【委員会】平成16年5月11日 平成16年都市整備委員会

2004.05.11 : 平成16年都市整備委員会

◯吉原委員 それでは、簡単に三、四点についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 これまで東京都は、地震対策を初めとして、火災対策などさまざまな防災対策に向けて、全庁を挙げて積極的な取り組みをしてきていただいてまいりました。今後も引き続き、あらゆる災害への予防あるいは対応策を構築していただく中で、都市整備局としても、危機管理体制の役割をより強固なものにしていただいて、防災に強い都市づくりのために全力を尽くしていただきたい、そう思っているところでもございます。
 さて、昨年の六月、国の方で特定都市河川浸水被害対策法を制定いたしました。これは集中豪雨時における防災調整池の重要性ということで、その重要性にかんがみて、浸水被害の防止に努めるということだろうと思っております。そしてこの五月十五日、いよいよ施行され、スタートされる、そういうふうに伺っているところでもございます。河川の指定、そして河川地域の指定は知事が指定をするということになっているわけでありますけれども、施行に向けての都の対応状況というものをお尋ねいたします。

◯山崎都市基盤部長 東京都の対応の状況でございますけれども、河川の指定は、今、委員の方から申したとおりでございますけれども、その後、この法に基づいた計画をつくって、さまざまな流域対策等を実施していくことになります。
 この検討におきましては、都知事、河川管理者、下水道管理者、それからいわゆる地元自治体というような関係者で計画をつくり、対策を実行していくことになりまして、現在、関係者でいろいろ協議をしているところでございます。

◯吉原委員 せっかくできた法律ですし、施行間近ということになっているわけでありますので、治水対策あるいは浸水対策という意味からも、早急に関係部局と調整をしていただいて、ぜひ指定を早目にしていただけたらありがたいなと思います。
 我々のような三多摩に住んでいる者にとっては、ご案内のとおり、三多摩の中では大規模な開発というものが大変多いわけであります。その中において、民間所有の防災調整池が数多くあるわけでございまして、防災調整池の役割は開発地域や周辺地域を浸水被害から防止する、こういうことであります。しかしながら、年がら年じゅう機能や役割を果たすという施設ではないわけであります。そんな意味では、非日常的なだけに、日ごろの管理の難しさといいますか、重要さというか、そういうものを強く感じるわけでありますけれども、既存の調整池の管理はどんな形で、どなたが行っているのか、お尋ねをいたします。

◯山崎都市基盤部長 既存の調整池の管理でございますけれども、さまざまな形態、おおむね四つぐらいの管理形態がございます。一つは自治体が管理しているもの、二つは公社公団が管理しているもの、三つは民間が所有し、管理しているもの、四つ目として、民間が所有し、管理協定を結びまして自治体が管理している、こういうような形態がございます。
 民間がみずから管理しているものにつきましては、中には埋め立てが行われるというような問題も生じているところがございます。一部の自治体においては、こういうことに対しまして、自治体に移管し、管理協定を締結する等々の対応をしているところもございます。

◯吉原委員 管理形態、四つあるということでございますけれども、特に民間の所有する防災のための調整池について、一部は地元自治体との管理協定を結んでいる、こういうことでございますけれども、本当に本来の管理をしなければならないような形態をなしているのかどうなのか疑問を感じることが、私たちの三多摩の中でも間々見受けられることがあるわけであります。
 例えていえば、調整池の上には構造物が建てられることが可能だということに規定ではなっているようでございますけれども、そのことによって、宅地を開発したときに、その開発されたところに住まわれるようになった方々は、調整池の上に物が建つということは最初から知らないわけでございまして、そういった状況の中から、個人的な所有者と住民の皆さんとの紛争に発展してしまう、こういうケースもあるわけであります。
 また一方、調整池は、深さの深いところもそうでないところも場所によってあるんだろうと思いますけれども、良好な住宅地をなしている中で、その調整池、そんなに深さがないようなところであっても、民間の方が所有しているところにとっては、何とか事故のないように、あるいは危険が住民の皆さんに及ばないように、そういうことのお考えのもとだろうと思いますけれども、広い調整池の周りを全部網を張って、フェンスをつくっている。良好なところに住んでいる住民の皆さんにとっては、何ともしがたい、景観も余りよろしくない、こういう意見も多数聞いているわけであります。
 また、今お話しさせていただいたものは、戸建て地域にありがちな話ではありますけれども、集合住宅、公団さんもそうでありましょうし、また供給公社の場合もあるいはそうかもしれません。大きな一団地の中には、調整池が大変広いところもあるわけでございまして、そういうところについては、一年じゅうそのところに水がたまっている。集中豪雨のときは、特に水がたまる量というのは多いかもしれませんけれども、そうではなくて、からからの物すごい夏の暑いときでも、ヨシが茂って、ある一定の水がそこにはたまっている状況があるわけでありまして、排水もきちっとできていないのではないかな、そんな思いをすることが地元でも見受けられるわけであります。
 本来であれば、宅地あるいは大規模開発をするときには、東京都も、許可するという意味であっても、直接的あるいは間接的に関与している部分があるんだろうと思いますので、そういった調整池が一体どういう状況になっているかということを実態調査していただく機会があってもいいんではないかな、そんなふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

◯山崎都市基盤部長 東京都では、五十三区市町村と東京都で総合治水対策協議会というのをつくってございます。この協議会を通じまして、各区市町村におきます防災調整池等の設置状況については、毎年調査してきております。しかし、今ご質問の管理の実態については、必ずしも十分把握していないというのが現状でございまして、今後、同協議会を通じて、管理の実態についても調査していきたいと考えております。

◯吉原委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 この新法が施行されることによって、既存の防災調整池を保全調整池として指定されるものについては、法内ということになるんだろうと思いますけれども、その法内になったものについては、管理責任もきちっと出てくるんだろうと思いますので、余り心配はしなくてもいいのかなというふうな思いもしているわけであります。その一方で、先ほど冒頭にお話をさせていただいたような、指定をされていないところについての調整池というものは、今後一体どうなっていくんだろうかと心配をするわけであります。
 そのための予防策といいましょうか、そういった意味においても、個人的な所有者であれば、民間の方の所有者であれば、地元自治体と管理契約を結ぶとか、そういったある程度東京全体の中での統一したものを、やっぱり東京都としてもつくっていく必要があるのではないかな、そんな思いをしておりますので、きょう、その返事をくださいということではありませんけれども、また協議をしていただいた中で、そのことについても教えていただく機会があったらありがたいなと思っているところでもあります。
 もう一点だけちょっとお尋ねをさせていただきますけれども、先ほど吉野委員からも、多摩地域における振興という意味でお話をいただきました。全く同感でございまして、三多摩も、文化もそうでありますし、経済もそうでありますし、あるいは交通インフラもそうでありますし、さまざまなことをとっても、まだまだ立ちおくれている部分がたくさん見受けられる、そんな思いをしているわけでありまして、特に八王子、多摩、立川、青梅もそうでありますし、町田も、業務核都市として指定された中で、今、構想も決定して進んできている、そういう部分もあるわけであります。
 また、知事もよくいわれている中では、横田基地も、とにかくチャーター便をすぐ飛ばすぞ、こういうふうにおっしゃっていただいているわけでございまして、そのチャーター便を飛ばすということと、民間が軍と共用するということは、また別の話だろうと思いますけれども、昨年の五月だったでしょうか、ブッシュ大統領と小泉総理、日米の首脳会談の中で、横田基地の問題も小泉総理の方から提案されまして、政府間でこれから協議をしていこう、そういうことでその場は終わったということをお聞きしているわけでございまして、今、国内においても、外務省が中心になっていらっしゃるのか、あるいは防衛庁が中心になっているのかわかりませんけれども、とにかく、東京都も一緒になった中で協議が進められているということをお聞きしているわけであります。
 そして、お聞きしている中では、民間があそこの横田基地を常時使えるようになるまでに、日米の協議はきちっとした形かどうかはわかりませんけれども、日本側の提案も、この数カ月のうちにアメリカ側にお伝えをする、そういうような段階に来たというふうにお聞きしているわけでございまして、そういった意味でいうと、多摩も南北交通がまだまだ不十分だという状況があるわけであります。
 あの臨海の「ゆりかもめ」も、完成しているから、今こそ経営的にも大分楽になってきて、これからプラスになっていくんだろうと思いますけれども、やっぱり中途半端なうちでの交通機関というものは、経営的にも圧迫してしまう部分というものがたくさんあるんだろうと思います。そんな意味でいえば、私も町田は地元でありますし、あるいは上北台から箱根ヶ崎の区間もやるということも、一応構想の中にのっかっているわけでございますし、そういった意味でいうと、その路線を、多摩モノレールというものをきちっとした形で、なるべく短い時間の中でつなげていただくということが、経営的にもあるいは多摩の振興にも、さまざまな形での首都東京としての役割を担う中で、大きな意味があろうかと思っております。
 そんな意味で、今の多摩モノレールの状況について、もしお答えいただける部分がございましたら、一言で結構ですので、お願いをいたします。

◯山崎都市基盤部長 多摩モノレールの状況でございますけれども、平成十二年の一月に全線開業してございまして、おかげさまで乗客も着実に伸びてきてございます。また、経営につきましても、経費あるいは人件費の縮減、削減に努めて、経営努力をしてきているところでございます。
 しかし、鉄道事業あるいは軌道事業の特性としまして、開業から一定期間は資金不足あるいは赤字が発生するというようなことがございまして、ことしの決算では、残念ながら、債務超過となる見通しだというような報告を会社の方からも受けているところでございまして、経営的にはそういうような状況になってございます。しかしながら、当面の運転の資金は確保されている、大ざっぱにいいますと、こんな状況かと思います。

◯吉原委員 今お話をいただきましたので、くどくど申し上げるつもりはありませんけれども、とにかく債務超過というのは、この多摩都市モノレールの会社にとっては大した問題ではないと思っておりますから、そういった意味でいうと、東京都も大きな出資もしておりますし、あるいは関連している五市の自治体の皆さんも、出資金もきちっとした形で出しております。そしてまた時期を少しおくらせて、貸し付けも、東京都もあるいは関連の五市の皆さんも貸付金を出しているわけでございますので、そういった皆さんに、これから多摩都市モノレールどうなっていってしまうんだろうというような心配をかけることがないような、そういう姿勢を持った中で進めていっていただきたいと思っております。
 そんなものはもう要らないよという方々、多少の政党的な方もいらっしゃるようでありますけれども、そういうことを気にせず、きちっと、経営も大事ではありますけれども、やっぱり将来に残す大きなインフラ整備でございますので、その辺も大きくとらえていただいた中で、積極的な取り組みをお願いしたいと思っております。
 以上でございます。

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