって随分変わってきましたが、恐らく今日の「はやぶさ」の成功に垂涎の関心を示しているのは、アメリカであり、中国であると私は思いますけれども、こういったものを逆に、逆手にとるようなことも一つの国力の表示だと思います。
  いずれにしろ、日本には最先端の技術を有する小零細企業が数多くありますが、これを決して埋もらせてはならないと思います。
  厳しさを増す国際競争を勝ち抜くためには、みずから持つ力を冷静に認識して、効果的に発揮させる必要が絶対にあります。そのためにも、引き続き東京から日本を変えるべく、日本経済の屋台骨を支えるインフラを整備し、小零細企業の海外販路開拓を後押しするなど、揺るぎなく取り組んでいきたいと思います。
  また、一方、東京の上下水道が培ってきた世界最高水準の技術、運営ノウハウを生かして、国際貢献ビジネスとして展開もしたいと思います。
  羽田空港が一段と国際化する機会をとらえて、多彩な食や歴史、文化の堆積、アニメなど、東京ならではの魅力を世界に強力に発信していきたいと思っております。
  いずれにしろ、日本の多々なる力が集中、集積する首都東京から未来を切り開いていきたいと思っております。
  次いで、小中学校の暑さ対策についてでありますが、区市町村立学校の冷房については、各区市町村が学校の設置者として、それぞれの考え方に基づいて対応しているわけであります。
  一方、ことしの夏は、まさに記録的な猛暑でありました。小中学校の冷房化率が大きな話題となりました。この問題については、都教育委員会が各区市町村に対して、小中学校の冷房化の現況など、今後の対応について調査しておりまして、それを踏まえて検討することとなると思います。
  他の質問については、教育長及び関係局長から答弁いたします。
    〔教育長大原正行君登壇〕
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◯教育長(大原正行君) 四点のご質問にお答え申し上げます。
  まず、教員のメンタルヘルス対策についてでございます。
  児童生徒の教育を担い、学校経営を支える教職員の健康の保持増進を図ることは、極めて重要であると認識しております。都教育委員会は、今年度からメンタルヘルス対策を主要施策として位置づけ、精神科医や臨床心理士による相談、精神保健講習会等の充実とともに、着実な職場復帰のための訓練を実施するリワークプラザ東京を全国に先駆けて新設いたしました。
  また、精神科医などの専門家、区市教育委員会の教育長、校長及び教育庁の理事等をメンバーとしたメンタルヘルス対策会議を設置し、原因分析から復帰後のケアまで、総合的に取り組んでいるところでございます。
  次に、ストレス検査の義務づけについてでございます。
  うつ病などの精神疾患は、本人の自覚がないままに重篤化することが多いことから、心の病の自覚を促すことで、受診や相談につながるストレス検査は、重要なメンタルヘルス対策の一つと考えております。
  そのため、都教育委員会は、今年度より試行として定期健康診断の機会を活用し、チェックシートを用いたストレス検査を教員の一割に相当する約六千名に対して実施しております。
  今後は、今年度の成果を検証しつつ、より効果的な早期自覚、早期対処のメンタルヘルス対策を推進してまいります。
  次に、副校長に対するメンタルヘルス対策についてでございます。
  副校長の職務は、教育活動のほか、人事管理や施設管理など多岐にわたっており、業務の集中による多忙感からストレスも大きいといわれております。実際、平成二十一年度実績では、心の病を理由とする副校長の休職率は、校長と比べて二・四倍と高く、都教育委員会は、今年度から副校長昇任者に対してカウンセリングの機会を設けるなどの対策を講じております。
  今後は、事務能力の向上や孤立化の防止など、ストレス不調を予防する観点から、ご提案の人材育成とメンタルヘルス対策との連携も含めて、副校長に焦点を当てたさらなる対策に力を入れてまいります。
  次に、動物との触れ合いを通した命の大切さに関する教育の充実についてでございます。
  子どもたちが学校生活を通じて学校飼育動物と触れ合うことにより、命の大切さを理解し、生命尊重の態度を身につけることは重要でございます。現在、都内の多くの小学校では、小動物と触れ合う教育を行っており、そのうち約五割の小学校でウサギを、また約二割の小学校で鶏を飼育しております。
  しかしながら、授業などで子どもたちに動物の生態や飼育の方法などを正しく理解させ、命を大切にする態度をはぐくむ取り組みについては、必ずしも十分とはいえない状況でございます。
  都教育委員会では、これまで動物飼育に関し、教員を対象とした研修会を実施するとともに、獣医師会が作成した資料を区市町村教育委員会を通して各学校へ提供してまいりました。
  お話のように、子どもたちが疑似的な体験ではなく、実際に学校飼育動物に直接かかわることは、命のとうとさを学ぶ上で非常に意義深いことから、今後、都教育委員会は、区市町村教育委員会や動物飼育に関する機関と連携し、生命尊重の視点に立った教育活動の一環として、子どもたちが学校飼育動物と触れ合う機会をより多く持てるよう取り組みを推進してまいります。
    〔総務局長比留間英人君登壇〕
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◯総務局長(比留間英人君) 首都大学東京を通じたグローバル人材の育成についてでございます。
  先般、都が公立大学法人首都大学東京に示した第二期の中期目標では、グローバルな視点に立った教育研究の推進を重点事項と位置づけ、広く国内外で起きているさまざまな事象に関心を持ち、大都市の課題に先駆的に取り組む人材を積極的に育成していくこととしております。
  この目標に基づき、今後、法人が策定する中期計画で、グローバル人材育成に向けての具体的な取り組みを明らかにしてまいりますが、留学へのインセンティブが働く学修、生活の両面にわたる支援の拡充や、国外の大学等との共同研究、人材交流の一層の促進など、世界の大都市の課題解決に向けてリーダーシップを発揮する人材を輩出できるよう、都は法人とともに、さらなる検討を進めてまいります。
    〔福祉保健局長杉村栄一君登壇〕
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◯福祉保健局長(杉村栄一君) 障害者の就労支援についてのご質問にお答え申し上げます。
  障害者を企業等での就労につなげていくためには、障害者雇用に対する企業の理解を深めていくことが何よりも重要でございます。そのため、都は、法定雇用率未達成の企業等におきまして、就労経験の少ない障害者の職場実習を進めており、ショッピングモールや駅前商店街等で実習を行っております。また、各区市が設置しております障害者就労支援センターに就労先企業を開拓いたします地域開拓促進コーディネーターを配置できるよう、支援を行っております。
  今後、こうした取り組みを一層進めるとともに、障害者就労支援センターと商工会議所等、経営者団体との連携が図られますよう区市に働きかけるなど、身近な地域における障害者の就労機会の一層の拡大に取り組んでまいります。
    〔産業労働局長前田信弘君登壇〕
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◯産業労働局長(前田信弘君) 二点のご質問にお答えいたします。
  まず、障害者の雇用促進に向けた就労支援機関や事業主団体との連携についてでありますが、障害者雇用の促進のためには、行政が障害者の日常生活上の支援も担う就労支援機関や、雇用の受け皿となる企業の集まる事業主団体と十分連携することが重要であります。
  このため、都は、これまでも東京しごと財団を通じて、障害者就業・生活支援センターなどの就労支援機関と連携し、職場見学会や企業合同説明会等を実施しております。さらに、就労支援機関が独自に行う職場体験実習に対しても、保険料を負担する支援を行ってまいりました。
  加えて、今年度からは、より多くの就労体験機会を確保するため、東京しごと財団が構成企業への説明会や広報誌への情報掲載などを通じて、商工会議所などの事業主団体と連携を図り、実習先企業の開拓を進めております。
  今後は、これによって得られた実習先企業の情報を、就労支援機関に対し、より効果的に提供する方策等について検討してまいります。
  こうした取り組みを通じ、就労支援機関や事業主団体との連携を強化し、障害者雇用の促進に努めてまいります。
  次に、金融機関が破綻した場合の影響等についてであります。
  まず預金者ですが、ペイオフが発動されると、一千万円までの預金の元本とその利息分は保護されますが、一千万円を超える部分は原則として全額は保護されません。
  なお、この預金保護の費用は、国内の金融機関が預金残高の一定割合を拠出する保険料、つまり、他の金融機関を含む全預金者のコスト負担により賄われます。
  次に、取引先企業に及ぼす影響でありますが、貸出債権などの資産は、査定により受け皿銀行に引き継がれるものと、不良債権とみなされ整理回収機構に売却されるものとに分けられることになります。
  赤字、債務超過先企業に対する貸出債権については、後者とみなされることが多いと考えられ、これまでの例によれば、整理回収機構に売却された場合、他の金融機関との取引が行いにくくなり、資金繰りに窮して事業継続が困難という結果になる可能性が高いと承知しております。
  ご指摘のとおり、公の場における金融機関の経営についての発言は慎重を期すべきであり、安易な発言が時に風評被害を誘発しかねないことは、これまでの歴史の教訓でもあります。
  日本振興銀行の破綻は、同行特有の事情が主たる要因と金融当局は公表しており、新銀行東京であれ、他の金融機関であれ、現に営業している金融機関と関連して論じることは避けるべきものと考えます。
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