【委員会】平成21年10月22日  平成21年文教委員会

2009.10.22 : 平成21年総務委員会 本文

繁華街の安全・安心の確保について

◯吉原委員 それでは、私の方からは、繁華街の安全・安心の確保についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
  昨年、平成二十年の都内における刑法犯の認知件数は、ピークであったときの平成十四年の約三十万件のときから六年連続して減少してきました。そして、昨年では約二十一万件となっているわけでございまして、数字の上では東京の治安はかなり回復してきたのではないかなと、こういわれるようにまでなりました。我々自民党としても、治安の回復こそが都政の重要課題だというような思いの中で、都の皆さんと一緒に犯罪の起きにくいまちを一生懸命つくってきた、そんな思いをしているわけでございます。
  しかしながら、この数字とはまた裏腹に、都民の要望の第一位は五年も続けて治安対策となっているわけでございます。都民は東京の治安にまだまだ不安を感じている、そういう実態がこの調査の中にあらわれているわけでございまして、これも引き続きしっかりと対応していかなければならないなというふうに思っているところでもございます。
  ことしの四月は、東京都安全・安心まちづくり条例を改正いたしました。
  繁華街などにおける安全・安心の確保に関する規定を設けたところでございますけれども、広く多くの皆さんに知っていただく、そういう意味も含めて、改めてその改正の目的、趣旨、そしてその改正によって期待されるといわれている効果について、あわせてお尋ねをしたいと思います。
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◯伊東参事 都はこれまでも、安全・安心まちづくり条例に基づき、区市町村、都民等と連携し、安全・安心まちづくりの推進に取り組んでまいりました。
  委員ご指摘のとおり、都内における刑法犯認知件数は着実に減少しておりますが、残念ながら、都政への要望では治安対策が五年連続一位になっており、都民の体感治安の改善は大きな課題でございます。
  特に繁華街等においては、違法風俗営業や客引き、暴力団による資金獲得活動が繰り返されております。また、昨年は秋葉原や八王子などで無差別殺傷事件が発生するなど、繁華街等の治安に対する都民の不安が広がっております。
  繁華街等における安全対策を推進していくためには、行政、警察による対策に加え、事業者や地域住民等による自主的な取り組みが重要でございます。そこで、繁華街等の防犯力を高め、都民の体感治安を改善していくことが重要であるとの認識から、地域ぐるみの防犯活動を推進していくことを目的として条例改正を行ったものでございます。
  効果についてでございますけれども、条例改正による効果につきましては、条例とそれに基づく指針にのっとり、繁華街等において事業者や地域住民、区市町村、管轄の警察署等が連携し地域の実情を踏まえた地域ぐるみの防犯対策が推進されることで、繁華街等がより一層安全な場所となり、都民の体感治安の改善にもつながるものと期待しているところでございます。
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◯吉原委員 繁華街を含めた都内の安全・安心を確保して向上させ、都民の体感治安の改善につながる、このことはまことに時宜を得たものであるというふうに受けとめさせていただいているところであります。
  次に、条例にあわせまして、ことし四月より繁華街における安全対策の支援事業が実施されているわけであります。改めてではありますけれども、これはどのような事業なのか、お伺いをいたします。
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◯伊東参事 本事業は、繁華街ごとに防犯に取り組む組織、協議会を立ち上げ、事業者、地域住民、地元自治体、警察等が一体となって、防犯カメラ等の防犯設備の導入、防犯環境の整備、防犯パトロールの実施など、地域の実情に応じて行われるハード、ソフト両面からの安全対策を支援するものでございます。
  都は、こうした地域の取り組みを支援する区市町村に対し、必要な経費の二分の一の補助を、一地域約二千万円を限度に行うものでございます。今年度から三カ年で十五の地域を目途に事業の実施地域を選定することとなっており、それぞれの地域の取り組みが、今後、他地域における取り組み推進の参考事例になることも期待しているところでございます。
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◯吉原委員 都や区市町村、警察の取り組みに加えまして、地域のさまざまな団体や住民が自分たちの問題として防犯に取り組むことで、繁華街を初めとした都内全体の防犯力のさらなる向上にもつながる、そういうふうに思っているわけでございます。
  次に、本事業の今年度の実施地域を教えていただきたいと思います。
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◯伊東参事 本年度は、七月に、千代田区秋葉原駅周辺、墨田区錦糸町駅周辺、目黒区自由が丘駅周辺、豊島区池袋駅周辺、八王子市八王子駅北口周辺、立川市立川駅周辺の六地域を選定したところでございます。
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◯吉原委員 この六地域を選定していただいて、今、その事業を進めていただいているということだろうと思いますけれども、お話をいただきますと、二十三区そして三多摩においても共通項もあるし、またそれぞれの繁華街での特徴もあるんだろうと思います。そうした実情に合った対策がきっと進められているんだろうとは思いますけれども、それぞれの地域の事業の進捗状況をお尋ねいたします。
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◯伊東参事 現在、各地域において、防犯に取り組む組織、協議会を立ち上げ、事業者、地域住民、地元自治体、警察等が一体となって繁華街等の防犯対策に有効と思われる対策について検討を重ねております。今後、地域における定期的なパトロール活動や防犯設備の設置などが進む予定でございます。
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◯吉原委員 七月からスタートしたということでございますので、まだまだその効果等について評価をする段階には行っていないんだろうというふうには思いますけれども、ぜひ引き続き、それぞれの地域に合った事業の推進をしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
  三カ年で十五カ所ということでございますから、十五カ所が状況に応じてふえるのか、どういうふうになっていくのかわかりませんけれども、今年度、第一年度目で六カ所を今進めていただいているわけであります。残り九カ所になりましょうか、また状況によっては変わるかもしれませんけれども、私の住んでいるところの町田市も、かつては西の歌舞伎町などとやゆされた時期もあったわけでありますが、防犯カメラやさまざまな対策を練っていただいて大分よくなってきたなという意識は持っているわけであります。
  しかしながら、三多摩においても第二の人口を有している町田でございます。町田だけがどうだということではありませんけれども、JRそしてまた小田急線と交差をしている地域でもございます。ましてや都県境と接している地域でもございますので、そういった意味では、まだまだ、町田の繁華街においてもそういう対策は進めていかなければならないなという思いは私自身もしているわけでございます。
  ぜひ来年度の中では、町田もその幾つかの中に加えていただいて、事業を進めていただきますようにお願い申し上げたいというふうに思います。
  最後で大変恐縮でございますけれども、繁華街における防犯対策の強化を含め、東京の安全・安心、この目的確保に向けた本部長の決意をお伺いをいたしまして、質問を終わります。
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◯倉田青少年・治安対策本部長 都はこれまでも、区市町村や地域ボランティアなどと連携しまして、子どもの安全確保、共同住宅及びその周辺の防犯環境の整備など、さまざまな取り組みにより地域の防犯力の向上に努めてまいりました。こうした取り組みと警察による取り締まり等が相まって、刑法犯の認知件数は、ピークであった平成十四年から六年連続して減少するなど、数字上は治安は着実に改善しております。ただ、都民の治安に対する不安は払拭をされておりません。
  そこで、従来の対策に加えまして、多くの人々が集い、憩う繁華街等における防犯対策を充実強化するため、安全・安心まちづくり条例を改正し、あわせて繁華街等における安全対策の支援事業を実施することとしたものでございます。
  今後とも、治安の維持こそ最大の都民福祉との認識のもと、区市町村や警察、地域の皆様との連携をさらに一層強化し、重層的、複合的に取り組みを推進して、都民の体感治安を改善し世界一安全で安心な首都東京の実現に努めてまいります。

横田基地の軍民共用化について

◯吉原委員 それでは、私の方から、横田基地の軍民共用化について、それともう一点、横田基地あるいは厚木基地における周辺の住宅騒音に関してのお尋ねを若干させていただきたいと思います。
  東京にはかねてから、横田基地を軍民共用化にして飛行機を飛ばそうと、こういう課題がありました。まさに十年ぐらい前だったと思いますけれども、石原知事が一生懸命になりまして、都の行政の皆さんも一生懸命になり、今日まで進めてきているわけであります。知事も、アメリカに行った際には、幾度となくだろうと思いますけれども、アメリカ政府の方にもさまざまな形で要請をされてきた。そしてまたそのことが功を奏して、日米首脳会談にも小泉さんが取り上げていただきながら、ブッシュさんとその問題についても協議を重ねてきました。その結果の中で、日本とアメリカによるスタディーグループというものを立ち上げられて、この横田基地の軍民共用化の検討をされてきたというふうに認識をしているところでもございます。
  しかしながら、最近はその話も余り耳にしなくなったなと、こういう思いをしているわけでございます。今後、私たちのこの東京はもちろん、三多摩においても、横田基地の周辺整備あるいは多摩都市モノレールの推進などなどを含めて、多摩にとっての振興という意味でも大変大きくかかわりがあるわけでございまして、もちろん、首都圏の空港機能を補完していく、そしてまた日本の国力を維持するために大変必要だ、こういうことをいわれてきました。もちろん地元のそれぞれの皆さんにも当初はさまざまな意見があったと思いますが、最近も、地域の皆さんからも、進めてもらえるように、こういうお話も耳にしてきたところでございます。
  そして、今日までの経過の中でも、あの横田基地から臨時便を海外に向けて出そうじゃないか、こういう話も若干進んできた。しかしながらそのことも現在ではかなわない、こういうことになっています。
  その間にも、アメリカの在日米軍の再編整備、軍備の再編整備の問題もあったんだろうと思いますし、沖縄の普天間基地の移設問題も大きく絡んできたんだろう、さまざまな要因があったんだろうとは思います。しかし、私たちのこの東京にあってもあるいは東京都を中心とする地域にあっても、何とか横田基地を軍民共用化にしてもらいたい、この思いは変わらないわけでございまして、そういった意味でさまざまな障害がこの問題にはたくさんあろうかということも承知はしております。アメリカの方の都合もあるでしょう。そのことによって、日本がアメリカ側と話す、そういった状況の中にもなかなか難しさがあるというのも知っています。
  そしてまた、東京都も、直接そのスタディーグループの中で検討する、発言をするというところまでは立ち入れないということも承知をしているわけでありますけれども、しかしながら、この軍民共用化については、私たち東京にとって、そしてまた近隣県にとっても、日本にとっても、大変意味のあることだろうというふうに思っているわけでございます。
  ブッシュさんからオバマさんにもかわりました。また、日本でも政権がかわったわけでございます。そうした中にはさまざまな状況はあるわけでありますけれども、ぜひ東京都としても、引き続き国に対しては、このスタディーグループの検討をしっかりと進めてもらえるように、これからも声を小さくすることなく、何といいましょうか、国に対して物申していっていただきたいなというふうに思っているわけでございます。
  できるだけ早目にこの軍民共用化を実現するために、局としてどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
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◯新美参事 横田基地の軍民共用化につきましては、国への提案要求のみならず、八都県市首脳会議、関東地方知事会の要望なども通じて、国に対してその早期実現を求めてまいりました。また、アメリカの新政権が軍民共用化に向けた取り組みを確実に引き継ぎ、協議に積極的に対処するよう、日本政府から強く働きかけることを改めて求めているところでございます。
  引き続き、さまざまな機会をとらえて軍民共用化の必要性を訴えるとともに、日米協議の促進に向けて、関係省庁との連絡会の場などを通じまして、国との緊密な連携を図っていく必要があると認識しております。
  今後とも、国と一枚岩となって、横田基地の軍民共用化の早期実現を目指してまいります。
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◯吉原委員 ぜひ積極的に、声を大にして進めていっていただきたいというふうに思います。
  次に、アメリカの基地にかかわる中での住宅防音工事について、お尋ねをしたいと思います。
  横田基地も、当然もう長く住宅防音工事については進めてきたと承知もしております。そしてまた厚木基地に関係する周辺の住宅防音工事についても、最近少しまた進んできたということも承知をしているわけでありますけれども、何といっても地域の皆さんにとっては、あの飛行機の音というのはすさまじいものでございます。日々生活する中には、もちろん健常者もいるしお年寄りの皆さんもいたり、あるいは病気の方もいたりハンディを持った方々もたくさんいらっしゃるわけでございまして、そのことが、横田基地もそうでありますけれども厚木基地も、防音をしっかりやらなきゃならないという区域も指定していただいて、進めてきていただいているわけであります。
  これまでの住宅防音工事がどの程度、横田基地あるいは厚木基地に関係するところで進んできているのか、お尋ねをしたいと思います。
  特に町田の場合も、ここ三年間はそういった工事を進めてきていただいているわけでありますけれども、その辺の状況も含めてお尋ねをいたします。
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◯中村基地対策担当部長 住宅防音工事の助成につきましては、国が基地周辺対策の一環として行っている制度でございます。具体的には、騒音が著しいと認めて、国が指定している第一種区域内に所在する住宅を対象に、その所有者等が行う騒音防止軽減のための工事について、国が直接補助金を交付するものでございます。
  住宅防音工事の実績につきましては、防衛省北関東防衛局によりますと、横田基地では、昭和五十年に住宅防音工事が開始されてから平成二十年度までの累計で約三万三千世帯であり、対象世帯の大部分について工事が行われております。
  また、厚木基地の町田市につきましては、平成十八年一月に区域の見直しが行われた後の、平成十八年度から二十年度までの三年間の実績は約四千三百世帯でございます。これにかかった国の経費は約百三十三億九千万円でございます。
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◯吉原委員 今お聞きをいたしましたけれども、横田基地の方については順調に進んできた、三万三千世帯、こういうことでございます。
  厚木基地に関しましては、今お話もいただいたわけでありますけれども、十七年度にしっかりとそのエリアを決めていただいて十八年度からスタートをしたと、こういう認識を持っているわけであります。この三年間の中で約百三十四億、国の補助金を使っていただいて、近隣の対象の住宅の皆さんにはしっかりと対応してきていただいたと、これは大変ありがたいことであります。
  しかしながら、町田のそのエリアも、先ほどお話をさせていただきましたように区域が大変広がり、対象戸数としても四万七千戸と、こういうことになっているわけでございまして、四万七千戸のうち、どう考えてもまだ七千戸も済んでいないんだろうと思うわけでございます。やっぱり今の状況の中では、もちろん横田基地もそうでありますけれども、厚木基地から離発着をする飛行機も今と昔とは変わらないわけでございますので、そういった意味では、引き続き悩まされている方々は、エリアは決まっているけれども、まだまだいる。こういう状況をできるだけ早いうちに解決をしていただきたいというのが地域の皆さんの思いであります。
  そうした中にあって、これから国の方の予算がどういうふうにかかわりを持ってくるのか、ちょっと心配な部分もあるわけでございまして、そのことが、直接生活される皆さんに影響がないような形で、しっかりと予算を確保した上でこの防音工事の整備も進めていってもらいたいというのが我々の思いであります。
  そういった意味では、生活第一と、こういうふうに今の政権はいわれているわけでございますので、局の皆さんも、直接お金を出す方ではないかもしれませんが、国に対して、防衛省に対して、そのことをしっかりと東京都として訴えていってもらいたい。そして、四万七千、残りがあと四万強あるんだろうと思いますので、その四万強の部分をできるだけ短い期間の中で解決をしていただく、そのことにぜひ汗をかいていただきたいというふうに思います。
  東京都として今の現状をどういうふうに思われていて、今後どのように取り組んでいくのか、その思いをお聞かせいただきたいと思います。
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◯中村基地対策担当部長 北関東防衛局の説明によりますと、厚木基地の住宅防音工事については、建築年度の古い住宅、高齢者が居住する住宅などを優先し順次実施することとしております。お話のとおり、平成十八年に対象区域が広がり、対象世帯数が格段に増加いたしました。
  都といたしましては、騒音による負担を一刻も早く軽減し、住民の生活環境を改善することが何より重要であると認識しております。このため、住宅防音工事が迅速かつ確実に進捗するよう、基地周辺対策の拡充を国に対し引き続き強く働きかけてまいります。

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