【本会議】平成20年6月18日 平成20年第2回定例会

2008.06.18 : 平成20年第2回定例会

◯四十五番(吉原修君) それでは、来月開催されます北海道洞爺湖サミットについてお伺いをいたします。
 八年ぶりに日本で開催される今回のサミットでは、世界各地にさまざまな災害を引き起こしている地球温暖化への対策、アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界経済の減速、原油を初めとする資源の高騰、急速に深刻さを増してきた食糧問題など、世界で直面している喫急の問題について激しい議論が行われるものと思います。
 世界共通の課題解決に向けて、世界をリードする国々が一歩でも二歩でも前に踏み出すために、議長国である日本の力が試される場になるのではないでしょうか。
 日本はこれまで、独自の技術革新を続け、環境や省エネ技術など、さまざまな分野で世界の繁栄に責献してきたことや、ODAなどを通じ、発展途上国に対する経済協力にも積極的に取り組んできました。今回のサミットによって、福田首相が議長国としてその役割を果たし、成果を出すことができれば、日本がこれまで果たしてきた実に多くの国際貞献が結果的に再認識され、日本に対する評価は大きく変わることになると思います。
 同時に、二〇一六年オリンピック・パラリンピックの立候補都市に決定した東京が、これから臨む厳しい招致レースへの大きな追い風にもなると思います。政府には、議長国としてのでき得る限りの采配を振るってほしいと期待をしているところです。
 そこで、知事に、間もなく開催されます洞爺湖サミットに対しての所見をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、スポーツ振興について伺います。
 知事は所信表明で、スポーツ振興基本計画を夏に策定すると発表いたしました。スポーツを軸とした都市づくり、だれもがスポーツに親しむ社会の実現という理念のもとに基本計画を策定されることと思います。
 当然、障害者スポーツもこの計画の範疇に入るものと思われますが、基本計画を策定されるに当たり、障害者スポーツをどのような形で位置づけるのか、お伺いをいたします。
 世界に通用するトップアスリートを育成する方策や、また、子どもから高齢者までの多くの都民がスポーツに親しみ、楽しめる方策に加え、顕著な成績やスポーツ振興に功績を残した対象者に対する表彰制度の充実も大変重要であります。見解を伺います。
 スポーツの祭典、オリンピック・パラリンピックでは、人種、障害の有無に関係なく、トップアスリートの目覚ましい活躍に世界が熱く沸きます。それは、想像を超えて大きな勇気と希望を感じ、多くの感動を覚えるからです。
 四年前、石原知事は、間髪を入れず、早速アテネオリンピックでの都民の金メダリストに東京都栄誉賞を贈り、表彰いたしました。都民のだれもが異論なく、結果を出した金メダリストに拍手を送り、栄誉をたたえたものです。
 パラリンピックの精神は、すべてのスポーツの礎です。そして今やパラリンピックは、競技性が高く、おせっかいな感情を必要としない大会であります。自立をし、社会参加を見事に果たしながらのパラリンピック金メダリストの活躍も、数々の障害を克服してきた結果ではないでしょうか。
 健常者であろうと障害者であろうと、レベルの高い技術や並外れた強い精神力を競技を通じて発揮して、結果を出したパラリンピック金メダリストには同等の価値があり、同等の称賛を送るべきと考えます。
 間もなく開催される北京オリンピックでの東京都栄誉賞の選考時には、表彰規則にのっとって、オリンピックの金メダリストはもちろんのこと、パラリンピックの金メダリストにも、同様の表彰をして栄誉をたたえるべきと思います。見解を伺います。
 次に、観光政策について伺います。
 都は、観光を新たな産業として観光産業振興プランを策定し、二〇一六年までに年間一千万人の外国人旅行者が訪れる東京を目指して、世界に誇る東京の魅力を発信しています。東京には、江戸以来の独自文化や、近年、外国人にも気軽に受け入れられてきた豊かな食、ナノテクノロジーを初めとする世界最高の技術など、多様な集積があります。
 昨年、外国から見た日本の観光スポットとして、ミシュランの日本版旅行ガイドが初めて出版されました。都内では、三つ星がついたスポットが九つ、二つ星が三十二、一つ星が三十、無印が百三ありました。中でも、この都庁舎や国際フォーラム、明治神宮、高尾山など、近代的なものから伝統的なものまでありました。特に高尾山は、外国人にとっても大きな魅力のスポットであることを知らされました。
 このように海外から日本の観光スポットを評価されるのはまれでありまして、海外から見た東京のイメージを、今後、海外セールスに生かしていくことも大変重要であると思います。
 そこで、外国人から見た評価を都としてどのように受けとめているのか、また、今後、観光にどのように生かしていくのかをお伺いいたします。
 また、都内には、まだまだ十分知られていない観光資源がたくさんあると思います。例えば、行政が直接かかわりを持っている文化財でも、国指定や都の指定、さらに、区市町村指定を合わせると約六千三百件にもなります。こうした貴重な観光資源を精査して、外国人旅行者向けにもっとPRするとともに、施設の入場料の割引なども含め、訪れやすい環境をつくることは、都の役割が最も大きいものです。
 各局連携して全庁的に検討していくべきと思いますが、見解をお伺いいたします。
 同時に、直接外国人旅行者とかかわりを持つ旅行事業者の役割も大変重要であり、都内にある観光資源をいかに理解をしてセールスしてもらえるかが大切だと思います。日本の宿泊事業者が外国人宿泊者にアンケート調査をした結果、断トツに多かった回答が、もっと広告や情報を提供し、プロモーションすべきとのことでありました。
 観光資源を幅広く知り得ている都として、シティセールス時以外にも、旅行専門業者と定期的に情報を共有する取り組みをしていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
 次に、公営交通について伺います。
 地元の大きな期待を乗せて、荒川区の日暮里駅と足立区の見沼代親水公園駅を結ぶ新交通日暮里・舎人ライナーが、去る三月三十日に開業いたしました。開業日は、マスコミにも大きく取り上げられていましたが、始発前から駅に長い行列ができるほどの人気で、その日の利用は約七万人を超えたとのことです。
 そこで、ライナー開業後の利用状況と今後の見通しも含め、見解をお伺いいたします。
 開業して実際にライナーを利用したからこそ出てくる多くの改善要望もあろうかと思います。我が党でも、ライナー沿線の足立、荒川、北区の各地元の都議から、ダイヤ改正に関して強い要望が出ております。開業前の公営企業委員会の質疑においても、我が党の高島議員から、早朝やラッシュ時間帯などのダイヤについては、開業後の実態利用に合わせ、早期の改正も検討していくべきではないかと問題提起をいたしました。
 そこで、開業後の利用状況を踏まえ、交通局としてライナーの運行ダイヤについてどのように考えているのか、ダイヤ改正の予定があるのかどうなのか、伺います。
 公共交通にとっては、利用者本位のサービスの提供はもちろん重要ですが、安全・安心の確保は何よりも大切です。
 来月七日からは洞爺湖サミットが開催されますが、今回のサミットは、平成十三年のアメリカでの同時多発テロ事件以降、国際的なテロの脅威が高まっている中での開催となります。サミットはテロリストにとって格好の攻撃対象であり、我が国がテロの標的となる可能性も否定できません。
 平成十七年のイギリスのグレンイーグルズサミットでは、首都ロンドンにおいて地下鉄、バスをねらった同時多発テロ事件が発生したことがありました。今回のサミットにおいても、開催地から離れた首都東京が標的となる危険性があります。
 東京都も、先日、都議会も参加してのテロ防止東京会議を開催し、知事を本部長とするテロ警戒推進本部を設置して、サミット開催に向けて、行政と地域団体、公共機関、事業者団体などによる官民一体となった警戒の強化に取り組んでいます。
 首都東京の交通網の一角を担う交通局としても、輸送の安全確保のために、サミットに向けての万全のテロ対策をとる必要があると思いますが、所見を伺います。
 次に、生物多様性の保全について伺います。
 東京は、世界的にも有数の大都市であるにもかかわらず、奥多摩などの山地、丘陵部の谷戸、里山、市街地の雑木林、島しょの原生的な自然など、多種多様な自然環境があります。
 しかし、開発など緑の減少に伴う生物の生息、生育地の減少などによって、生物の多様性が脅かされています。特に希少野生動植物については、絶滅の危機に瀕している種もあり、確実に保護していかなければなりません。国のレッドリストや東京都のレッドデータブックは、まさに希少野生動植物を保護するための基礎資料です。
 町田では、平成十五年、桜の新種でホシザクラが発見されました。ホシザクラは絶滅の危機に瀕している種として、昨年、国のレッドリストに早速掲載されました。
 都では、平成十年三月、レッドデータブックを作成いたしましたが、作成以来改定することなく十年が経過しています。
 そこで、こうしたホシザクラのような都内の希少野生動植物の新たな情報を都民に広く知っていただくために、早期に改定すべきだと思いますが、今後の取り組みについて伺います。
 改定するに当たっては、希少野生動植物の現状を可能な限りきめ細かく把握して、精度を高めていくことが重要だと思います。そのためには、文献情報の収集や整理に加え、都内の各地域において、希少野生動植物に関しての情報を都民や団体、研究者などから広く集めることも必要ではないでしょうか。
 現在でも、ホシザクラについて、町田市在住の地域の皆さんがグループをつくり、保護、保全をしたいという目的を持って分布状況を調査し、まとめています。このように、他の地域でも都民が新しい貴重な情報を整理している可能性も十分にあると思います。
 そこで、今回の改定作業の中では、こうした希少野生動植物に関する情報についてどのように把握していくのか、伺います。
 希少野生動植物を守り、生物多様性を保全することは、東京の貴重な自然環境を次代に引き継いでいく上で極めて重要なことであります。
 希少野生動植物の保護をしていくためには、レッドデータブックを改定することはもちろんでありますが、開発などの危機にさらされるような場合には、都としても強い配慮を求めるなど、希少野生動植物の生息、生育環境を確保していくことが必要であると考えます。
 見解をお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

◯知事(石原慎太郎君) 吉原修議員の一般質問にお答えいたします。
 洞爺湖サミットについてでありますが、サミットの重要テーマである地球温暖化問題に限っても、日本は、太陽光発電や東京の驚異的に低い漏水率など、世界をリードできる高い技術を保有しております。
 また、東京メトロ副都心線の安藤忠雄さんのアイデアによる新しい渋谷駅のように、冷暖房の装置を装着せずに、自然換気のための巨大な吹き抜け穴を持つような、非常に斬新なすばらしいアイデアも備えております。
 そうしたみずからの力を、正確な文明観に基づいて正確に認識し、それを踏まえた上で国家としての戦略を展開していくことが必要であると思います。
 サミットでは、各国がそれぞれの国益を構えて厳しい交渉になると予想されますが、政府には、議長国として、日本と世界の将来を切り開く覚悟を持って洞爺湖サミットのかじ取りを担ってもらいたいものだと思います。
 また、主題の環境問題に加えまして、ご指摘のように、原油、穀物、諸物価の高騰を引き起こしている市場原理主義にのっとった金融の過剰なマネーゲームの動向なども、これはやはり先進国が合議して、ある抑制をする、規制をするといったことも積極的に考えて、具体的な施策も講じてもらいたいと思っております。
 なお、他の質問については、関係局長から答弁いたします。
   〔生活文化スポーツ局長渡辺日佐夫君登壇〕

◯生活文化スポーツ局長(渡辺日佐夫君)
 スポーツ振興に関する三点の質問にお答えいたします。
 まず、スポーツ振興基本計画における障害者スポーツの位置づけについてでありますが、これまでも、障害のある方々の健康増進や社会参加を促進するため、関係局と連携し、障害者スポーツの振興を位置づけてきました。
 今回の計画では、これに加え、平成二十五年に開催される全国障害者スポーツ大会や、その三年後に控えたオリンピック・パラリンピックの招致を見据え、障害者アスリートの競技力向上についても、関係局と検討し、明確に位置づけてまいります。
 こうした取り組みを通じて、障害の有無にかかわらず、だれもが分け隔てなくスポーツに親しむことができる社会、スポーツ・フォア・オールの実現を目指す所存でございます。
 次に、スポーツ表彰の充実についてでありますが、世界のトップアスリートが競うオリンピック・パラリンピックで活躍し、優秀な成績をおさめることは、多くの都民に夢と感動を与えるものであり、アスリートを目指す人々の励みともなるものでございます。
 一方、スポーツ・レクリエーションの普及振興に長年にわたり貢献した功績をたたえることは、スポーツの振興を図る上で重要なことであります。
 今後、障害者も含めた、だれもがスポーツに親しめる社会を目指す観点から、関係局と連携し、スポーツ表彰の充実を図ってまいります。
 最後に、東京都栄誉賞表彰についてでありますが、東京都栄誉賞は、特に顕著な業績により、広く都民に敬愛され、社会に明るい夢と希望と活力を与え、東京都の名を高めた者に対して、その栄誉をたたえて表彰する制度であります。
 ご指摘のとおり、オリンピックの金メダリストと同様、パラリンピック金メダリストも、一人のアスリートとして、その持てる力を最大限発揮し、都民及び社会に大きな夢と希望を与えてくれた点では同じであると認識しております。
 北京オリンピック・パラリンピックにおいて、こうした優秀な成績をおさめた該当者がいる場合には、東京都栄誉賞の選考の対象となるものと考えているところでございます。
   〔産業労働局長佐藤広君登壇〕

◯産業労働局長(佐藤広君) 観光振興に関する三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、外国人から見た東京の観光スポットの評価とその活用についてですが、ミシュランガイドにおきまして都内で三つ星のついたスポットは、近代的建築物から豊かな自然にまで及んでおりまして、東京の多様な魅力が改めて評価されたものと認識をしております。
 これまでも都では、シティーセールスやコンベンション誘致などのさまざまな場面におきまして、海外からの評価を踏まえ、東京の多様な魅力を発信してまいりました。
 これらに加えまして、今年度は、魅力ある都内の観光スポットや旅行者向けの支援策につきまして、新たに都内在住の外国人から意見や提案をお聞きしまして、観光資源のPRや受け入れ体制の整備に生かしてまいります。
 次に、観光資源の活用についてですが、東京には、外国人にとって魅力ある貴重な文化財などが多数ありますことから、これらを観光資源として活用していくことは極めて重要であります。これまでも、多言語化したウエブサイトや、ハンディーガイドにより文化財の紹介などを行いますとともに、美術館や博物館など、施設の入場料の割引も行ってきたところであります。
 今後、ウエブサイトのより一層の充実や割引施設の拡充を図るほか、文化財などを活用した誘致促進策について関係各局で検討いたしまして、外国人旅行者がより訪問しやすい環境を整備してまいります。
 最後に、民間事業者との情報の共有についてですが、外国人旅行者の誘致を促進するためには、行政と民間が一体となった観光振興策を展開していくことが重要であります。海外へのシティーセールスの実施に当たりましては、都と観光事業者がともに開催地に赴きまして、海外の旅行会社との商談会やセミナーを行っております。
 また、毎年、海外の観光関連出版社や旅行事業者などを東京に招きまして、東京の観光の魅力に直接触れる機会を提供することによりまして、現地のメディアによる情報発信や旅行商品の開発を促してきているところでございます。
 今後、ご提案のありました国内の旅行業者などとの定期的な情報交換の場を設けまして、民間事業者との連携を一層強化して、外国人旅行者の誘致を促進してまいります。
   〔交通局長島田健一君登壇〕

◯交通局長(島田健一君) 三点のご質問にお答えをいたします。
 まず、日暮里・舎人ライナー開業後の利用状況と今後の見通しについてであります。
 開業当初は、新聞、テレビなどマスコミに大きく取り上げられ、また、地元区主催の記念イベントが開催された影響などもあり、予想を超える多くの方々にご利用いただきました。その結果、四月の利用者数は月間で約百六十万人となり、順調なスタートを切ることができました。
 今後は、開業当初に比べ、利用者数も落ちついていくものと思われますが、引き続き、多くのお客様にご利用いただけるよう、PRやサービスの向上に努めてまいります。
 次に、日暮里・舎人ライナーの運行ダイヤの考えとダイヤ改正の予定についてであります。
 日暮里・舎人ライナーのダイヤにつきましては、各駅の需要予測、車内の混雑率等を考慮するとともに、夜間の保守作業に必要な時間を確保して設定したものであります。
 しかし、開業後約二カ月間の利用状況を見ますと、朝夕の一部ラッシュ時間帯の混雑率が高い状況にあります。また、早朝、夜間のダイヤの見直しを求めるお客様の声も多くいただいております。
 こうしたことから、お客様の利便性の向上を図るべく、始発時間の繰り上げ、朝夕ラッシュ及び夜の時間帯の増発を内容としたダイヤ改正を、七月を目途に実施してまいります。
 最後に、サミットに向けてのテロ対策についてであります。
 交通局では既に、今回のサミットに向けまして、都のテロ警戒推進本部の発足に合わせ、局長の私をトップとする交通局テロ警戒推進本部を設置し、対策を段階的に強化しているところであります。
 具体的には、警察、消防等と合同で実践的なテロ対策訓練を実施するとともに、駅構内、列車内において警備員を大幅に増強し、早朝から深夜まで、きめ細かく巡回等の警備を実施してまいります。また、都バスにおきましても、車内やターミナル等での警戒を強化し、不審物等の早期発見に全力を挙げてまいります。
 今後とも、国や警察、消防等の関係機関や、東京メトロなど他の交通事業者とともに、密接に連携を図り、テロ対策に取り組んでまいります。
   〔環境局長吉川和夫君登壇〕

◯環境局長(吉川和夫君) 生物多様性の保全に関する三点のご質問にお答えいたします。
 まず、レッドデータブックの改定に向けた取り組みについてでございますが、東京都版レッドデータブックは、平成十年に、希少野生動植物の保護を図っていくことを目的に策定いたしました。その後、一定の年数が経過している中、希少野生動植物の生息、生育状況も変化していると考えられるため、今般、レッドデータブックを改定することといたしました。
 今後、希少野生動植物に関する情報の分析、評価等を行うため、できるだけ早期に、研究者等で構成する検討会及び野生動植物の分類に応じた専門部会を設置し、文献調査、必要に応じた現地調査などの重層的な調査を行い、より精度の高い改定版を策定してまいります。
 なお、国が策定したレッドリスト等につきましても、都のホームページを活用いたしまして、都民に情報提供してまいります。
 次に、希少野生動植物に関する都民等の情報の把握についてでございますが、希少野生動植物について独自に現地調査を行った都民、団体、研究者等が有する情報は、レッドデータブックの精度を高めていく上で有益でございます。また、希少野生動植物に関する情報提供を広く都民等に呼びかけ、協力を得ていくことは、野生動植物の保護の機運を高めていくことにもつながるものと考えております。
 そこで、今回の改定作業に当たっては、都がみずから実施する文献調査に加え、この秋から、希少野生動植物に関する情報を都民等から広く募集し、複合的な情報収集を行っていくことで、東京都版レッドデータブックの精度をより一層高めてまいります。
 最後に、希少野生動植物の生息、生育環境の確保についてでございますが、都はこれまで、東京都版レッドデータブックを基礎資料として活用し、自然保護条例に基づく開発許可制度や保全地域の指定により、希少野生動植物の生息、生育環境の確保に努めてまいりました。
 今後とも、開発により希少野生動植物の生息、生育環境が脅かされるような場合には、開発許可制度により、開発計画そのものにまでさかのぼって希少野生動植物に対して配慮を求めるなど、強く事業者を指導し、東京に残された希少野生動植物の保護に努めてまいります。

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