【インターンレポート】2014年9月19日町田市総合防災訓練を見学して

【インターンレポート】2014町田市総合防災訓練を見学して

吉原修事務所 学生インターン 帝京大学2年 村井杏奈

2014年8月31日、芹が谷公園をメイン会場に行なわれた、町田市総合防災訓練を見学しました。

母校の中学が近くという事もあり、同級生やその家族など、多くの知り合いにあいました。それぞれ地元の町内会の防災訓練の一環として、メイン会場に訪れたという事でした。

会場では、防災関係機関による展示や、消火器による初期消火や起震車などの体験、そして消防隊はじめ関連機関が連携して倒壊家屋からの被災者救出等の実際の災害を想定した人命救助の合同演習がありました。

実際の災害を想定した救助訓練
緊迫した空気につつまれていました

今回の訓練を見学して一番驚いた事は、今まで、防災訓練といえば、訓練を主催する行政と、参加する市民の二者によって行なわれているものだと思っていましたが、実際には、各種業界団体やボランティアの方々が参加してる事でした。

例えば炊き出し訓練といえば、行政側が準備して、行政又は町内会(市民)が、実際の炊き出しを行なう(炊き出しの訓練をする)、という形式だと思っていました。

しかし今回の訓練でお米の炊き出しをしているのは、お米屋さんの組合(町田市米穀小売商組合)でした。一見すると自衛隊が専用の炊き出し車両でカレーを作るなど、よくテレビ等の報道で見られるような光景でしたが、よくよく話を聞くとお米を炊いているのはお米屋さんの組合で、自衛隊は給食車両でカレーを作り、連係してカレーライスを被災者に配布するという訓練でした。

お米屋さんの組合による炊き出し
(町田市米穀小売商組合)

医療機関に従事する医師や看護士が災害時に活躍されている姿はよく報道等でよく見ますが、こちらもよく見ると、歯科医師や薬剤師、柔道整復師の団体も参加していました。

消防隊はじめ、自衛隊、消防団、医療関係団体はじめ
様々な団体が連携して救助にあたっています

広域の災害時などは、自分が被災した地域に必ずしも消防や自衛隊(行政)が到着するとは限りませんので、今回こうした市内の民間業界団体が災害協力をされている姿をはじめて拝見し、大変心強く感じました。

特に驚いたことが、建設業者さんが集まり、災害時に備えた組織を作っていることを初めて知りました。

一般社団法人町田市建設業協会災害対策協議会という形で組織されており、町田市内でお仕事されている建設に携わる会社、土木や水道、建築、造園等、特に専門の重機を所有していたり、免許や技術をお持ちの会社の皆さんが、積極的に集まり組織されているとのことです。

合同演習では、日頃の技術を発揮され、人が閉じ込められた車両の上に覆いかぶさる電柱や倒木を、小型のパワーショベルカー?を駆使し取り除くという作業を、レスキュー隊が到着する前に行なうという演習でした。

専門技術を生かし、車両に覆いかぶさる瓦礫を撤去
町田市建設業協会災害対策協議会


確かにレスキュー隊が到着しても、人の手では動かせない瓦礫などが覆いかぶさっていれば、救出はできないでしょうし、消防隊もそうした機材を必ず持ち合わせているとは限りません。考えてみれば、そうした専門的な車両や機材、技術を持った会社が、市内各地にあるわけですから、万が一の時には本当に心強いです。

土木工事の会社を経営さている協議会の副会長さんにお話を伺いました。

「私達の団体は町田市で事業を営み、普段は道路や河川、上下水道工事、建築などのインフラ整備の仕事を通じて、町田の街づくりに関わりを持たせていただいている会社で組織しています。協議会設立のきっかけは、命がけで私達の生命財産を守っていただいている消防隊のみなさんは勿論ですが、地元の消防団や医師会はじめ各業界団体や町内会の役員の皆さんなど、ボランティアで汗を流している姿を見て、我々も何かしなければと想い、最初はは有志の数社で災害時の対応について議論した事がきっかけです。」

「私の会社は土木工事の会社ですが、やっぱり会社で整備した道路は自分の子供のようにかわいいですし、自分が道路を仕上げたという誇りもあります。しかし、大災害というものはそうした物を一瞬で破壊してしまいます。道路が壊れたりがれきで塞がって通行できなくなったら、いち早く元通りに通行できるようにしたいと強く思っています。」

「今日の演習でも行ないましたが、人命救助するような場面においても、消防署や関係機関と連係して後方支援として私達の技術や経験が何かお役に立てられればと思っています。今回こうした演習を通じて、実際に瓦礫撤去などの実動の部分の訓練もももちろん大切ですが、町田市や消防署との連絡体制などの連係がしっかり確認できた事が収穫です。」

建設業界をはじめさまざまな団体が参加


また、事務局長さんにお話を伺ったところ、今日の訓練のような大災害時での役割も大切ですが、台風などでの倒木撤去の対応やゲリラ豪雨などでの河川増水時の水防対応、記憶に新しいところで言えば今年2月の大雪のような時なども、市内各地でいち早く除雪作業をされていると聞き大変驚きました。

防災の日は大正12年9月1日の関東大震災にちなんで、この日が制定されたと聞いて言います。10万人を越える方がお亡くなるという、未曾有の大災害が私達の東京であったわけですし、東日本大震災でも、町田にいながらでも、電話が繋がらなかったり交通網が麻痺したりしました。町田駅前の商店街の電気がすべて消えてしまい、普段ではありえない、真っ暗闇につつまれた原町田大通りを見た時のなんともいえない恐ろしさはいまでもはっきり覚えています。

吉原修都議は、「自然災害の発生自体を防ぐ事は不可能だし、広域で起こる大災害では、行政の機能でさえも損なう可能性があるので、万が一に備え、自助共助が大切である。自分自身や家族を守るために日頃から災害に備えるとともに、町内会活動やご近所づきあいを通じて、自らの地域を守る意識を持っていただく事が、減災につながっていく。共助に対する活動の支援は、地域の底力事業などの施策を今までにも提案し、実現してきた。これからも様々な施策を提案していく」と常々お話されています。

最後に、東日本大震災以降、大規模災害での一般ボランティアの方々の被災地での応援活動をテレビを通じて拝見しますが、地域の中でもこうした多くの団体が万が一の災害に向けて私達の町田の街を守っていただいている事に感動すると共に、ありがたい気持ちで一杯です。改めて感謝を申し上げます。

車両から救出した負傷者を現場で救急処置

消防隊による消火演習
女性の消防団員による負傷者搬送

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