【委員会】平成18年9月28日 平成18年総務委員会

2006.09.28 : 平成18年総務委員会

◯吉原委員 それでは、行財政改革実行プログラムの監理団体のことについて、若干お尋ねをさせていただきたいと思います。
 監理理団体の改革につきましては、都庁改革アクションプランの一次、二次にわたって、その実施を通じて、監理団体の団体数がこれまで二十三削減をされてまいりました。それに伴って千百人の職員が削減されて、また、約一千億円にわたって、財政支出が削減をされてこられたわけでありますけれども、これに対しては大変大きな評価をさせていただきたいと思いますし、これからもこの行財政改革実行プログラムの中にある監理団体の改革に従ってしっかりとやっていっていただきたいなというふうな思いをしているわけであります。
 そこで、今回のプログラムで示した監理団体改革について、基本的な考えをお伺いいたします。

◯多羅尾行政改革調整担当部長 東京都はこれまで監理団体改革に積極的に取り組んでまいりましたが、指定管理者制度の導入や公益法人制度改革など、監理団体を取り巻く環境は大きく変化しており、一層の改革が必要となっております。そのため、個々の団体について、それぞれの存在意義を改めて検証した上で、統廃合を行うものや、それぞれ民営化を含む自立的経営への移行を行うものなど、そのあり方を見直してまいります。
 その上で、中期的な経営改革の取り組みを進め、将来を見据えた団体経営の戦略的展開を促進することで、効率経営のさらなる推進と公共性の発揮により、都民に一層貢献できる団体へと変革していくことを基本的な考え方といたしております。

◯吉原委員 今ご答弁をいただきました、団体のあり方の見直しというお話でございますけれども、私もかねてから、委員会や各定例会の本会議の一般質問においても監理団体あるいは報告団体、もうちょっと必要に応じて見直していくべきでないかということを申し上げておりまして、特に行政がやっている話でありますから、何といっても都民にとっての公共性や公益性がなければならないわけでございまして、その役割を果たしているのかどうなのか、もう少し詳細にしっかりと見きわめてもらいたい。こういう発言をさせていただいてきたところでありますけれども、今回の実行プログラムの中に指定解除、こういう項目が設けられました。かねてから東京熱供給の会社に対しては、やっぱり民間と競争をしていく。民間にもそういった会社があるわけでございまして、そういった民に任せるものは任す、民間の競争をより活発にしていく、こういうことが大切だろう、こういうふうに申し上げてまいりました。
 今回の指定解除の中にその内容も具体的に挙げていただいたことは大変評価をするところでもありますけれども、今までの一次、二次のアクションプランとは若干違う、そういう感じもするわけでございまして、その具体的な考え方、あるいは内容についてお尋ねをいたします。

◯多羅尾行政改革調整担当部長 今回のプログラムにおきましては、民間市場の成熟など社会経済情勢の変化により、都として事業を先導する意義の薄れた団体や、事業の安定的運営や自立的経営が可能になった団体など、都が全庁的に関与する必要のなくなった団体については、監理団体の指定を解除することといたしました。
 具体的には、先生からお話のございました東京熱供給株式会社、株式会社建設資源広域利用センターの二社について指定解除の方向性を示したところでございます。
 今後は、都の出資比率の引き下げや都職員の派遣解消など、この二団体に対する都の関与の度合いを順次縮小いたしまして、さらなる自立的経営を促してまいります。

◯吉原委員 ぜひ成果の上がるようにしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
 しかしながら、先般も、港湾局の発表によりますと、持ち株会社方式で臨海地域、統括してつくっていく、こういうお話があったわけでございますけれども、この中にも、その傘下として東京臨海熱供給、ゆりかもめ、ビッグサイト、埠頭公社等もおさめて、それぞれの事業実施はそこでやっていただくけれども、持ち株会社をつくって統括して運営していこう、こういうお話があるわけでございます。
 また、民事再生中であります四つの会社についても、当然のことながらそういう方向で進んでいくんだろうと思います。
 そんな方向性がある中で、きょうのこの実行プログラムにはその具体的なことはまだ載っていないわけでありますけれども、その持ち株会社というものも、当然のことながら東京都が大幅な出資をしていくわけでございますから、当然監理団体になっていくんだろうと思うわけであります。そんなことを考えると、監理団体の中に、さらにまた系列的な監理団体がその中にあるというのはどうも不自然だなというふうに思わざるを得ません。
 今後については、きょうこの場でどうだということでありませんけれども、そのこともしっかりと踏まえた中でその改革を進めていっていただきたい、こういう要望だけ申し上げておきたいと思います。
 次に、報告団体についてお尋ねをいたします。
 かねてから、先ほどのように、再三、報告団体もやっぱり見直すべきだ、こういうお話をさせていただいてまいりました。すべてが東京都にとって、あるいは都民にとっての公共性がないというわけではありませんけれども、株式会社であったって公共性があったり、公益性があるわけでありますし、当然のことながら、行政でやっている、関与している報告団体でございますから、そんなことを考えると、報告団体の中にも、もう既に切り離してもいい報告団体があるんではないか、あるいは、これからもっと重要視される報告団体があって、監理団体に格上げしていってもいいんじゃないか、こういうような思いをしているわけでありますけれども、そういった中で、今回のプログラムの中にも、報告団体への関与の見直しというものを挙げていただいているわけでありますけれども、どういうような観点をもって見直すのか、お尋ねをいたします。

◯多羅尾行政改革調整担当部長 報告団体の中には、委託料など都からの財政支出が多い団体や、都の執行体制のスリム化に資するため、都の業務の担い手となることが期待されている団体もあるなど、ご指摘のように、都とのかかわり合い、あるいは団体の役割は一様ではございません。このため、今後は、それぞれの団体の特性に応じて都の関与のあり方を見直すことといたしました。
 具体的には、報告団体の事業における都財政支出の割合が大きい団体に対しては、関連する事業の収支報告や内部監査における意見など、財務情報についてより詳細な運営状況報告を求めていくことといたしました。
 また、報告団体のうち、都施策を支援、補完していく団体として、より積極的に活用していくものにつきましては、都が責任ある関与を行うために新たに監理団体に指定することといたしました。
 今回のプログラムにおきましては、株式会社PUCを監理団体に新たに指定いたしまして、水道料金徴収業務などの水道事業の準コアな業務の担い手として、都の水道事業を支援、補完させることといたしました。

◯吉原委員 わかりました。とにかく、社会情勢も大きく変化をしているときでもございますので、そういった団体をしっかりととらえて見ていただいて、監理団体あるいは報告団体の、東京都の関与のあり方というものを、これからもしっかりと進めていっていただきたいということだけお願い申し上げまして、終わりにさせていただきます。
 続いて、小笠原諸島振興開発計画の変更素案についてお尋ねをいたします。
 今月の九月十四日、小笠原振興開発計画の変更素案の報告を聞いたところでありましたけれども、それから間もない九月の十九日付の新聞報道では、国と都がTSLの就航を再検討する、こういう大きな見出しで新聞に掲載をされておりました。
 昨年の十月にこの委員会で、TSLの就航を断念する、そういう答弁があったわけでありますけれども、今回のこの新聞報道には大変驚かされたわけであります。だれよりもあの小笠原の島民の皆さんが、この新聞記事を見て、一体どうなってるんだろうというふうに思っているのではないかと思うわけでありますけれども、改めてお聞きをいたしますが、TSLの就航を断念した考えには変わりがないのかどうなのか、お尋ねをいたします。

◯松本多摩島しょ振興担当部長 テクノスーパーライナー、TSLにつきましては、燃料であります軽油価格が高騰いたしまして、運航収支の大幅な赤字が継続すると見込まれたことなどから、昨年の秋、都として運航支援を断念いたしました。また、国も運航支援を断念いたしまして、既に振興開発基本方針の変更を行い、TSLに関する記述を削除したところでございます。
 小笠原定期航路は、島民の唯一の生活航路として、信頼性、安定性が何よりも重要でございます。TSLについては現在ではさらに巨額の運航赤字が見込まれる上、現「おがさわら丸」と同様の就航率の確保は困難であり、小笠原定期航路への就航は難しいという考えに変わりはございません。

◯吉原委員 そういうことであれば、今の答弁を踏まえて、変更素案について何点かお尋ねをさせていただきます。
 ことしの五月に、国が小笠原諸島に関する基本方針の変更を発表いたしました。この基本方針の変更を受けて、都としては今までの計画を変更するわけでありますけれども、変更内容についてどのようなものがあるのか、お尋ねをいたします。

◯松本多摩島しょ振興担当部長 ご指摘のとおり、本年五月、国は、TSLの就航が困難となったことなどを受けまして、高速交通アクセス手段や観光、地上波テレビ放送のデジタル化対応などについて基本方針を変更いたしました。都は、基本方針の変更を踏まえまして、本委員会へのご報告及び都民への意見募集などを経て、振興開発計画を十一月末に変更する予定でございます。
 変更計画の主な内容は、将来の航空路の開設を目指した検討、観光客増加に向けた振興策及び世界自然遺産登録への取り組み等となってございます。

◯吉原委員 今のお話を一口でいえば、TSLを断念したことによって、再び航空路の開設を目指して検討していく、こういうことになるんだろうと思いますが、具体的にどのように進めていくのか、お尋ねいたします。

◯松本多摩島しょ振興担当部長 これまで、新規の空港整備につきましては、国が空港整備計画を定めまして、その中で事業として位置づける方式がとられてまいりました。しかし、平成十五年度以降はこの方式が見直され、新たに示された国の整備指針の中で、新規の空港整備に当たっては、合意形成の手段としてPIを実施することが必要とされました。
 都は、国の整備指針に基づき、村と協議会を設置いたしまして、計画期間内に空港候補地選定に向けたPIを実施してまいりたいと考えております。
 また、都は、PIに反映させるために、自然環境への影響、費用対効果、運航採算性、安全性等について、総合的に調査検討を行うこととしております。

◯吉原委員 簡単に変更素案について一通りお伺いをいたしました。
 小笠原諸島の振興は、単に東京だけの問題ではないと思います。私たちのこの日本にとっても、安全保障の問題があり、あるいは、先ほどもお話しいただきました世界遺産の問題も、特異な自然環境の保全という意味であるんだろうと思いますし、海洋資源、そして観光等、さまざまな貴重で重要な位置づけをされているわけであります。加えて、島民の生活の安定と向上をしっかりと確保していかなければならない、この行政の大きな責任もあるんだろうと思います。
 これまでに、自然環境や費用対効果などの理由によって、航空路の白紙撤回をされてきた。そしてまた、さらにはTSLの就航を断念した。そしてまた、もとに戻って三度目になりますか、再度、航空路整備を模索していく、こういうことになるんだろうと思います。もう二回も失敗をしたといっても、決して過言ではないと思うわけでありますけれども、三度目、同じ轍を踏まないようにしっかりやっていっていただきたい。
 そのためには、国交省、あるいは環境省、国の関係機関との協議というものをしっかりやっていかなければならないと思います。と同時に、やっぱり島民の皆さんが今後自分たちの生活をどのように向上させていくか、あるいは確保していくかということは、ご案内のとおり大変心配されているわけでございますから、島民の皆さんの合意というのも大変重要になるんだろうと思います。
 そういった意味で、村民の皆さんの合意というものが重要になるわけでありますけれども、その見解をお伺いして終わりにしたいと思います。

◯松本多摩島しょ振興担当部長 小笠原への航空路開設には、航空路の必要性の認識共有を初め、自然環境への調和などのさまざまな課題について、村民の合意形成が何よりも必要でございます。村は、村民の理解を深めるため広報広聴を開始し、今後、航空路の開設に向けた推進組織の立ち上げを準備することとしてございます。都は村の取り組み状況を見きわめた上で村と協議会を立ち上げ、航空路の開設に向け、PIを実施してまいります。

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