【委員会】平成20年12月12日 平成20年文教委員会

2008.12.12 : 平成20年文教委員会

◯吉原委員 それでは、特定非営利活動促進法施行条例の一部を改正する条例について、何点かお伺いをいたします。
 ことしは、平成十年十二月に施行されました特定非営利活動促進法が施行されて以来、十年の節目の年になりました。この十年間で多くの団体が法人格を取得し、そして今や、法人の数は全国で三万五千、東京都で六千を超えてなお増加しております。福祉や環境保護、まちづくり、そして国際協力など幅広い分野において社会貢献活動を展開しています。今後もNPO法人は、市民の自由な意思のもとに、営利を目的としない社会サービスの供給主体として、それぞれが試行錯誤を続けながら活躍のフィールドを広げていくことがさらに期待されているところであります。
 今回の条例改正案もそうでありますけれども、条例文というのは文言のいい回しが複雑でわかりにくいところがあるわけであります。
 そこでまず、改めて今回の条例改正のポイントについてわかりやすく説明を願いたいと思います。

◯平林都民生活部長 今回の条例改正による電子化のポイントには三点ございます。
 一点目は、NPO法人の社員総会についてです。社員総会に欠席される方の表決権につきまして、従来の書面や代理人による行使に加えまして、電子メール等でも行えるようになることでございます。
 二点目は、所轄庁である都の手続についてです。新規の設立認証に関しては定款、事業計画書等の縦覧を、また、既存の法人につきましては活動状況がわかる定款、事業報告書等の閲覧を行いますが、この手続を、従来の書面による縦覧、閲覧にかえまして、執務室内のパソコンなどのほか、インターネットで行えるようになることでございます。
 三点目は、NPO法人に、法律で定められている定款等の書類の保存、作成、閲覧につきまして、従来すべて紙ベースで行っておりましたが、今後はパソコン上で作成、保存することで足りまして、閲覧もパソコンの画面上で行えるようになることでございます。

◯吉原委員 昨今のパソコンあるいはインターネットの普及などによって、情報化の進展が多く見られるようになりました。その点から申し上げれば、今回の条例改正は当然のことのように思うわけであります。市民が支援し、監視するNPO制度の趣旨からいたしますと、NPOの情報がインターネットで見られるようになることは都民にとって大きな効果があると思いますが、パソコンやインターネットなど情報化機器を利用することによっての利点について伺います。

◯平林都民生活部長 理事ご指摘のように、NPO法人の制度は、所轄庁による監督をできるだけ少なくする反面、法人の活動内容を情報公開することによって、市民がその活動を評価し、支援するものでございます。
 都においてもこのことを重視し、NPO法の運用指針におきまして、NPO法人みずからが広く市民に対して自主的に説明するよう求め、さらに、認証、監督の各段階におきまして、法令違反等の疑義がある法人に対して、市民への説明要請の制度を実施しております。
 今後、法人がパソコン等で資料を作成したりすることによって効率的に資料作成ができるとともに、都民が自宅からインターネットで希望のNPO法人の定款等の書類を容易に見ることができるようになります。これによりまして法人が行う活動が活発になり、また、それへの参加と支援がさらに促進されるとともに、法人に対する市民のチェック機能も有効に働くものと考えております。

◯吉原委員 私もNPO法人の閲覧書類を見たことがありますけれども、役員名簿などには役員や社員の住所など個人情報が含まれているわけであります。これまでは実際に来庁した人しか閲覧できなかったのに対して、インターネットによる場合については、不特定多数の都民がNPO法人に関する情報を見ることができることになるわけであります。
 しかし、個人情報保護の観点から申し上げて、一定の配慮をする必要があると思うわけでありますけれども、その点についてはどのようにお考えになっているのか、お尋ねいたします。

◯平林都民生活部長 ご指摘のとおり、インターネットで公開される情報の中には、個人の氏名や住所が記載された役員名簿、社員名簿など、個人情報を含む書類がございます。インターネットによる公開は、所轄庁が行う情報公開の利便性向上につながりますけれども、情報に対するアクセスが容易になることや不特定多数の都民が縦覧、閲覧できるようになることなど考えますと、個人情報保護の観点から一定の配慮が必要であると考えております。
 まず、特定の個人が識別される点につきましては、役員、社員等の氏名のみ公開し、住所は非開示として、インターネットでは見られないようにする予定でございます。
 また、犯罪防止の観点からは、法人や個人の印影などにつきまして非開示とすることを考えております。

◯吉原委員 一定の配慮がされているということであります。
 今回の条例の改正は、制度の運用に大きな変化が生じるため、都民やNPO法人に確実に周知されることが大切だと思います。特に東京のNPO法人は六千を超えているわけでありまして、その中には、今まで情報化に縁が薄かった団体も少なからず含まれているので、配慮が必要ではないかというふうに思います。
 今回の制度改正について、都は広く都民に対して、また、既存のNPO法人に対してどのように周知するおつもりなのか、お伺いをいたします。

◯平林都民生活部長 まず、都民全体への周知といたしましては、都発行の実用的なマニュアルである特定非営利活動法人ガイドブックや都のホームページに掲載するほか、NPO法人の設立を希望する都民からの相談等の機会をとらえて、このたびの制度改正について説明を行ってまいります。
 また、これに加えて、約六千の都所轄法人すべてに対しまして、今回の条例改正の趣旨や内容につきまして簡潔にまとめた文書を送付するなど、きめ細やかな周知に努めてまいります。

◯吉原委員 日ごろから、NPO法人の関係者から、書類作成や閲覧などの事務が面倒だ、活動を行うに当たって大きな負担となっていると聞いておりました。今回の改正によって書類作成がパソコン上で可能になり、保存、閲覧も電子化が可能になったということで、事務処理の効率化が十分図られるようになると思います。
 また、法人の情報がインターネット公開によって都民のNPO法人に対する理解が深まるとともに、活動への支援の輪が広がって、また、都民による法人に対する緩やかな監視とも相まって、法人制度のさらなる発展にもつながっていくことと思います。
 今後のNPO活動のさらなる発展を期待いたしまして、質問を終わります。

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