【委員会】平成19年11月15日 平成19年文教委員会

2007.11.15 : 平成19年文教委員会

◯吉原委員 それでは、私の方から、東京都の教育の日について若干お伺いをさせていただきたいと思います。
 これまで我が党は、区市町村との連携を図りながら、家庭あるいは学校や地域におけるさまざまな取り組みを拡充して心の東京革命を着実に推進するとともに、東京都教育の日を中心に、保護者や都民が子どもたちの教育をともに考える契機となる事業をしっかりと実施されるように、こういうふうに意見を述べてまいりました。先日の事務事業でも説明がありましたけれども、心の東京革命教育推進プランを引き続き推進して、東京都教育の日に関する事業などを実施していく、こういう説明をいただいたところでもございます。
 そこでまず、確認の意味で、東京都教育の日が制定された経緯と目的についてお尋ねをいたします。

◯三田村生涯学習部長 平成十二年に策定されました心の東京革命行動プランにおきまして、教育の日を設定し、心の東京革命に関する各事業の集中的な実施や、学校から家庭、地域への働きかけを行うことにより、子どもたちの健全育成を社会全体での取り組みへと展開していくことが示されました。
 その後、平成十五年に改定した心の東京革命教育推進プランにおきましても、都教育委員会としての教育の日を設定することを明らかにいたしましたが、これを受けまして、平成十六年二月に、都民の教育に関する関心を高め、次代を担う子どもたちの教育に関する取り組みを都民全体で推進し、都における教育の充実と発展を図ることを目的といたしまして、十一月の第一土曜日を東京都教育の日に制定したものでございます。

◯吉原委員 ことしの都の教育の日に当たりまして、今年度のポスターとリーフレットを拝見させていただきました。いずれも食育をテーマとした児童や生徒、子どもたちによる標語の部門、あるいはレシピの部門の優秀作品が載せてあったわけであります。このポスターやリーフレットを私も拝見して、本当に教育の日という事業が、行政、学校あるいは地域や保護者と一緒に取り組む事業として行われている様子が都民に理解をしていただいているんだろうかというふうな疑問を持ったところでもございます。
 これまでの教育の日に関する取り組みの内容と実績をお教えいただきたいと思います。

◯三田村生涯学習部長 都教育委員会は、毎年、東京の教育にかかわる重要な事項の中から当該年度における教育の日のテーマを定めており、今年度は、子どもの生活習慣確立、生活リズムと食育をテーマとしております。テーマに沿って標語などを都内の児童生徒を対象に募集し、優秀作品を表彰するとともに、ポスターやリーフレットで広く紹介しております。
 今年度は、国立、私立も含めました都内の幼稚園や小中学校、高等学校のほか、都の施設などで教育の日の趣旨や今年度のテーマに沿った合計で約六千八百の事業を実施する予定であり、多くの学校では保護者や地域の人々の参加が可能な事業を実施しております。
 また、今年度より、公立学校でのすぐれた事業実践や特色ある教育活動を都内の公立学校に普及啓発し、また、広く都民にも紹介することにより教育の充実に生かそうと東京都教育実践発表会を開催するなど、教育の日事業の充実に努めているところでございます。

◯吉原委員 毎年テーマを設定して、事業の数も年々ふえている、こういうことでありますけれども、もう既に制定から三年経過している現在でありますから、制定当初の強い思いというものがだんだん薄れてきているのかなという感じがちょっとしているわけであります。今後、教育の日の趣旨がますます都民の皆さんに浸透されるように、学校、保護者、地域などが一体となって教育に取り組むことが当然必要でありますから、そのためにも、教育委員会がこの教育の日というものに重点を置いていただいて、取り組みにもっと工夫を加えていく必要があるんではないかというふうに思っているところでもございます。
 教育のテーマを見ても、十七年度については学校と地域、家庭の連携、こういうことでありました。そして、十八年度は子どもの生活習慣確立、今年度は生活リズムと食育、こういうことでありますけれども、何かこのタイトル、テーマといいましょうか、その対象が限定されているような感じがするわけであります。東京都の教育の日というからには、もっと広くわかりやすい大きなテーマを選定していただいて、地域全体を巻き込んだような事業にしていただきたいなというふうに感じているわけであります。
 それにしても、私の周りではこの教育の日というのがあるということ自体を知らない方々はまだまだたくさんいるわけでございまして、それはなぜかなというふうに考えたところ、ある程度学校の中にもそれぞれ教育委員会を通じて事業をお願いしている部分があるんだろうと思いますけれども、肝心かなめのこの十一月の第一土曜日、教育の日として制定をしているわけでありますけれども、この日に何か事業を全くやっていないからではないかなというふうに思わざるを得ないわけであります。
 ですから、この十一月の第一土曜日の教育の日というふうに制定をされているわけでありますから、当然のことながら、教育の日としてとらえて、その日に何かしら事業を行うべきではないかなというふうに思います。先ほども答弁にありました教育の日に係る標語やポスターなどの表彰式は若干その前後にやられているようでありますけれども、そうはいっても、服部委員からもかつてから意見もいわれているわけでありますけれども、教師に対しても励ますという意味で何らかのことをやっていく必要が当然あるんだろうと思いますし、あるいは学校を取り巻くPTAの皆さんや、学校にボランティアとして部活なんかにお手伝いをいただいている人たち、そういった方々にも対象を広げていただいて表彰する機会をとるべきではないかと考えますけれども、見解を伺います。

◯三田村生涯学習部長 教育の日の広報につきましては、「広報東京都」や都教委のホームページに掲載するとともに、十月下旬から十一月上旬にかけて、すべての都バス車内及び東京メトロ全駅でのポスター掲示などの広報には努めてまいりました。また、平成十九年度には、すべての都立学校と九七%の公立小中学校で教育の日事業に取り組んでおり、これらの事業の実施を通じて、教育の日の趣旨が都民にあまねくとはいえませんが、一定の進展をしてきているものと考えております。
 今後は、今年度までの実施状況などから課題の整理や検証を行うことによりまして実効ある広報活動の充実を図るとともに、より適切なテーマ設定を行うなど、教育の日の趣旨をさらに浸透させるとともに、区市町村立のすべての小中学校において保護者や地域を巻き込むような事業を実施することを目指してまいります。また、十一月の第一土曜日に都教委として表彰式を初めとする教育の日にかかわる象徴的な行事を実施することにつきましても、検討を進めてまいりたいと考えております。

◯吉原委員 都民の皆さんに教育の日だということを浸透させていく手段というのはなかなか難しいし、大変なことだろうというふうに思いますけれども、それにしても、東京メトロ、地下鉄だとか都バスの範疇の中だけというのは何か寂しいような気がいたしますので、もう少しPRの方法を考えていただければありがたいというふうに思います。
 また、今、ご答弁いただきましたけれども、公立小中学校で、九七%の学校で取り組み、実績があり、着実に事業が浸透している、こういうようなお話もいただいているわけでありますけれども、逆に考えて、大変失礼ですけれども、都内の中の公立学校は二千以上あるわけでありますから、その残りの三%といってもそこそこの数の学校がまだこれに対応、参加をされていないということでございます。そういった意味では、ぜひ全都的に、公立学校、少なくとも公立学校の皆さんにはこの教育の日ということをしっかりと周知していただくためにも、都教委としても危機感を持っていただいて、次代を担う子どもたちの教育を都民全体で進めていく、そういう意味での充実を今後図っていただきたいというふうに思っているところでもございます。
 最後で恐縮ですけれども、先ほど教育の日において、教育に携わるPTAの皆さんや地域のボランティアの皆さんも含めて、こういうふうな対象を広げてくださいというお話をさせていただきましたけれども、今、都内のすべての小中高の学校が対象となりますと、都教委による表彰というだけでは、全都的な表彰だけではごく限られてしまうわけでございまして、そんなことを考えると、各学校にも周知をしていただく、あるいはPTAや地域の皆さんにも理解をしていただくという意味においては、学校単位で学校長が責任を持って表彰するということも当然可能なわけでございますから、そういったことも教育の日に、各学校で熱意を持ってしっかりと教育に当たっている教師の皆さん、あるいはPTAの皆さんや地域のボランティアの人たちに対して、そういった基本的なといいましょうか、何か条件整備をきっちりと都教委の方でもそろえていただくと、さらに教育の日というのが都民の中にも浸透していくんではないかなというふうに思いますので、そのこともあわせてこれからもご検討をお願いさせていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

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