【本会議】平成16年9月29日 平成16年第3回定例会

2004.09.29 : 平成16年第3回定例会

◯二十四番(吉原修君) 石原知事はこれまで、羽田空港の国際化に向けて国に強く働きかけ、ハブ空港実現へと多大な尽力をされてこられました。と同時に、横田基地の軍民共用化推進を掲げ、政府に対してもまた、アメリカに直接出向くなど、積極的な交渉を進められ、現在では日米間の協議をされるまでに進展してまいりました。
 しかしながら、在日米軍の再編について、昨今の報道によりますと、アメリカ側は、ワシントン州にある陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間への移転、厚木基地機能の岩国基地への移転及びグアムと横田の空軍司令部の統合などを日本側に提案しているとのことであります。横田基地については、自衛隊航空総隊司令部の移駐なども検討されているといわれております。在日米軍の再編について、このところ多くの報道がされている一方、具体的なことは全く見えてきません。
 これまで横田基地の軍民共用化を進めている知事として、在日米軍の再編の議論についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。
 次に、厚木基地へのスーパーホーネットの配備について伺いますが、昨年、空母キティーホークの艦載機として厚木基地に配備されていた十一機のトムキャットが、十三機のスーパーホーネットに変更されました。また、明日、三十日には、ホーネット十三機がスーパーホーネットに機種変更される予定となっております。スーパーホーネットは、従来の機種と比較するとエンジン出力が約三五%大きく、そのため、騒音の影響が今まで以上に懸念されております。現在でも町田市民は大きな騒音に我慢を余儀なくされておりますが、さらなる騒音が心配です。
 厚木基地へのスーパーホーネットの配備について、これまでの経緯と都の対応についてお伺いをいたします。
 厚木基地の飛行騒音は、配備される機種や飛行ルートの変更などによって大きく変わるわけですが、防衛施設庁では、飛行騒音による住宅防音工事助成事業の対象区域を指定しており、町田においても、ごく一部の狭い地域が現在対象区域に含まれております。しかし、現在の地域が指定されたのは二十年も前のことで、これまで長年にわたって飛行騒音に悩まされてきた市民には耐えがたいものがあります。
 防衛施設庁では対象区域の見直しの調査を進めてきており、指定区域見直しのために、先月、八月末には防衛施設庁と基地周辺の関係市との協議が開かれるのではないかと、市民は大きな期待を寄せておりました。ところが、突然の機種変更により、いまだ対象区域の見直し予定が明確ではありません。都では毎年、厚木基地の航空機騒音測定を行っており、平成十五年度の測定結果でも、測定地点でうるささ指数が環境基準を超えている結果が出ております。
 この状況を踏まえ、住宅防音工事助成事業の対象区域の見直しに対する今後の見通しと、航空機騒音への都としての今後の取り組みについて伺います。
 次に、障害者のIT利用について伺います。
 近年、IT社会の進展は目覚ましく、障害者の皆さんにとっては、日々生活していく上でITの活用はとても大きな意義があろうかと思います。
 現在、東京都は、グループホームや通所施設の整備など、障害者の地域での自立生活を支援する施策を進めておりますが、こういったハード面の整備に加え、多くの障害者がITを有効に活用することができれば、世の中の情報をより知り得る手段が広がり、ひいては、就労へのチャンスにもつながっていきますし、地域での生活がますます豊かに暮らしやすくなると思います。
 都としても、障害者の方々がITを有効に利用することの意義をどのように考え、取り組まれてきたかをお伺いいたします。
 IT技術は日進月歩であり、障害者の方々が活用するまでには数々の壁があります。障害者の皆さんや関連団体からは、パソコンの使用に当たって、いつでも相談に乗ってもらえる支援機関の設置や、自宅まで来て指導をしてもらえるボランティアの派遣制度など、強い要望があります。都としては、障害者のITの利用機会や活用能力を高めるために、ITに関しての総合的なサービスを提供できる支援センターを早急に設置すべきであります。そして、民間企業のノウハウも取り入れながら、障害者のためのIT利用を積極的に推進していくべきではないでしょうか。
 支援センターが設置できれば、多くの障害者の皆さんがこのセンターを利用してIT技術を身につけることができると思います。さらには、二十六の区や市が取り組んでいる障害者就労支援事業と連携することが行く行く可能になれば、一般企業などで働くチャンスが一層広がると思います。
 ITを通じて企業への就労を目指す意欲ある障害者を支援していくことは、障害者の社会参加や自立への機会が多くなり、さらに、就労へのバリアフリーへとつながっていくものと考えます。IT利用を支援するセンターは障害者の就労にも道を開くものと考えますが、所見を伺います。
 次に、石原知事に都民栄誉表彰について要望のみをさせていただきたいと思います。
 アテネオリンピックでは、世界のトップアスリートの目覚ましい活躍に多くの感動を覚えると同時に、かつてない日本選手団の活躍は、私たち日本人にとっても大きな勇気と希望を与えてくれました。都はその功績に対して、都民の金メダリスト六名に、明日九月三十日に栄誉賞を贈って表彰すると、先日発表したところであります。まことに時を得た表彰であり、都民だれもが異論なく拍手を送ることは間違いありません。
 さて、昨日までの十一日間にわたり、パラリンピックが開催されました。前回のシドニーパラリンピックよりも参加国が大幅にふえ、百三十六カ国・地域の約四千人の選手が世界の頂点を目指し、熱い戦いを展開してまいりました。今やパラリンピックは、競技性が高く、おせっかいな感情を必要としない大会であります。この大会で日本選手団は、五十二のかつてないメダルを獲得し、ソウル大会を上回る結果を出しました。東京都在住の選手も、世界の厚い壁を乗り越えて、金二個、銀四個、銅五個のメダルを獲得したところであります。
 パラリンピックの精神は、すべてのスポーツの礎です。自立をし、社会参加を見事に果たしながらのトップアスリートの活躍は、数々の障害を克服してきた結果ではないでしょうか。健常者であろうと、障害者であろうと、高い技術や強い精神力を競技を通じて発揮し、結果を出した選手には同等の価値があり、同等の称賛を送るべきと考えます。
 今後の都民栄誉表彰の選考時には、表彰規則にのっとって、オリンピックでの表彰者に加え、パラリンピックでの功績者にも同様の表彰をすべきと思います。ご検討くださいますよう、知事に要望をいたします。
 次に、三宅島帰島準備と教育について伺います。
 ことし七月、三宅村長は、十七年二月に避難指示を解除する内容の帰島方針を公表し、島民の悲願でありました帰島が実現する運びとなりました。島民も東京都としても、帰島に向けてさまざまな準備を進めておりますが、帰島準備の中で、児童生徒が帰島した場合の学校の再開は重要課題の一つであります。
 帰島計画によりますと、三宅高校は十七年四月の再開の方向で準備をしているようですが、学校の再開には、施設の復旧は当然のことながら、島の状況を考えると、生徒の安全を確保するための脱硫装置の設置も重要であります。そこで伺います。
 そうした安全確保のための対策も含めて、工事を完了させ、来年の四月に学校が再開できるのかどうなのか、施設整備の内容とスケジュールについて伺います。
 また、教職員住宅の整備についてもあわせてお伺いをいたします。
 次に、三宅村への支援ですが、ことし四月から、三宅島災害の被災者への授業料等の免除措置の拡充、さらに、ガス濃度レベルに応じた安全確保対策への支援を進めてまいりました。帰島に向けて重要となりますのは、小中学校の施設整備であります。村の計画では来年四月からの学校再開としておりますが、確実に再開できるのでしょうか。都はどのような支援をされているのか伺います。
 平成十三年十月に、私も現地を視察いたしました。悲惨な状況でありましたから、被災されてから約四年経過した現在、さらに荒廃した家屋の復旧を含め、通常の生活を送るまでには多くの時間を必要としますし、島民の皆さんにとって、帰島してからの生活環境は大変厳しいものがあろうかと思います。
 ハードの面でも、ソフトの面でも、不安を持ちながら生活しなければならない子どもたちにとっては、大変な負担を強いられることになります。さまざまな形で子どもたちの相談や指導に当たらなければならない教員は、帰島した皆さんの気持ちをよく理解し、島民の皆さんと一体となって復興、再建にも協力しようという熱意と意欲のある人材でなければなりません。学校にとっても、村民にとりましても、そうした教員を配置することは、都として大切な支援策の一つと考えますが、見解を伺います。
 さらに、帰島に向けての対策として、帰島したいが、帰島することが困難な生徒についても、就学機会の確保をするための支援が必要であろうかと思います。島民の方々は自己責任において帰島の判断をされると思いますが、現在、三宅高校で学ぶ生徒で、健康上の理由などにより帰島できないケースや、都内の高校に通っている生徒が、保護者とともに帰島できないので、秋川宿舎の利用を希望するケースもあるかと思います。また、帰島してから健康がすぐれないといったケースなど、さまざまなケースが考えられますが、こうした生徒に対して、学習が継続できるように、引き続き、旧秋川高校の校舎や宿舎の活用を東京都が責任を持って果たしていくべきと考えます。
 こうした状況の中で、島民の方々が置かれている状況や、今後のさまざまな事態への対応も含めて考えると、旧秋川高校跡地に計画している体育・福祉高校の設置計画は、代替案を含めた抜本的な見直しを決断すべきと思いますが、見解を伺います。
 昨日の本会議で、知事は、東京の治安は回復の兆しが見え始めたという認識をお示しいただきました。治安回復の背景には、知事の呼びかけにこたえて都民自身も立ち上がったという側面があることを、いつのときも忘れてはならないと思います。
 町田市においても、これまで青年会議所が治安確保のシンポジウムを開催したり、にろくの会というNPOが中心となって、町田市の商店会や熱心な多くの市民の方々が安全・安心シンポジウムを開催してまいりました。こうした民間団体の動きをきっかけに、町田市の中心地である町田駅前に防犯カメラや防犯灯を整備して、町田市民のみならず、町田市を訪れる方々に安全と安心を取り戻そうという機運が広がっております。
 さきに申し上げたようなNPOやボランティアの活動は、町田市にとどまらず、都内各地でも盛んに行われており、都としても、こうした活動を高く評価しているものと思います。しかし、現状では、こうした団体や市民がお互いに意見やノウハウを交換し、よい意味で刺激をし合う機会がない、あるいは、そうした時間をなかなかとりにくいという声をよくお聞きいたします。
 そこで、安全・安心まちづくりを進めるためにも、仮にインターネットを利用したもので構わないと思いますが、こうした団体の交流の場を東京都が提供してもよいのではないかと思いますが、見解をお伺いいたします。
 また、都は来月から、地域の防犯ボランティアのリーダーを養成することを目的として、前回に続きまして、安全・安心まちづくりアカデミーの後期講座を開くそうであります。その日程や内容をお伺いすると、一般の都民が参加するにはなかなかハードルが高いようであります。しかし、一方では、ボランティアの皆さんの中には、もう少し手軽に防犯に関する知識を得たいと切望している方々も少なくないと思います。
 各地域における市民の自主的な防犯活動を活性化するためにも、リーダー養成だけでなく、こうした一般の都民の要望にこたえることも必要だと思いますが、見解を伺います。
 次に、町田市における警察機能の体制強化策について伺います。
 都内の刑法犯認知数は約二十九万九千件と、引き続き犯罪の多さを示しています。私たちの身の回りには、常に不安を感じる空き巣や強盗、殺人等に加えて、昨今は、おれおれ詐欺等の悪質な新たな手口の事件が増加してまいりました。
 町田市においても、相変わらず、都内の百一の警察署の中でも刑法犯の認知数は二番目に多く、検挙率は、警視庁管内平均二八・七%に対して、町田署の検挙率は何と一四%という低さであります。都内全警察署一人当たりの警察官が担当する都民の人数は、平均で約四百四十人、三多摩管内でも約六百七十人。町田署の警察官一人当たりが担当する市民は、何と八百十人にも上ります。全都平均の約二倍近くにもなるわけであります。現在のような署員に過重な負担がかかっている町田署の体制では、平等に市民の安全を確保するまでには到底至らないと思われます。
 自分たちのまちは自分たちで守るという対策と行動は、都民の間に着実に広がってきました。人口四十万を超えた町田市は、都県境に隣接し、地理的にも東西に非常に長い面積を有している、他の区市町村とは異なる特殊性を持っている中核的な都市であります。
 ちょうど一年前にも、一般質問でこの課題に触れさせていただきました。一つは、八王子に三署目の新署として設置が予定されている仮称多摩西署に、町田の一部を、行政区を越えてその役割を担っていただきたい。二つ目は、町田市内二地区へ、警察署に匹敵する機能を有した二つの拠点の新設置について。三つ目は、東急線南町田駅、そして京王線多摩境駅への交番の設置についてお尋ねをいたしました。
 当時、警視総監には、町田市の実情をよくご理解いただき、総合的に検討し、早期に結論を得たいと答弁をされました。その後今日まで、極めて前向きに検討をいただいてきたものと思います。これまでの検討状況と今後の方針をお伺いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕

◯知事(石原慎太郎君) 吉原修議員の一般質問にお答えいたします。
 在日米軍の再編、いわゆるトランスフォーメーションについてでありますが、世界的な米軍再編の動きの中で、米空軍はグアムに戦略拠点を移動しておりまして、重要な機材はほとんど横田からグアムに移っております。ゆえにも、平時における横田基地の軍事的な比重は低下しておりますし、言葉をかえていえば、横田が今まで以上に込み合うということはあり得ません。この機をとらえて、返還に向けた第一歩として、米側に一刻も早く軍民共用を迫ることが必要であると思っております。
 しかし、ハンチントンの申しました文明の衝突のごとき対立というものが、イラクでの戦争を、あるいはパレスチナの問題を起点にして、中近東からアジアにかけて拡散しているわけでありますが、そういう状況の中でも、米軍にとって日本における戦略基地というものは、今まで以上に、むしろ冷戦構造のとき以上に重要な意味と価値を持つようになっていると思います。ゆえにも、この際日本は、米側に堂々と我が国の具体的な要求を主張すべきだと思います。
 しかし、どうも国の動きを見ておりますと、国益を考えたそうした総合的な戦略が見受けられません。今度政府のスタッフもかわりましたし、相手をとらえて、改めてこの問題についての東京の立場といいましょうか、東京が認識している国益というものを主張して、政府にもうちょっと積極的に、まず第一段階として横田基地の軍民共用化への取り組みを進めるよう迫るつもりでございます。
 他の質問については、副知事、警視総監、教育長及び関係局長から答弁いたします。
   〔副知事竹花豊君登壇〕

◯副知事(竹花豊君) 安全・安心まちづくりについて二点お答え申し上げます。
 防犯ボランティア団体の交流の場についてでございますけれども、ご指摘のような防犯ボランティアの活動が都内全域で急速に拡大をいたしまして、新しい犯罪抑止力が構築されてきております。そのことで、最近の街頭犯罪、侵入犯罪等の減少傾向に結びついているものと考えているところでございます。
 このような都民の犯罪抑止活動をさらに活性化する上でも、ご指摘のように、防犯ボランティア団体相互の交流の場はぜひ必要であると考えております。
 都におきましては、昨年十二月に約百五十の団体を都庁にお招きして、経験交流の場を持ったわけでございますが、現在、インターネットを利用いたしまして、防犯ボランティア団体の活動を紹介する「いいなぁ安心ボランティアネットワーク」をつくっておるところでございますが、ご提案の趣旨に沿いまして、これをさらに充実、拡大させ、都民の方々に喜んでいただけるものにしていきたいと考えております。
 次に、防犯に関する知識の普及についてでございます。
 委員ご指摘の安全・安心まちづくりアカデミーの卒業生には、いわば防犯ボランティアのリーダー・オブ・リーダーといたしまして、アカデミーで得た防犯知識を広く都民に普及することも期待をいたしているところでございます。
 また、最近では、住民の方々を対象にいたしまして、防犯知識の普及啓発を図っております区市町村もふえております。
 また、私自身も、警察等ともご協力をいたしながら、できる限り地域の方々や児童生徒と直接お話をする機会を持ってまいりました。町田にも三度出向かせていただいております。
 しかし、委員ご指摘のように、そうした情報を求めておられる方、都民の方々がだれでも受講できるという観点から、本格的な公開講座を開設することなどを含めまして、ご提案のように、さらに多くの都民の方々に防犯に関する知識を持っていただく方策を早急に検討していきたいと考えております。
   〔警視総監奥村萬壽雄君登壇〕

◯警視総監(奥村萬壽雄君) 町田市の情勢と町田署の体制強化に関するご質問にお答えをいたします。
 町田署の業務負担が重いという点につきましては、警視庁といたしましても十分承知しておりまして、これまで、署員の増員を初め本部による応援態勢、あるいは隣接署との連携の強化を図ってきたところでありますが、さらに現在、管轄区域の見直し、あるいは大型交番の設置につきましても検討を行っているところであります。
 具体的に申しますと、町田署の管轄区域は町田市の一市でありますが、面積が大変広い上に、議員ご指摘のとおり、東西に細長いという特徴がありまして、特に八王子に隣接しております管内北西部の地域は、本署からの距離が遠いために、いろいろと不便、不都合が生じております。
 このため、この北西部の地域につきましては、町田市の行政区ではありますが、今後、八王子市の南大沢地区に、現在の八王子署を分割して新設を検討しております新しい警察署の管轄に含めてまいりたいと考えております。
 また、当面の対策として、町田市の北部地域に、パトロールの制服警察官のほか、刑事、防犯、交通等の要員を配置する大型の幹部交番を設置することにつきまして、現在、具体的な検討を進めているところであります。
 最後に、町田署管内の二つの駅の交番の新設要望についてでありますが、現在、都内全域で約八十カ所の交番の新設要望が出ております。警視庁では、交番機能の強化方策検討委員会というものを設置いたしまして、交番の新設、統廃合等について検討をしているところでありまして、ご質問の交番の新設要望につきましても、この委員会におきまして検討してまいりたいと考えております。
   〔教育長横山洋吉君登壇〕

◯教育長(横山洋吉君) 教育に関します三点の質問にお答えいたします。
 まず、三宅高校の再開時期や整備工事のスケジュール等についてでございますが、三宅高校につきましては、校舎の復旧工事とともに、脱硫装置を設置する等、生徒の安全確保に配慮した施設設備を行いまして、平成十七年四月に再開する予定でございます。
 また、整備スケジュールは、十月中旬に着工しまして、平成十七年の三月中旬には完了する予定で進めておりますし、教職員住宅の整備につきましても同様の予定で進めております。
 次に、三宅村への支援と人材の配置についてでございますが、小中学校の施設整備について、三宅村におきましては、平成十七年四月の再開に向けて、児童生徒の安全確保対策である脱硫装置を含めた復旧工事を十月中旬に着工し、三月には完了する予定と報告を受けております。
 これまで都教育委員会としましては、災害復旧にかかわる設計等に当たりまして、技術面での助言、指導や国との調整など、村に対して支援してきたところでございますが、今後も、教育庁内に設置しました帰島支援対策会議のもとで、都の三宅島帰島支援対策本部と連携しながら、小中学校の再開等、三宅村の帰島への取り組みを全力を挙げて支援してまいります。
 また、教員の適材配置につきましては重要であると認識しておりますので、ご指摘の趣旨を踏まえまして、三宅村教育委員会とも十分協議し、適切な配置ができるよう努めてまいります。
 次に、体育・福祉高校の計画の見直しについてでございますが、お話のとおり、健康上の理由などで帰島できない生徒に対しても、教育上、十分な配慮が必要でございます。関係局と協議をしまして、引き続き旧秋川高校の校舎や宿舎を活用して、生徒の実態に即した就学の機会を確保しておく必要があると考えております。
 こうした状況等も踏まえまして、旧秋川高校跡地に計画しております体育・福祉高校の設置につきましては見直してまいります。
   〔知事本局長前川燿男君登壇〕

◯知事本局長(前川燿男君) 厚木基地へのスーパーホーネットの配備についてでございますが、米海軍の空母艦載機の機種の変更に伴いまして、昨年十二月までに十三機が配備され、さらに明日から十三機の追加配備が始まる予定でございます。
 スーパーホーネットにつきましては、かねてから騒音が懸念されていたため、昨年の配備に先立ちまして、東京都は町田市とともに、国及び厚木基地に対し情報提供を求め、騒音の増大につながることのないよう要請をいたしました。
 また、本年八月には、町田市と共同で、厚木基地司令官に対し、運用面での配慮を強く要請いたしております。
 都としては、引き続き騒音実態の把握に努めますとともに、今後とも、国及び米軍に対し、情報の提供と騒音の軽減を働きかけてまいります。
   〔環境局長平井健一君登壇〕

◯環境局長(平井健一君) 厚木基地の航空機騒音に係る防音工事区域の見直し等についてのご質問にお答え申し上げます。
 厚木基地において、昨年に引き続きスーパーホーネットへの機種変更が行われ、あすから追加配備される予定でございます。
 防衛施設庁では、今回の変更に伴う影響を今後調査することとしており、その結果を分析した上で区域見直しを行うものと聞いております。
 都は、この機種変更に伴う都内での騒音状況の変化について、より詳細にデータの分析を行い、防音工事区域の実態に即した見直しを国に強く働きかけてまいります。
   〔福祉保健局長幸田昭一君登壇〕

◯福祉保健局長(幸田昭一君) 障害者の社会参加についての三点のご質問にお答えいたします。
 まず、障害者のIT利用の意義と取り組みについてでございますが、障害者がITを有効に活用することは、コミュニケーション手段の確保にとどまらず、社会参加や企業への就労機会の拡大にもつながるなど、その意義は極めて大きいものと考えます。
 都はこれまでも、重度の視覚障害者や上肢機能障害者を対象といたしまして、パソコン周辺機器の購入費を助成するとともに、在宅の重度障害者に対するパソコン技術の講習を実施してまいりました。
 また、福祉サービスの情報提供を行うホームページにおいて、文字の拡大や読み上げの機能を設けるなど、障害者がITを利用しやすい環境整備に努めているところでございます。
 次に、障害者のIT利用の推進についてでありますが、障害者がITを利用するに当たっては、視覚障害者や知的障害者など、それぞれの障害の特性に配慮したきめ細かな支援が必要であります。ご提案の趣旨を踏まえ、ITに関する利用相談や情報提供、パソコンボランティアの養成、派遣事業など、障害者に対しまして総合的にITの利用支援を行える拠点設置について考えてまいります。
 また、パソコン機器の展示やさまざまなソフトの紹介など、IT関連企業との連携についても具体的に検討してまいります。
 最後に、障害者の就労についてでありますが、障害者がITに精通することは、重度の障害者にもインターネットを活用した在宅就労の機会が広がるなど、さまざまな可能性に道を開くものであります。
 現在考えております拠点におきまして、多くの障害者がITのスキルアップを目指すことにより、就労機会の拡大につながるものと期待しております。

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